公的年金25年ルール改正だけでも何とかならないか | 浦野英樹オフィシャルブログ Powered by Ameba

公的年金25年ルール改正だけでも何とかならないか

年金相談を受けていて最も気の毒なケースに、受給資格期間の25年にあとちょっと足りない という場合がある。


そういう場合、カラ期間がないか、中高齢の厚生年金加入期間特例等の特例措置に該当しないか調べ、だめなら、未納とされている期間に、公的年金に加入していた期間はないのか過去の年金記録を再チェックしたりする。それでもだめなら、「残念ながらお気の毒ですが…」と言うしかない。


税と社会保障一体改革法案の中の「年金機能強化法案」には、受給資格期間を25年→10年へと短縮する内容が含まれている。


「25年を満たすために、頑張って保険料を払った人の立場はどうなるのだ」という意見もあるが、25年に満たない人も、決して高望みをしている訳ではない。「せめて払った保険料分だけでも、わずかでもいいから年金を受給できないか」という人がほとんどである。生活が大変な人がほとんどだし、正直、この先、何年生きられるかわからない人も多い。


同法案、衆議院では可決されたが、参議院では雲行きが怪しくなってきた。


税と社会保障一体改革について様々な議論があるのはわからない訳ではない。民主党の迷走ぶりから、解散を求める意見もわからない訳ではない。しかし、「せめて払った保険料分だけでも年金を」という高齢者の思いを、また政治が先延ばしする結果となれば、この先、国会議員がどんな制度を訴えつくったとしても、公的年金制度への信頼回復は、ますます遠のくだけではないだろうか。


切に 「一致できて」かつ「優先順位が高い」ことは政治がきちっと「決めて」欲しい と願うものである。