飛行機で成都へ来た翌日は自分とカックン一家とともにナローゲージ(狭軌)の蒸気機関車に乗りに行きました
郫县(ヒ県)から蒸気機関車の走る犍为县(ケン為県)までスマホナビのルート検索では高速道路を使って225km、約3時間の道のり。この長距離に四川時間にあわせゆっくり昼食をとって12時出発だと順調にいっても3時着
成都から犍为へはG93成渝環線高速道路で楽山を経由して宜賓までの間、このまま進めば成都からは遠回りですが重慶へ行く途中。
犍为北ICを降りて下の道、普通の田舎道へ。
さて、犍为というところに蒸気機関車が走っていることだけはわかっていましたが、この蒸気機関車の正式名称がよくわからず、案内標識を見ると嘉陽小火車(嘉阳小火车)とあり、また、芭石鉄路と検索しても出てきます。
スマホのナビが目指したここは跃进桥(躍進橋)というところで、嘉陽小火車を含めた観光拠点。イメージと違って周囲にはマンションや団地が立っています。
きっぷ売り場へ向かう途中、蒸気機関車もいいけど凸型で年季の入ったかわいいミニ機関車が現役で頑張っています。あれ、。。。蒸気機関車が走るところなのになぜか架線が張られています。
跃进桥から乗る蒸気機関車の方向とは反対側に架線が張られたレールが延びています。この先どこへ続いているんだろうと思いながら、きっぷうりばへ向かいます。日本に帰ってからわかりましたが、実は起点はこの先、石渓というところで、跃进桥(躍進橋)はその途中。石溪(石渓)~跃进桥(躍進橋)まで電化されているそうです。
きっぷを売るというよりチケット売り場のような様相。炭坑体験などのオプションもありで単に蒸気機関車往復は160元、片道は80元。
到着したのが3時半でしたが最終便が16時ふぅ、何とか間に合いましたが座席は満席で立席利用、帰りの便が満席のため往路しか乗れないとのことでした。帰りの最終便に乗れなくてもここへ戻ってくる手段はあるということですが、線路沿いに道路がないため時間がかかるようです。カックン通訳でも情報はそれだけで、どんな手段でここへ戻れるのかはっきりしません。
間に合ってよかったという安堵と、当日中に戻ってこれるかという焦りを抱えながら次の列車を待つ間、おばさんが何かを売っています 駅弁ではなく煤煙は体に悪いからと売っているのは、なんとマスク
何でも商売にしてしまう中国人の金に対する逞しさに感心する反面 ここでは都会では味わえない煤の臭いを体感することに意味があると思うんですが、前にならぶカップルは仲良くマスクして乗車何のためにここにきているのかとこの憂う気持ちをカックンにぶつけると、落ち着いた様子で “次元が違う”とのこと。
世界で唯一、全日運行のナローゲージ(狭軌)による蒸気機関車(→と中国版wikiで出ています)に乗れるわけですが都会から来た中国人にとってここ一帯は単に観光地でSLはアトラクションの一つのようなもの。蒸気機関車の味わい方も人それぞれなんだということを感じた次第ですが、
そういうわけでこれも中国人にとってどうでもいいことですが跃进桥駅からSLは後ろ向きに走行。それは蜜蜂岩駅がスイッチバック式の駅のためで、ここで機関車が機回しされ方向転換します。
立席のためデッキから車窓を楽しめます。菜子坝駅手前にあるカーブは有名な撮影スポット。特に菜の花が咲く季節は絶景でこの季節は国内のみならず海外からたくさんの観光客が訪れるそうです。
やりたい放題に撮影 自身も負けじとこんなふうに先頭で両手広げて記念撮影したり、
カックン一家は鈍足長丁場ですでに飽き飽きしているようですが。。。SLの様子をじっくり観察。かなり年季が入っていてちょっとつついただけでネジがポロっと外れてしまいそう 20分行き違い停車したのち再び出発。
仙人脚駅の先トンネルが続き、強烈な煤臭に衣服に煤が付着と貴重な体験をしながら終点の手前で停車しました。
乗客は全員降りて山の上へ。。。何が起こるのかカックンに聞こうと思ったらいつも肝心な時にいません わけがわからないまま人の進む方向に登ってみると、機関車は一旦バックしたのち再び前進、高らかに煙を上げながらのサービス走行だということがわかりました。時間帯によっては蒸気に虹が映し出されるようですが、山を下りればソーセージをほおばるカックン。もう ちゃんとガイドしてくださいよっ
ということで、跃进桥から約14km。途中スイッチバックや行き違い停車など含め、1時間半かけ終点の芭沟(芭溝)駅に到着。ホームには帰り(跃进桥方面)の便に乗る人たち。レールはこの先炭坑があった黄村井まで続いているようですが、観光用はここまでのようです。
帰りの便に乗れないため車利用で跃进桥へ戻ることになりますが、嘉陽小火車に沿う道路がなく車だとかなり遠回りになるそうです。駅から炭坑の街を通り…
その途中"为人民服务"というスローガンが掲げられた文革時代のものと思しき建物。炭坑の博物館のようですが、時間があればここにも、この先にある炭坑に立ち寄りたかったです。
このあと帰りの車ののりばへ向かいます。中国国内旅行で毎回思う“どんな手段”で“どれだけの時間をかけて”といった先が見えない精神的疲労感…。蒸気機関車の帰りの便に乗れなかった取り残し組はたらい回しにされるのでした。。。
(訪問日:2016年5月1日)