うちは小さい頃から野球を見る人が1人もおらず、恥ずかしながらルールも知らなければ野球関係の有名人も相当ニュースで名前が出る人以外知りません。

イチローさんはその数少ない知っている野球の人なのですが、最近色々彼の発言を見て、教育者としてとても素晴らしいことを言うなと思っています。

 

去年の暮れに読んだこの記事↓

 

私もこれはずっと思ってます。

うちの妹も毎年入る新人さん達が怒られ慣れてなくてすぐ辞める子ばかりだと愚痴ってました。

 

私は中高の部活の顧問と先輩がものすごく厳しくて、鬼のように怖かったんですよね。

怖いから毎日何時間も練習して、そんなに練習したらそれは当然のように上達し、上達するからどんどん楽しくなっていきました。

 

でも3歳から9年もやったピアノは、全然練習しなかったからずっと下手なままで、黄バイエルにすら行けず、有名な作曲家の曲は1曲も弾かずに終わりました。9年も習っていたのにですよ?

ピアノの方は親に練習しろとは言われていたけど、部活のように本当に本当に怖い怒られ方ではなかったからか、適当に練習して終わり。親に強制されたとかではないのに、なぜ辞めなかったのか自分でも不思議です。

 

さて、そこまで上達した楽器で生きていきたいと、フランスでも大学に行く傍ら音楽院に入学し、プロになろうと頑張っていましたが、結局は今は全然違う職業に就いています。

今でも音楽は大好きだし、ほぼ毎日練習もしてるけど、私は音楽を職業にはできなかった。

音楽院の同級生はほぼ全員プロになって音楽で生計を立てていて、それを羨ましく思った時期もありました。

 

音楽院を卒業してから結構経った後、在学当時超絶技巧で抜群に上手かった同級生に「どうしてプロにならなかったんだ」と聞かれ、「自分に才能がないことがわかったから」と答えたら、「あの当時の僕らは誰も才能なんかなかったさ。君はすごく上手かったのに。今からでもやればいいのに。」と言われすごく嬉しかったのと同時に、彼の様な上手い人ですら才能がないと思っていたのかと驚きました。

 

そして同じく年末にイチローさんの回答↓を見て、まったくその通りだと思ったんですよね。

 

好きな事で生計を立てるのは憧れるし憧れたけど、プロになるというのは毎日の血のにじむような努力と周囲からの恐ろしいほどのプレッシャーを抱えて生きるということで、ただ楽しくて音楽をしていた頃の気持ちではいられなくなるのかもしれないと思います。

イチローさんの言う通り、それを乗り越えてこそ得られる爆発的な喜びもあるはずですが、果たしてそこまで自分が行けたかと考えると、難しかっただろうな。本当に、そこまで私には才能はなかったし、何よりもそれに耐えられる精神の強さがなかった(コンクールや大事な演奏会の度に普通に楽器が演奏できなくなるような体調不良になってました。)

 

ちなみに今の仕事はどちらも天職だと思っています。

とにかく楽しい。どちらもすごく自分に向いていると思うし、より上手くできるように努力したり勉強したりするのも全く苦にならない。大好きな仕事だし恐らく得意なんだろうと胸を張って言えます。まだまだ勉強不足だし技術不足だけど。

大学で学んだことが今の仕事に繋がっているので、音楽院だけに集中しなくて良かったなと思っています。

 

楽器を毎日何時間も寝る間を惜しんで練習した経験があるからこそ、色々なコンクールや演奏会で人前に出る経験をしたからこそ、今の仕事もできている。音楽に詳しいことも、仕事で役に立つことがある。

プロの道を諦めると決めた時は数日号泣しましたが、あの決断は間違っていなかったと確信しています。

 

あの経験のおかげで、今があるというのは人生で色々ありますが、仕事のこともそう、離婚のこともそう。音楽だって、怒られるのも練習も辛かった。

 

『人生には何一つ無駄なものはない』

うちの父が離婚騒動中に送ってくれた遠藤周作の言葉です。

まだまだ色々あるけれど、人間万事塞翁が馬と自分に言い聞かせて3年目も頑張ろう。

 

 

今日の一首

 

人生に起きる事全て必然で人間万事塞翁が馬