フーゾク。浮気 | 書きなぐり。

フーゾク。浮気

フーゾクでめちゃ忙しくお店も休めなかった時、店長も忙しく家に帰ってこれない時がよくあった。
前の初彼氏が1日3回セックスする人で、彼氏が変わったら急にセックスをしなくなって、わたしはどうしてもセックスがしたくて困ったなぁと思っていた時があった。
わたしのセックスは性欲によるものではなく、他者に受け入れてもらうことで自分の価値を確認する作業だった。だからやってないとどんどん卑屈に自己評価が低くなってしまう。
わたしはやるしかなかった。
だけど店長は家にも帰ってこない。
たとえ家に帰ってきても、疲れてると言ってセックスしてもらえなかった。

ある時取材できたカメラマンの人に取材後「外で会おうよ」と言われた。取材は夕方仕事が終わる頃にあったから、もうすぐ仕事終わるから外で待っててくださいとお願いした。
会っちゃいけないのはわかっていた。しかも店長の嫌いなエロ本系カメラマン。わたしは店長に内緒でその人と会うことにした。

店長にバレたらどうなるかわからない。だけど、誰かにセックスしてもらえないとわたしは自分に自信がなくなって卑屈になってしまう。それは何をしてもどう考えても変わらない事実だった。その時は。
ごめんなさい店長。わたし浮気します。

仕事が終わり、外で待ち合わせしてたカメラマンと合流。わたしの家に行くことになった。わたしの家と言っても、ほんとは店長の家。人んちに、おとこを連れて帰る(しかもその日出会った人)。わたしも相当頭おかしいけど相手のカメラマンもよくきたなと思う。「本当に帰ってこないの?」って何度も言われた。「うん。帰ってこないから」何度も言った。

部屋に入ったら「服脱げ」と言われた。突然のことで「は?」ってなった。だけど相手は本気だった。「脱げよ」
それから、乱暴にセックスされた。お店の優しい人に慣れてたから怖かった。だけど人に求められてるって思えてありがたいと思った。

男の人はわたしより偉いと思っていた。男の人がいないと(セックスしてもらえないと)わたしは自分の価値を知ることができないし自信を持つことが出来なかった。だから乱暴なことも耐えた。ありがたいありがたいと思って、した。

終わってシャワーに入ろうと言われた。あ、優しくなった。と思った。男は必要と言えどもやはり優しい方が良い。わたしは嬉しくなってシャワー室に行った。

「飲めよ」男の人はわたしにおしっこを飲ませようとした。今なら「バカヤロウお前が飲め」ぐらい言えるんだけどその時は言えなかった。言えなかったけど、飲めなかった。「ごめんなさい」と言いながら体におしっこをかけられて情けない気持ちになった。自信を持つためにセックスしてるのになんでこんな情けないことになってるんだろう。って思いながら、終わるのを待った。

またしてくれる、そう思っていた。この人はわたしとセックスしてくれるんだからまたデートしてくれるはず。そう思ってた。

シャワーから出て服を着て、彼は帰っていった。よく考えたら、連絡先も知らなかった。もう二度と会うことはなかったのだ。

セックスすれば自信満々で元気になれるわたしも流石に落ち込んだ。なんだったんだ今のセックス…。

だけど、誘ったのはわたしだし、家に連れてきたのもわたし。セックスしたら人はまた会おうとかデートしよっていってくれると思ってたし、優しく抱いてくれて好きっていってくれるのが普通と思ってたから、悲しかった。

心がズタズタになって、その日は寝た。
取材でまた会えるかな?とも思ったけど、その人と二度と会うことはなかった。