県政報告19 一般質問「孤独死」を問う 前半 | 浦野英樹オフィシャルブログ Powered by Ameba

県政報告19 一般質問「孤独死」を問う 前半

■6月定例会・一般質問 テーマ「孤独死」

6/15~30大分県議会・定例会が開催されました。私・浦野は一般質問で「孤独死」をテーマに、引き取り手のない遺体・遺骨の問題、特殊清掃への理解・水準確保など問題提起させていただきました。※一般質問の様子は 大分県議会ホームページにて録画を視聴可能です

◆命日が不明な戸籍

私は、孤独死をされた方の手続に行政書士の仕事等で携わったことがあります。印象に残っているのが、戸籍に記載の死亡日時の欄に、孤独死をされた方は「〇月〇日から〇月〇日頃までの間」といった記載をされることが多いこと。平穏な地域の中で、命日不明の形で多くの人が亡くなっていることに衝撃を受けた記憶があります。少子化・核家族化・高齢化が進み、大分県内の単身世帯は全世帯の約3分の1。「孤独死とは、私たちの身の回りに起き得ること」「孤独死に至る前に、必要な支援や情報を当事者に届けること」行政ができる大きな役割であると訴えました。
 

◆「検視」の役割

遺族への最初の報告孤独死が発見されると警察による「検視」が行われます。身元の確認(自宅でも他殺体が持ち込まれている可能性有)に加え、犯罪・事故死の可能性がないか死因・死亡推定時刻等が主に調べられます。令和2年大分県警による検視件数は1281体とのこと。これには事件事故死も含みますが1日平均3~4件、警察は検視として遺体に接していることになります。検視のもうひとつ大きな役割が、遺族に対し、最初に遺体の状況を説明するという仕事。第一報を受けた遺族は、恐らく動揺・不安さまざまな心境であろうかと思います。「検視にあたって何を重視しているか?」との私の質問に対し、県警本部長から「犯罪死の可能性を見逃さない」に加え、「遺体に対する礼意」「遺族の不安の緩和・解消がなされるような丁寧な死因等の説明」があげられました。孤独死された方の最期の状況を明らかにし、遺族に伝える。本当に大切な仕事なのだと感じました。

◆引き取り手のない遺体・遺骨

孤独死の場合、火葬のみの「直葬」という形式による葬儀が多いそうです。通夜や告別式がない、もっとシンプルな形式です。遺体を引き受ける親族が不存在の場合、最終的には身元不明者と同様、市町村が戸籍の手続と火葬を行いますが、市町村が引き受け手の遺族を探している間、戸籍の死亡届を提出できず火葬に進めないという問題が起きています。死亡届の届出人は、家主も可能ですが、持ち家で亡くなった場合は家屋関連の届出人がおらず、家主が法人の場合は決済が進まないケースもあるとのこと。新たに任意後見受任者でも死亡届の届出人となることが可能となる等、対象は広がっていますが、孤独死が増える現状に戸籍法が追いついていません。市町村レベルで起きている問題を県としても把握し、国に制度改善の提案をして欲しい旨、要望しました。尚、引き取り手のない遺骨は、市町村にて一定期間(期間は市町村により異なる)保管の後に、最終的には無縁墓に合葬されることになります。

【続く】以下の項目は次号にて報告します

・部屋の原状回復と孤独死保険

・特殊清掃業者への理解と課題

・人生会議、遺言制度の普及啓発