Kくんのネックレス
二週間後、またKくんと会う約束をしていた。
今度はファミレスで会うことになっていた。
今日こそセックスしてやるぞ!
私は力強くそう思っていた。
セックスをしたら人は人と仲良くなれる、当時の私は強くそう思っていた。でも自分からは恥ずかしくて誘えないから、どうにかKくんがそのきになってくれますように。。。
ファミレスで無事に再会した私、まずKくんの首にぶら下がっているネックレスに目が止まった。
…ダサい。ものすごくダサい。
イルカの石にヒモがついたようなそのネックレスのダサさに、私はKくんと目を合わせることができないぐらいの衝撃を受けた。
「久しぶり〜」Kくんは言う。
「…う、うん」私はしたを向いたまま言う。
しばらく何か話をした(全く覚えてない)私たち、突然Kくんが怒り出し言った。「なんで俺の顔見ないの?」
「なんだよ、なんかあるなら言いなよ」
「う、うん、あの…いや…」
ネックレスがダサすぎて恥ずかしくて顔が見れないなんて言えない。
今の私なら、違うネックレスでもプレゼントして
「こっちの方がいいと思うよ!」なんて言えるだろう。
だけど当時の私、激烈人見知りだし、人と話す能力が低すぎた。
だけどKくんのネックレスはダサすぎて目を見て話すことができない。
「もういいよ!なにも言わないならもう帰る!」
ついにブチキレたKくん。
焦った私、ついに口を開く。
「ネックレス…」
「え?ネックレス?これ?これがどうしたの?」
「ダサい…」
「なんて?今なんて?」
「ごめん、ネックレスダサすぎて顔見れない」
その後、Kくん、顔を真っ赤にして怒った。
怒鳴り散らして、私はずっとごめんなさいを繰り返した。
これはセックスどころではない。
失敗した。
しかしネックレスがダサすぎた。
その日はおもくそ怒られて帰った。
なにもせず。
今でも思う。あのネックレスはダサかった。
私ももっと言い方があったと思う。
プライドの高いKくんに、「ネックレスがダサい」は効いただろう。だからあんなに怒ったんだろう。
本当に申し訳ないことをした。
でも、ネックレスは死ぬほどダサかった。
そした私はまたもKくんとセックスをする機会を失った。
だけどなぜか次に会う約束もしていた。
Kくんは怒りながらも、イラストの描き方を教えてくれたし、次会う約束もしてくれた。
私は怒られながら次の約束をしてくれたKくんがなにを考えているのかわからなかったけど、また会いたいなって思ってた。
ネックレスをしていないのだとしたらだけど。