4年前の過ち | 書きなぐり。

4年前の過ち

リストカット(腕を故意に切りつけること)やらオーヴァードーズ(薬物大量摂取)、ここには書けないいろんなこと、前回の入院でもう懲り懲りと思っていた。

 

だけどまたその衝動に駆られた事があった。

たった4年前のことだ。

とても悲しいことがあったのだ。

 

そうなったらもう私は止まらない。

大事に取っていた薬を集め、机の上に集め全てプチプチとシートから薬を出す。

入れ物に入れてザザザーっと口に入れ、その頃大好きで毎日飲んでいたカフェオレでそれを一気に胃に流す。

安堵する。なぜか。なぜか薬をたくさん飲むと安心する。

その後、だんだんと意識が遠のいていくのが楽でスゥーっとするからだ。

その後のことなんて考えてない。

その瞬間楽になれるなら、それしか考えてない。

 

覚えてないけど、また心配かけるなって思った。

記憶が消える前に、近所に住んでる妹に「薬飲んだ」ってラインしてたみたい。

助けて欲しいんじゃない。

ごめんねって気持ちがあったからだと思う。

 

気がついたら病院だったと思うが、前回と同様、薬でグラグラのまま家に帰らされた。

多分胃洗浄をして、でもそれ以上は何もしてくれない。

自殺未遂に医者は優しくない。前回も前々回もそうだった。

っていうか毎回そうだ。

そりゃそうだ。

本当に苦しんで助けを求めてくる人がいる病院で、私のような馬鹿を相手する暇などないのだ。きっと。

 

グラグラの頭で何がなんだかわからない状態で、私はずっとラインをしてた。

文字がなかなか打てず、ずっとラインと格闘してた。

だけどラインできる状態じゃなかった。

お母さんに、「今はやめておこうね」って優しく何度か言われた気がする。

 

なぜ薬を飲んだのか。

私は失恋をしたのだった。

それ如きのことで、もう生きていたくないって思って

薬を大量に飲んで、意識を飛ばしてしまいたかった。

その時は本当に強くそう思ったんだ。

 

だけどそんなことを認めてくれる人なんていない。

親に迷惑をかけ、姉妹に迷惑をかけ、お医者さんに迷惑をかけ、お金がかかり(親が負担)、いい歳して本当、やることじゃない。40歳を過ぎていたんじゃないかな。

自分で考えてもメンヘラ爆発だ。

 

だけどそんなこと、私がパニックになったら誰にも止められなくて。

家に一人でいるとずっと悲しいことばかり思い出され、いてもたってもいられなくなって、もう薬で意識飛ばす事しか考えられなくなるのだった。

 

病院から実家に行き、それからはずっと実家にいたけど、私の強い要望で自分の家に帰ることが出来た。

親たちは反対したけど、私は別れた彼氏が戻ってくるって信じてた。

家に送ってもらい、部屋の掃除しなさいねって言いながら母親が床の雑巾掛けをしてくれた。

なんかごめんね、と思いながら私は元彼氏にどうにか連絡をしようとラインと格闘してた。

 

気がついたら、元彼氏が家にいた。

どうやって入ってきたかとかは覚えてない。

 

「帰ってきてくれた」私は単純に嬉しかったの覚えてる。

心配かけたとか、胃洗浄したって脅してビビらせて戻ってこさせたとか

何も考えられなかった。

ただただ、元彼氏が戻ってきたことが嬉しかった。

これからもずっと一緒にいられるって思った。

 

元彼氏は、自分のせいで人が死んだりしたらたまらんと思ったのだろう。

今ならそう思える。

でも私はその時は何も考えられなかった。

 

ボーッとしたまま、彼氏と二人で話した。

何を話したかは覚えてない。

うんうん、と言いながら、言ってることは何もわからなかったが「戻ってきてくれて嬉しいなぁ」ってしか思ってなかった。

 

私の精神状態が普通に戻るまで、元彼氏は私の相手をしてくれた。何日だったか何週間だったか、まるで覚えてないけど、元彼氏は毎日家に帰ってきてくれた。

 

だいぶ私が落ち着いた頃、改めて彼氏に振られた。

理由はなんか、取ってつけたような理由だった。

 

だけど思う。

別れた途端に薬をいっぱい飲んで入院して胃洗浄する女なんて、誰にも優しくない。

自分の事しか考えてない。

そんな女と付き合いたい人なんていないと思う。

 

その時私は冷静に、「あ、もう無理なんだな」って思った。

「わかった」簡単に別れ話は成立した。

別れたからにはもうこの人に優しくしてあげることもない。

私は一緒に入っていたお風呂を無言でザバンと出て、服を着て髪の毛を乾かしていた。

 

追いかけて風呂から出てきた彼に「ねぇ、なんで冷たいの?」って言われたけど、

「なんで別れた人に優しくしなきゃいけないの?」って感じだった。

 

「荷物、明日までに全部持っていって。持てない分は明日郵送して」

事務的にそう言うと、なんと彼は突然泣き出した。

 

「なんでそんなに冷たいの」ウゥウゥと泣きながらそう言われた。

この人、自分から別れるって言ってるのに、人に嫌われたくないんだな、って思った。

 

なんか、しらけた。

別れてよかったって思った。

 

だけど私もついさっきまでこの人のこと好きだったから、「ごめんね」って優しくしてしまった。しょーーーーーもなっ!

共依存ってやつではないかと思う。

そして、どっちも自分勝手なんだよね。

「最後に写真とろ?」

「うんわかった」私はそう言って写真撮ったけど、すぐ捨てた。

そうやって優しくすることでこの人は私に嫌われたくないんだってことを私に植えつけようとしてるって思ったから。すぐ捨てた。

 

まぁ、それで別れたんだけど、彼が泣いてくれたおかげで、なんとなく私の気持ちは白けて、最後は結構すんなり別れることが出来た。

 

ちなみに泣くほど私に優しくして欲しかったはずの彼は、実際別れた後私からのラインに返信をくれなくなった。

なんなんだよチクショウ。気が済んだら終わりかよ。

 

今はその人のこと、なんとも思ってない。

なんとも思ってないって言うか、嫌いかもしれない。

優しいふりして自分勝手なとことか、(私もそうかもしれないけど)腹が立つことはあっても、また付き合いたいなとかいい人だったなとか、もう思わなくなった。

 

なのになぜあんなに執着してしまったかと言うと、彼に依存していたに他ならない。

 

浮気者の私が、一度も浮気せず付き合っていたことはすごいなって思う。

だけど彼は浮気してたことが後でわかった。

 

許さん。

 

それから結構立って、今思い出すこともあるのだが、彼の何が好きだったのか、一切わからなくなったよ。一体なんだったんだろう。

 

好かれてるってことが嬉しかっただけなのかもしれない。

でも浮気してたってことは、そんなことなかったかもしれないね。

 

バイバイ。簡単に人前であまり泣くなよ。男の子なんだから。