県政報告26 精神障がい者への就労支援 | 浦野英樹オフィシャルブログ Powered by Ameba

県政報告26 精神障がい者への就労支援

■浦野英樹一般質問:テーマ「精神障がい」 後半

大分県議会・3月定例会一般質問「精神障がい者をとりまく状況について」では、福祉的就労の現場からいただいた声を元に、精神障がい者の就労に関して質問しました。お話を聞かせていただいた事業所、利用者の皆様に感謝いたします。 ※大分県議会ホームページにて一般質問録画を視聴可能

◆A・B型就労継続支援事業所に対する支援
多くの精神障がい者が利用している就労継続支援事業所。労働法や最低賃金の適用を受けるA型事業所では、最低賃金引上げに対する対応が難しいといった声が聞かれました。最低賃金の引き上げ自体は社会全体で必要なことです。企業では最低賃金の引き上げに対応して、生産性の向上につとめますが、一般企業と福祉的就労の事業所では、対応のスピードにどうしても差が出てしまい、福祉的要素が強い事業所では、対応が遅くなってしまいます。県としても、まずは、最低賃金引き上げ時点でのA型事業所への影響を把握するようにつとめるべきと訴えました。

B型事業所からは、令和3年・報酬体系見直しの影響についての意見が聞かれました。利用者の平均工賃によって、事業所に対する報酬が決定されますが、報酬改定により平均工賃によっては報酬が引き下げとなってしまう事業所があり、事業所を維持する為に「平均工賃をあげる為に生産性の低い利用者の割合を減らすことも検討せざるを得ないのだろうか」と、苦渋に満ちた声が聴かれました。平均工賃は、報酬のひとつの基準ですが、福祉的就労であるゆえに、生産性のみでなく、各利用者の個性能力に応じた就労を実現するということにも各事業所の中でとりくんでいます。平均工賃以外の、可能性をひろげる取り組みをもっと評価できる仕組みが必要です。
県にAB型事業所が抱える課題について、その影響をどのように受け止め、対応してゆくかを質問しました。受託業務の量的拡大・多様化等によって、事業所を支援してゆきたい旨、答弁がありました。    販路拡大や新たな生産品・サービス開拓など、事業所の努力も必要ですが、行政としても、福祉+商工・農林水産関係の部署も巻き込んだオール大分の体制で、就労継続支援事業所をバックアップしてゆくべきであると思います。

◆軽度の障がいと就労
軽度の障がいは、本人・使用者双方気づいていないケースがあります。私も社労士として労務トラブルの相談を受けた時、労働者が軽度の障がいを抱えていたという場面に遭遇することがあります。障がいが原因とわかれば、公的支援を受けつつ、就労の状況を改善するという選択肢も出てきます。アスペルガーや発達障がいといった軽度の障がいをもった当事者の就労を支援する施設として、障害者就業・生活支援センターがありますが、まだまだ存在自体が知られていません。また、職業訓練を通じスキルアップをはかる場として就労移行支援事業所があります。同事業所の需要はあるはずですが、なかなか増えていない現状があります。支援サービスや施設の周知と選択肢をを増やしてゆくべきと県に質問しました。県としても、発達障がいについての基本的知識の周知に加え、関係機関の機能強化につとめる旨、答弁がありました。