宇都井・宮島連絡船 | URAROUTEブログ

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地理的にマニアックな場所を訪ねるページです。鉄道・酷道・険道・県境・飛地・果て・日本一(初・唯一)、無くなる前訪問など。時事ネタが理想的ですが、過去に訪れた所を記録的に残すことで精一杯であること、ご了承ください。

毎年のことながら、正月旅行から3月までの乗り鉄に4月の花見、改元にGWと駆け抜け、ようやく落ち着きました。あとは地道に更新するのみです。

 

時期外れですが、2018年広島旅行の目的の一つは廃止前の三江線を訪ねること。

 

三江線は江の川に沿って島根県の江津市から広島県三次市を結んでいた全長108.1kmの長大地方交通線。100km越えの廃止は北海道で例がありますが、本州では初。今まで特急・急行など定期の優等列車の設定がなく、利用客も開業当初から少なかったようです。

 

三江線には高校時代に1度乗ったことがありますが、当時から本数はとても少なかった…。

この日は朝3時半起きの広島から車で三次駅へは5時20分着。

【2018年 広島旅行】

12月30日() 《1日目》 瀬野スカイレールサービス市内観光・基町高層アパート

12月31日() 《2日目》 可部線

1月1日() 《3日目》 三江線・厳島神社

1月2日(火) 《4日目》 ???

1月3日(水)  《5日目》 帰路

 

もう見ることのできない三江線の行先案内ですが…こんな早朝の設定は廃止前の鉄ヲタ以外、一体どんな人が乗るんでしょうか?表示は江津行きですが実際は浜田行きのようでした。

 

高校時代から変わらないこの車両。当時はトイレが無くてそわそわしたのを覚えていますが…。廃止前とあって長い列ができ1両編成は超満員。何とかロングシートの端っこを確保。

 

まだ暗闇の早朝、途中口羽駅にて長時間停車。徐々に空は明るくなり…今回の目的地、

 

宇都井駅へ。ローカル線にしてホームが地上20mという高さにあることから天空の駅とも称される有名な駅。そこにポツンと1両編成が停車しているこのギャップがいいです。

 

宇都井駅ホームの様子。高さもさることながら、4両以上止まれそうな長いホームは陰陽連絡線構想による先を見越してのことでしょうか。もうじきその夢も果たせぬまま…

 

ホームから待合室へ、そこから地上へ116段の階段が続きます。エレベーターは無し。

 

山と山に挟まれた地形上の制約により高架にせざるを得なかったようですが、こんな近代的な駅になったのは開業年が比較的新しめの1975年(昭和50年)。この年をもって悲願の全線開通となるもすでにマイカー利用が主流になっていました。

 

ここでの滞在時間は1時間2分。ホームや駅周辺を散策し三次行きに乗って戻ります。そして、忘れてました汗この日は元旦門松

 

全線通しの浜田行きが1両編成でしたが、宇都井駅8時14分発三次行きは3両編成で余裕で座れました。車内から宇都井の集落を撮ります。

 

穏やかな江の川を眺めながら三次へ。

 

乗った列車は折り返し石見川本行きとなります。この後は追い鉄!!

 

石見川本行きに先回りして宇都井駅へ向かうところ。三江線が廃線にならなかった要因の一つ、代替路線となる"並行道路の未整備"を感じさせるやや荒れた狭い国道。

 

宇都井駅に到着した石見川本行き。多くの人がカメラを向けていました。

 

途中に寄った浜原駅は、この駅止まりの設定があったりの運行上の要所で、昭和12年に先行開業した"三江北線"江津~浜原の終点。

 

その後昭和38年に"三江南線"口羽~三次が開通。宇都井を含む昭和50年全線開通区間の新線口羽~浜原と部分開業を経て着工から50年、昭和50年に全線開通したことを記念する碑が写真左にあります。

 

追い鉄してはるばる石見川本駅までたどり着きました。先ほどの三両編成の列車が休んでいます。

 

立派な駅舎を有する石見川本駅。路線の途中にある主要駅の一つですが、ここ川本町の人口は3千人ほど。同じく沿線上の美郷町(粕淵・浜原等)は4.5千人など、三江線の途中には大きな街がない。

 

陰陽連絡として大正時代から計画されるも、戦前の土木技術の未熟さから川に沿って敷設せざるを得ず、広島⇔島根へ越境するのに直線距離の1.8倍も迂回する108kmを3時間半かけて運行。運行距離の長さは路線維持経費として重くのしかかります。全線開通するもモータリゼーションの進展に伴い運行本数はその当時から僅少、例え本数を増やしたとしても赤字は免れなかったことでしょう…。

 

これは22年前、高校時代に青春18きっぷでムーンライト九州に乗って山口県の大嶺支線廃止日に行ったときの写真も加えておきます。この路線はたった一駅の廃止ですが、あの時からまさか100km越えの廃止があるなんて…

 

石見川本をあとにし、この日は元旦ということで…

 

宮島に初詣に行きました。行きの東京都区内→宮島のJRきっぷを用いたいところですが、記念に常備券を買ってみました。

 

JR西日本宮島連絡船は鳥居に最接近する絶景が望めます。

 

着いたのがちょうど干潮だったので鳥居の近くまで寄ることができました。潮の満ち引きによって趣が変わるさまはまるで潮とともに神が出入りしているかのよう。

 

フェリーと一緒に人が海の上を歩いているようなこんなインスタ映え写真(オジサンがおこがましい汗)を撮ることもできちゃいました得意げ

 

午後の宮島は思ったほどの混雑はなくゆっくり初詣することができました。参拝するためにわざわざ船に乗って時間をかけて向かうありがたみ、"鉄道駅ではない駅"からJRのきっぷを持って船に乗る優越感に浸りつつニコニコ 宮島のチケッターを押してもらえなかったのが残念です汗

 

この日は乗り鉄・追い鉄に初詣と長い一日でしたが…。せわしい1日をほぐすかのような宮島の海を明るく照らす月明かりが印象的でした。

 

(2018年1月1日)