初めての精神科2 | 書きなぐり。

初めての精神科2

寝たり起きたりを繰り返しながら、毎日を過ごして居た。ぼーっとしながら知らないうちに涙がダーダー出てることも少なくなかった。

 

もうダメ! 嫌なこと考えたくない! 明日の事考えたくない! 意味がわからない! なんで! なんで!ってのと

 

もういいや。死のう。やる気でない。めんどくさい。全部めんどくさい。死ぬほどめんどくさい。やりたいこともない。めんどくさい。

 

ってのとを繰り返しているうちに訳が分からなくなって腕を切る。

 

スーッときもちが落ち着くのがわかった。

流れる血や、切れた皮膚の間から見えるピンクの肉を見て、あぁ、私は生きているって思えた。それがないと自分が何をしているのかなんなのか生きているのか何もかもわからなかった。

 

よく、リストカットは誰かに対するアピールですって言う人いるけど全く違う。人に知られるのはめんどくさい。切りたい気持ちなんてわかる訳ないし説教もめんどくさい。辛かったね、なんて声いらない。もう、何もかもがめんどくさいし寄ってくんな、声かけんな。って思ってた。

 

辛い日々が続き、将来生きて行く自信もないしやりたいこともろくにないしできれば死にたい、一人暮らしこれ以上続けるの無理、もうごめんなさいってなったとき、私は実家に電話して居た。

 

母が、「どうしたの、辛いなら帰ってきなさい」って言ってくれた。

無理に家を出たから、もう親のお世話にはなれないってそれまで思っていたのだけど、それを聞いた時、ドバーッと涙が出て、あ、私の味方がいるんだって思えた。

それまで誰に励まされても泣かれてもなんとも思えなかったのに。

 

実家に帰り、母と話をした。

「フーゾクやってて、イラストの描いてて、もう何もしたくない、全部めんどくさい、死にたい」って言ったのだと思う。

母は、お父さんに言っておくから。と言ってた。

 

それから数日、昔の自分の部屋に引きこもってずっと寝て居た。ご飯ができても部屋の鍵を開けずにずっと寝て居た。両親は働いているので朝8時には居なくなる。そうして初めて部屋を出てご飯を食べてまた布団に戻る。

 

多分数日後、母が新聞か雑誌の切り抜きを出してきて、「精神科に行きましょう。お父さんも一緒に三人で。」といった。

 

電話をして予約をしてもらい、赤坂の精神科に行くことになった。

わたしは久々に家を出て、電車に乗った。今までは「座りたい」と言うと母が「若いんだから立ってなさい!」と言って居たけど、その時は電車の席が一つ空いてて「座りなさい」と言ってくれた。

 

父はずっと難しい顔をして居た。申し訳ないなぁと思いながら、でももう一人でやって行くことは無理だしな、などと思っていた。ただ、フーゾクのことを母は父に言ったのだろうか? とちょっと気になっていたけど、それよりももうなにもかもめんどくさいから母親の言うこと聞こう、そしたらどうにかなるのかな、なればいいな、ならないか、ならないだろうな、まぁいいや、どうでもいいや、って感じで、もうただただ親の言うこと聞いて病院に向かった。

 

赤阪の病院は、駅の近くのビルの二階にあった。

多分みんなドキドキしながら初めての精神科のドアを開いた。

 

その病院は、今まで行ったことのある内科や耳鼻科にあるような白い壁と無機質な椅子とちがって、高価そうなソファと木目調の壁とでできていた。

受付を済ませて三人でソファに座った。受付の台にはその病院の院長さんが書いたであろう精神系の本が何冊か並んでた。待合室には癒し系の音楽が流れてて、希望者にハーブティが出てくる。

わたしはその全てを「胡散臭い、気持ち悪い」と思った。鳥肌が立ちそうだった。

今思うと多分有名でいい病院だったんだと思うけど。

 

私たちは先生に呼ばれるのを待った。