裏「吟吟」で一献♪-??.JPG






大森の名店とんかつよし川に、
三年半ぶりに訪れた。

三年半前に、出産を控えた新妻が
最後に行きたいお店として、ここを選び、
翌日無事、元気な子を産んでくれた経緯があった。

二人目の子の予定日はもうすぐだ。
小心者の我々には
験担ぎが一番である。

真っ白な洋皿に、極細のキャベ千。
ひとくち大にカットされたヒレカツの手前に、

最初からソースがかかっている。
ヒレカツ君が、足湯に入っているような感覚かな。
とってもおいしそうだ。

まずは、ソースのない上部から楽しみ、
下部のヅケになったカツを頬張る。

(おや‥‥肉と衣が、きっちり付着してないぞ。)

ロースカツを注文していた新妻のカツも、
衣がはがれて食べずらそうだ。
間に座った愛娘は、
カツを食べずに衣ばかりを食い漁っている始末。

(ううむ、、これはいったい‥)

(‥いや、待てよ。)

帝王切開による出産が決まっているので、
こうも綺麗にころも(こども)が取れていくのは
縁起がいい事ではないか!

妙に前向きな気分になった小生は、
勢いよくヒレカツを食べはじめた。
すると、厨房から親方がひとこと。

「キャベツのおかわりは?」

ぺこりとあたまを下げると
綺麗な千切りが、再び洋皿に乗っかった。

キャベツも食べたかったんだけど、
本当は親方にありがとうと、

頭を下げたんだよ、、なんてね。

帰り際、愛娘に、
「君が産まれる前日に
この店のとんかつを食べたんだよ。」
と教えたものの、理解はされず。
しかし、ここのとんかつのおいしさは
理解してくれたようだ。

でもね、まゆかちゃん。
一番おいしいのは豚汁だったんだよ。
一口も飲ませないでゴメンよ。

今度は愛娘に、一礼してみた。


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