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比較的穏やかな性格の利用者さんが多いと思われる当施設ですが、
やはり人間
人の好き嫌いの好みや、嫉妬、妬みは、
歳を重ねても失われず残る方もおります。
認知症のとある利用者さんは、
視野が狭くなったからなのか、もともとの性格からくるものなのか
わかりませんが、一つの思い込みに固執することがあります。
自分が座る席というものを自分で決めてしまっていたのです。
施設内の座る席は、基本決まっていませんので、
通常は、早い者勝ち順に座っていくことになるのですが、
たいてい利用者さんの間で、暗黙の了解の内に
自分の座る場所が、いつも同じようになっているようです。
そういう意味では、その方だけ特別視する必要はないのかも
しれませんが、その方は他者が自分の席に座っているのを見ると、
とたんに不穏状態になり、相手に席を空けるように
迫ろうとする姿勢が見られるのです。
通常は、そういう展開になることを事前に察知し、
事が起こる前にその場所を空けておくか、そこに座っている方を
他の席に誘導したりするなどの配慮を行っています。
それでも、稀に間に合わずに、利用者さん同士が衝突して
しまうことがあります。
そして、もう一人の問題となる利用者さんがいます。
その方は、そうした認知症の方の固執する行動を注意深く観察し、
何かその方が問題を起こすと、必要以上に、口撃してバカにするなどして、
自分の周囲の方を巻き込んで、一緒に陰口をたたく様子があるのです。
認知症の方に、何か説明したところで、それを理解できないのです。
後者の方に、理解して頂くように説明したこともありましたが、
「わかっているけど、イライラしてむかつくんだ」
とのことでした。
この利用者さんは、個人的にもその前者の認知症の方に対して
ある種の個人的な感情を持っていました。
前者の利用者さんは、とんちんかんな行動ばかりするのに、
家族の方には良くしてもらっているということ
一方、後者の方は、なんでもしっかり行動し他者の見本となるべく
振る舞っているのに、自分の家族からは、距離を置かれた生活を
送っているという現実があるのです。
そうした中で、職員の間からは、後者の利用者さんに対して、
いつも他者の悪口ばかりを吹聴して、困った人だと問題視されて
いますが、見方を変えれば、かわいそうな人だという事を理解しないと
いけないと思います。
さて、ここでの今の私が抱える問題なのですが、
前者の自分の席に固執する利用者さんに対して、
つねに席を確保するなどの特別な配慮をし続けなければならないのか、
それとも、他の席に座っても大丈夫なように説明し、本人には苦痛にも
感じられる対応をとらなければならないのか。
どうしたらいいのか結論が出ませんでした。
特別な配慮をするということは、周囲の利用者さんから、
変な目で見られることが、継続されてしまうこととなります。
固執する方と、バカにする方、両方の利用者さんに説明をしました。
どちらも、効果はありませんでした。
このまま、様子を見て、認知症がさらに進行した場合、
特定のものへの執着が薄れてしまうことがあります。
その時まで、様子をみていくべきなのか。
どうしたらいいのか、
とりあえずは、様子をしばらく見守っていくしか
今は、思い浮かばないのです。