5年前の秋…

K男は出て行った。子ども二人を私に預けて、向かった先は、愛人の所か、それとも両親の所か。

私は、哀しかったはずだ。涙も出たはずだ。不安もあったはずだ。落ち込んだはずだ。

私には記憶がないのである。

ただ、目の前の子ども達の子育てとパートの事に必死なのであった。

家出から3日後、K男から考えたいから時間をくれというメール…。ほんまに、わけが分からんのであった。さすが計算高く、腹黒い男。K男は、どんな奴なのか、又書きたいが…。

もし愛人と上手く行かなかったら戻ってくるかも…なんちゅう男だ。

 

 でも、こんな事があっても、次の日は来るのである。次の日は変わらない光景。一歩、外に出ると変わらない景色、人、学校でのママ友との会話などなど、笑顔は作る。誰にも分らないように振る舞うが私の家は…ぐっちゃぐちゃ。そのなんとも言えない哀しい気持ちは、はっきり今でも覚えている。周りが幸せに見えるのである。

 

 K男と私は口座が一緒であった。

K男からの給料の一部(これも又、後日ブログで書きたい)が振り込まれていた。

私とK男との給料から、学費、食費などなど、K男が出ていく前と変わらない生活が出来た。

ただ違うのはK男がいないだけ。

 

 普段からK男は留守する事が多かったから、子ども達も変わらなかった。これも分からない。子ども達は、ほんまは悲しくて悲しくて泣き叫びたかったもしれない。

 

 K男が家出してから、担任の先生にも言わなかった。だから、担任の先生に聞いても、子ども達の様子を聞いても不思議がられた。子ども達の学校生活には影響がなかったみたいだ。私は、めちゃくちゃ安心したのを覚えている。子ども達も小さかったし、私も子ども達の前では泣かなかったから。いや、泣くのは、この子達が寝てから…。凄い私おかん!!!おかんは強いわ!!!

 

 ただ、K男の事だから、こんな普段と変わらない生活は続かないと思っていた。だから私は、買いだめした。トイレットペーパー、洗剤、アイロン水、柔軟剤などなど、言わゆる使って捨てる食料品以外のものを出来るだけ買い溜めした。今、必要なものは何かと必死に考えた。そして、2番目の子どもにベットと勉強机を買った。後でイスを買わなかった事に後悔はしたが…。笑

来た!この日が来た!K男が大きい買い物に気づいたとたんに、K男が口座から全てのお金を引き出した。やっぱりな。子ども達の事なんて考えないわな。K男から家出してから3か月後の事だった。THE K男なのである。

 

 K男が口座から全てのお金を引き出してから、1週間後。

突然、玄関のポストに私宛の封筒。何やろう? なんなのか?今でさえ、ある意味、経験からの知識があり、何の件かっていう事は、だいたい分かる。それでもビックリして落ち込む。なんやねん。まだ、何かあんのぉっていう嫌な気持ちがあるのである。今年も届いている…。

 

 弁護士から言わせてみれば、こういう大事な事は、普通は私に前もって知らせるのである。でもさすがK男。知らせないのである。ある意味、時限爆弾が送られてくるのである。そりぁああ怖いやろうぅぅ!!

 

5年前の私。警察署から来たのか、裁判所から来たのか…。ただ、勘で大事な書類だという事は分かる。封筒をおそるおそる開ける。私のスペイン語は普段の日常では困らないレベルであるが動揺しているのか意味が分からなかった。電子辞書を引いた。何回も読んだ。離婚届けが送られてきたみたいだった。

 

それが、後日はっきりと分かった時…私は終わったと思った。何をどうすれば良いのか分からなかった。この書類をどうすれば良いのか、どこに持っていけばいいのか、私と子ども達はどうなるのか、引き裂かれるのか。どうなるのか。。。

 

でも普段の日常生活は、私を待ってくれないのであった。