水仙 Daffodils | こひなたブログ

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言葉でしか伝えられないことがある。言葉では伝えられないことがある。その両方を大切にしていきたい。

お久しぶりです。

以前、投稿したかと思っていたのですが、

(多分)まだだったようなので、書きます。

 

去年の今頃、英国人の生徒Mさんが紹介してくれた

ワーズワースの「水仙」 / William Wordswaroth [Daffodils]

 

花を眺めるその時だけではなく

何かを思い返す時、それは掛け合わせあって果てしなく広がっていくのだと教えてくれました。

時々読み返したくなる。

(それが今日でした)

今では、私の人生を支えてくれる愛すべき詩となりました。

 

沢山の名訳がありますが、私の一番好きなバージョンで。

 

ウィリアム・ワーズワース 「水仙」
(「ひとり、あてもなく歩いていた」)
1815年版

ひとり、あてもなく歩いていた、
谷や丘の上に浮かぶ雲のように。
そんなとき目に飛びこんできたのが、たくさんの、
本当にたくさんの、金色の水仙。
湖のほとり、木々の下、花たちは
そよ風にはためき、踊っていた。
 


ずっとつづく線になって、星たちが
天の川で光り、きらめく--
そんな星たちのように、水仙も途切れることなく、
湖にそって広がっていた。
ちらっと見ても約一万。花たちは
みないきいきと踊り、頭を揺らしていた。
 


となりで湖の水も踊っていた。でも、水仙のほうが、
きらめく波よりもっと楽しげだった。
詩人なら、みなうれしくなるはず、
こんなはしゃいだ仲間にかこまれて。
ぼくは見つめた--じーっと見つめた--でも、まったく気づかなかった、
花たちからのプレゼントに。
 


今、ベッドに横になる、
ぼーっとして、または、いろいろ考えながら。
すると、心のなか、たくさんの水仙が輝きはじめる。
ひとりでいるのに、まるで天国のよう。
そして、ぼくの心は楽しくてどうしようもなくなって、
水仙といっしょに踊るんだ。
 

* * *
William Wordsworth
("I wandered lonely as a Cloud")
Second version

I wandered lonely as a Cloud
That floats on high o'er vales and Hills,
When all at once I saw a crowd,
A host, of golden Daffodils;
Beside the Lake, beneath the trees,
Fluttering and dancing in the breeze.

Continuous as the stars that shine
And twinkle on the milky way,
They stretched in never-ending line
Along the margin of a bay:
Ten thousand saw I at a glance,
Tossing their heads in sprightly dance.

The waves beside them danced; but they
Out-did the sparkling waves in glee:-
A Poet could not but be gay
In such a jocund company:
I gazed---and gazed---but little thought
What wealth the show to me had brought:

For oft when on my couch I lie
In vacant or in pensive mood,
They flash upon that inward eye
Which is the bliss of solitude,
And then my heart with pleasure fills,
And dances with the Daffodils.

 

英国は黄水仙ですが。

花の撮影が趣味の大学時代の後輩が送ってくれました。