厚生年金 標準報酬月額上限引き上げ | 浦野英樹オフィシャルブログ Powered by Ameba

厚生年金 標準報酬月額上限引き上げ

厚生労働省は、厚生年金保険料の標準報酬月額の上限(62万円)を見直し、高額所得者の保険料を引き上げる検討に入った とのニュース。


健康保険の上限と同じ121万円に引き上げる案が軸ということで、社会保障審議会年金部会で検討を進め、関連法案を来年の通常国会に提出したい考えとのこと。同時に、短時間労働者への厚生年金の適用拡大が実現すれば、9万8千円の下限も引き下げる意向。


わかりやすく解説すると、現状では、厚生年金の保険料には上限があり、基準の報酬額が月額60万5千円以上の被保険者は、報酬がいくら高くても、負担する保険料は 50877円 になります。


厚生年金は被保険者と会社が、標準報酬月額の8.206%を負担する仕組みですが、上限額の設定により、報酬額が60万5千円以上の被保険者については、結果、「実質的な保険料率が低くなっている」ということになります。


それを上限額を引き上げることにより、保険料率が低くなっている層を減らす というのが今回の案になります。


上限が引き上げられれば、該当する被保険者のいる会社の保険料負担は増えますし、被保険者の保険料負担も増えます。(その分、将来の年金額も増えますが)


個人的な意見としては、確かに国民にとって「負担増」の今回の案ですが、一方で、今までは報酬が高額な被保険者は「割安な保険料率」だった訳で、負担の適正化という意味では、上限の見直しには賛成です。


さらに踏み込んで言えば、将来的には、標準報酬月額の決定方式も、現在の「定時」「随時」の決定方式を改め、単純に報酬に比例するような仕組みの方が「わかりやすい」「多様な給与体系に対して公平」という意味で良いと思います。