県政報告25 一般質問「精神障がい者をとりまく状況」 | 浦野英樹オフィシャルブログ Powered by Ameba

県政報告25 一般質問「精神障がい者をとりまく状況」

2/24~3/25大分県議会・3月定例会が開催されました。私・浦野は一般質問で「精神障がい者を取り巻く状況」をテーマに、偏見の解消、精神疾患への早期対応、就労についての課題について質問しました。

◆当事者に対する偏見

精神障がい者に対する偏見を生む要因の一つとして、犯罪行為に精神障がい者が関係したケースが大々的に報道されることがあります。また、刑法第39条では「心神喪失者の行為は罰しない、心神耗弱者の行為はその刑を減軽する」とされています。刑法に基づき責任能力がないことを理由に、精神障がいのある加害者が不起訴になったり、減刑される事例を見ると、理不尽さを感じる方もいるのではないでしょうか。

◆措置入院 本人と周囲を守る為に実際には

刑法39条には前と後があります。犯罪行為が発生する前の段階では「措置入院」制度があり、加害の恐れがある場合、本人の意思にかかわらず強制的に入院措置となることがあります。大分県では、毎年60人前後の方が措置入院の対象となっています。また、事件後、無罪や不起訴となっても、現在は「医療観察制度」があり、すぐに社会に復帰できる訳ではありません。質問では、県が大きく関与する措置入院制度について、通報を受けた際の初期対応、当事者本人の権利確保について質問しました。被害者も加害者も生まない為に、警察も福祉部局も、24時間体制・緊張感ある状況の中、人権にも配慮しつつ、周囲の人と本人を守るべく職務を行っているということが改めて理解できました。刑法39条含む、措置入院や医療観察制度等、ルール・制度の在り方自体は、私個人としては、議論をしてゆくべきと考えていますが、その前提として、現行のルール・制度の理解を深めた上で議論してゆかねばならないと感じました。

◆心の応急処置 メンタルヘルス・ファーストエイド

体の不調はすぐに病気と気づき、投薬や通院など、何らかのサポートを受けつつ病気を治します。しかし、心の不調や障がいはなかなか気づきません。早いタイミングで、自分の心の状態と向き合うきっかけと周囲の理解があることが必要です。また、家族だけでなく、自分の心と向き合う為に、仕事を休む重要性を周知すべきと質問しました。知事からは、ケアマネジャーや企業の健康管理者向けにメンタルヘルスに関する知識やスキルの研修を実施。「こころのサポーター」を今後3年間で120人養成、早期支援の裾野を広げてゆく旨。商工観光労働部長からは、健康保険の傷病手当金等、活用できる制度の周知につとめてゆく旨、答弁がありました。

【続く】3月定例会・以下の項目は次号にて報告します・就労継続支援事業所の課題、軽度の発達障がい者の就労と理解・令和4年度予算案について