世の中がスマホを使えと迫ってくる | 世の中ウオッチング

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世の中のチョット気になる出来事を観察してシニアから一言。面白い、楽しい事ばかりでなく、「問題だね、おかしくない?」も拾い上げて行きます。
 ノンシャランに、お気楽に が基本です。

 私は、ガラケー(一応4Gだけれど)とパソコンを併用している。それもノートブックではなくデスクトップ。一方で、家族はスマホの愛用者。デジタル化が急速に進む中では守旧派だと自認している。

 最近、世の中がスマホを使えと迫ってくるように感じる。2022年のスマホ世帯普及率が二人以上世帯91.9%、単身世帯82%、世帯主が70歳以上の二人以上世帯82.0%、同単身世帯が65.2%(内閣府消費動向調査)。別な総務省通信利用動向調査では個人使用率の平均74.3%と驚くほど増加しているから、その動きに対応するのが当たり前かも知れないが、ガラケーとパソコンの併用でこれまで不自由を感じていなかった自分には脅迫されているように思える。

 卑近な例を挙げると、先日人間ドックを受診したが、事前の問診がQRコードに切り替わっていた。止むなく子どものスマホを借りて凌いだ。羽田空港までのリムジンバスもスマホによる予約だ。乗車する際もスマホをかざすルールになった。従来型のチケットも有効だが、スマホ客優先だというから、後回しにされたチケット客はバスに乗れず、ひいては航空便に乗り遅れる可能性もある。以前の勤め先に仕事の関係で社員に面会しようとしたら事前予約が必要という。電話で予約したらQRコードがパソコンに送られてきた。これを受付ゲートで機器にタッチ(読み取り)しないと入館できない。止むなくプリントして持参した。スマホを使えばその手間が省ける。妻がいつもの和菓子屋で買い物をした。見ているとスマホを提示してポイントを受け取っていた。今や買い物とポイント付与は切り離せないが、そうしないとポイント分割高な買い物になる。

 レジでは若者がチャージ済みなのか、クレジットなのかスマホで支払いをし、ポイントもしっかり受け取っている。財布から小銭を探してモタモタしていると渋滞の原因になるのではと、落ち着かない。

 知らない土地で道を尋ねると殆どの人がスマホの地図アプリを立ち上げて教えてくれる。散歩の途中で見つけた花の名前も直ぐアプリで検索。「えーっとあの歌なんだっけ?」と友達に聞けば、検索して「ほら、これ!」と音楽がスマホから流れてくる。隣で「ヘイ シリ」と声がする。そうかタイマーセットかと最近は理解できるようになった。一々カメラを持参しなくてもスモホで十分代用できる。夜、暗闇から不気味な声がする、とみれば何だスマホ相手の会話か!

 電車の中で大半の客が黙々とスマホで遊んでいる光景は見慣れている。

 スマホが便利で効率的なことはわかったとして費用負担を考えると、躊躇する。イニシャル・コストは?ランニングコストは?5年ごとに買い換えも必要だろうし等と先延ばしの理由も多々ある、もう少し不便を我慢しようかと思案する頭の上を時代が通り過ぎていく。