団地の集会所で落語会 | 世の中ウオッチング

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 団地住民で奇特な人が集会所で落語会を催してくれるというので早速出かけました。

 案内チラシが集会所玄関口にあったようだが見過ごし、友達からメールで教えて貰った。主催者は個人的興味で開催しているらしい。即、教えられたアドレスにメールして予約。

 何しろ入場料は500円と格安だが演者は「立川らく次」というれっきとした真打ち。グーグルで検索すると横浜は港南区出身で玉川大学の落研出身とわかった。

 これはとんだ儲けもの、と主催者に感謝しつつ団地の集会所に。いつもの癖で5分前に着くと備え付けのスリッパが無い。最早先客が全て履いて行っているのだ。ホールに入ると中高年の女性がやたら目立つ。筆者が住民に役立つ話をするときは30人も集まれば上出来なのに、500円とはいえお金を払って80人以上と満員。やっぱり小難しい話ではなく面白い話は人を呼ぶということか。懸命に空席を探し、友達を見つけて割り込む。

 

 全てが簡素なので「めくり」もないが、席に置かれた他所の寄席の案内チラシが代替している。テープの出囃子に乗って真打ち「立川らく次」登場。臨時に儲けられたⅠメートル近い文字通り高座。上がるのが危なっかしくて転げ落ちるのではないかと心配になる。

 「まくら」から引き込まれる。前口上が結構長いが、「お互いわかっているよね、赤字を心配する落語会開催の苦労は」といった意味の、金銭がらみのセリフで同情を惹き、お客から「高座がないときはどんなお仕事をなさっているのですか」と聞かれた(どうせ作り話でしょう)が、「真打ちで一応師匠と呼ばれているのですけれどね」とその辺にいそうなお兄ちゃんらしい風貌を自虐ネタにして笑わせる。

 「まくら」で思い出した。早稲田大学卒の女流落語家が人情噺はめっぽう上手いのに、なんとも「まくら」が下手で、こちらが代わってあげたいと思う位であったことを。

 演題の紹介は無かったが、最初の噺は「悋気の独楽」、2つめは「井戸の茶碗」と察せられた。表情豊かに、所作も決まって、随分練習したのだろうなと追余計な想像を巡らす。そういえば、以前の会社の役員は、大真面目に話し方、就中「間の取り方」を落語から学んでいた。

 

「やっぱり目の前で演じられる」落語は面白い。お婆ちゃんたちの良く笑うこと!これで長寿は太鼓判。自分も、つい合いの手を入れてしまった。

 

 普段着のまま気軽に出かけて落語やコーラスが楽しめる集会所の存在とそれを世話してくれる人がいるのは嬉しいモノです。