今は携帯があるから、つながりたいと思うと自分が興味のあるサイトに行けば、だれとでもお話ができます。

でもこの話はまだ携帯がない時代の話。

遠くの相手とつながるには、お手紙しかなかったのです。
もちろん、電話もありますが、電話料金が高い高い。

 

だから、ちょっとロマンをもとめるために、私は文通する相手を探しました。

「高校時代」という雑誌があって、そこに文通相手を募集する欄がありました。

そこで、私は京都出身の人はいないか探したんです。

 

なぜって???
当時、私たちの修学旅行は京都、奈良でしたから、京都の自由時間で会えるかもしれない、

というそのロマンにかけたのでありました。(笑)

 

いました、いました~~!!!
京都の男子!!!

同じ2年生でしたよ~~。 さっそくお手紙を出しました。

名前は京都の人らしい、苗字でしたね~~。ま、O君にしときましょ。

 

O君とは春から文通をはじめ、5か月後、私は京都に修学両行に行くから、会いたい、ということを書きました。
で、じゃぁ~、写真を送ってください、と言われ、私はとびきりよく映っている写真を送りました~~。

でもって、相手は写真を送ってこなくて、

「僕は本と赤いバラの花を持って行きます。」という手紙が来ただけでした。

 

どんな人かなぁ~~?文章からいうと、絶対文系の人でした。
上手な文を書いてましたね~。

 

でも、すこ~~しだけ、嫌な予感がしてました。
なんで、写真を送ってこないんだろう??? 

おそらく不細工なんだ、ってね。(笑)

人にはわからない、私の本性。 辛辣な言葉を並べていました。

で、そのO君の妄想をいっぱいしていました。

会ったら、すぐに心を読んでやるぞ!!!

決めてました。 絶体に読んでやる。ってね。

さてさて、5か月があっという間に経ち、修学旅行になりました。

京都には2泊ほどしました。

 

いよいよ、自由時間です。

私の友達3人が、なんと待ち合わせ場所についてくるんです。

もう、帰ってよ~~、って言っても、見届けるまで帰れないから。
隠れてみてるから~。

あぁ~~、なんて女って残酷なんでしょうね。

私も嫌な女になっていました・・・。

 

駅で待ち合わせ。

相手は私の顔を知ってるけど、私はわからないから、

本と赤いバラの花を持ってる男子を探し始めました。

 

どこだろ??? どこだろ???
ドキドキが半端なくし始めました。

 

 

い、いた・・・・。 い、いた・・・。

 

こっちに来る・・・。 ひえぇ~~~~~。

 

つづく。

 

さて、どうしたらいいものか・・・。

怒り心頭の私。

なんだこの手紙は。
結局は自分のところへ戻ってきてほしいということじゃないの?
自分は身を引いて、純ちゃんと私がうまくいってほしい、ってことらしいけど、

 

私、好きじゃないし。

そこをまったく理解してないよね、名無しさん。

 

身を引くなら、黙って引いてよ。

凄い思わせぶりで、T君に伝えてだって?
何考えてるのかなぁ~~?

 

私はこのまま、黙ってようかなぁ~って思ったけど、

封筒には鍵が入っていたので、T君に渡さないといけないと思い、

T君を呼んで、事の詳細を話しました。

 

あの時の、T君の驚いた顔!!! ちょっと忘れられません。

冷汗がどんどん出てきてましたね~。

だって、自分の心を名無しさんに読まれていたのかってことと、

まだ、好きだって言ってない私に、自分の気持ちを知られてしまった、という恥ずかしさで、

もう、それはそれは気の毒なくらい、動揺してました。

そんなことは、心を読まなくても顔に出ていたから、よくわかりました。
だから、あまりにも気の毒で、心の中を読むことはしませんでした。(なんて優しいんでしょ。)


で、「私はこの鍵を持ってる理由がないから。後はこの名無しさんと話して決めて。」

と凄く冷たい言葉を投げかけ、その場を去りました。

 

それ以来、私を馬鹿にしたり、茶化したりしていたT君とは、一切、話をしなくなってしまいました。

だって、何を話したらいいか、わからないですよ。

 

ただ、後から気になったのが、その名無しさん、どうやって、私の自宅の住所を知ったんだろう???ってことです。

 

こ、怖い~~~。 ストーカーか~~~。(笑)

 

そんなことはすぐさま、忘れてしまった私。
そりゃ~そうですよね。
毎日が楽しくてしょうがないんですから。

 

でも、ちょっとロマンチックにひたりたくて、全く知らない人と文通をし始めました。

高校生雑誌の文通希望の欄に、京都出身の人を見つけました。

 

そうです、修学旅行で、ロマンを見つけたくて、私は好きな人がいるのに、文通相手を探し始めました。(笑)

つづく~~。

「私は他校の生徒です。女性です。」
 

一瞬、頭をよぎったのは、「え、女性なのに、私のことが好きなの?」
のぼせるのにもほどがあります。(笑)

 

全く違いました~~~。


「実はそちらに在校している、2年のT君のことです。

彼は、私の幼馴染で、時々、会っては互いの学校のことなど話していました。

その中で最近ですが、よくあなたの名前が出てきていました。

 

あ、T君はその子のことが好きなんだなぁ~ってわかりました。」

 

 

とここまで読んで、私は自分の頭の中を整理していました。

 

えっと、同学年のT君、よく私を茶化してくる、あの新聞部のT君ね。

そのT君が私を好き???

あり得ないんだけど。 あんなに私を馬鹿にしたり、からかってばかりいる人が???

そうか、私、T君の心、ズームインしたことなかった~~。
全くと言って、論外な人だったので、ただ普通にしゃべる一般男子、ぐらいにしか思ってなかった。


さらに読み進めると、

「実は幼い時、宝箱があって、T君と大切なものを入れ合い、その宝箱の鍵を私が持っていました。
宝箱はT君が持っています。
T君はとっても純粋な人なので、本名ではなく、純ちゃんって呼んでます。

 

純ちゃんにふさわしいのは、私ではなく、あなただということがよくわかったので、

この鍵をあなたに預けたいと思います。
どうか受け取ってください。

 

そして、純ちゃんに今までありがとうって伝えてください。

純ちゃんのことよろしくお願いします。」

 

という手紙でした。

 

なんだこれ??? なんだこの女、名無しの女・・・。

 

なんていう、身勝手、勝手な思い込み、人の迷惑顧みず。

自分だけの世界で動いている。

 

私の気持ちもTくん、いや純ちゃんの気持ちも一切考えなていない自己中なやつ。

 

私の頭の中はメラメラと怒りの炎でいっぱいになっていました。

 

 

つづく~~。