会計事務所の一日 -9ページ目

今日は、いわゆる「取引相場のない株式」の売買についてのご質問がありました。


「一株いくらで売買したら良いのか」という内容です。

第三者間での売買なのですが、ベースとなる価額を知りたいということです。


この会社の場合、債務超過状態でありその他の事情も勘案すると、売買価額はゼロということで良いと思うのですが、売り手と買い手が交渉するわけですからお互いその根拠を求めることも当然のことです。

課税関係が生じないのかどうかなど気になる点もあるのでしょう。


実際、税務上も結構ややこしい点が多いのも事実です。

まず、相続税法・所得税法・法人税法のそれぞれに規定があることです。

そして、そこに規定されているのはすべて「時価」となっています。


なるほど、東京電力は実態は既に債務超過であるにもかかわらず、市場で取引されている株式の価額はゼロではありません


第三者間とはいっても、株式の売買を行うわけですから完全な第三者というわけにもいかないでしょう。

というわけで、その「時価」なるものを算定してみることにしました。





「同族会社に対する社長の貸付金」に関連して触れておきます。


法人成りというものがあります。

法人成りとは、個人で行っていた事業を法人組織での事業に変更することです。

この法人成りの際には、個人事業時代の事業用資産や負債を法人に引き継ぎます。


例えば、法人成りするときの資産や負債が次のようだったとします。

 資産 売掛金 500万円。

     商品 600万円。

     事業用の備品など 300万円。

 負債 買掛金 600万円。

このケースでは、資産合計から負債合計を差し引いた残りの800万円が社長に対する未払金ということになります。

社長の方から見れば、「会社に対する未収金=貸付金」ということになります。


この会社の未払金をすぐに精算してしまえばよいのですが、法人成りをするといったケースでは事業が拡大していることが多いのが一般的です。

つまり、この時期は会社の資金需要が旺盛なのでなかなかすぐに返済というわけにも行きません。


こんなケースでも「同族会社に対する社長の貸付金」が発生します。

もっとも、この段階でこの貸付金が問題になることはありません。








「同族会社に対する社長の貸付金」について続けます。


会社の資金繰り上、社長が会社に一時的に貸し付けるというのが一般的なケースです。

もちろん、会社から返してもらうことができるのであれば問題ありません。

しかし、会社の経営状況が悪くて返してもらえる見込みがないとしたらどうでしょうか。


この貸付金は、諸経費などの支払に既に当てられていますから、会社にお金は残っていません

にもかかわらず、貸付金というものだけが相続財産として残ってしまいます。

架空の財産といっても良いかもしれません。


とはいっても、対策はいくつかありますから、そんなに心配する必要はありません


問題なのは、このような状態のままなんら対策できずに相続が発生してしまった場合です。











「ギョッとした」というお話はひとまずおいておきます。


別の角度から考えて見ます。

被相続人の経営する会社は債務超過状態でした。


債務超過とはどういう状態なのかということです。

例えば、負債120、資産100であれば、負債-資産=20となります。

負債の総額が資産の総額より多い状態です。

これがいわゆる債務超過と呼ばれるものです。


この負債120のうち50が社長からの借入金であった場合はどうでしょうか。

他人からの負債は120-50=70となりますから、少し状況が異なります。


この社長からの借入金50は債務免除を受けることも可能でしょうし、資本金に振替えることも可能な場合があります。

金融機関に融資を申し込んだ際、金融機関ではこういった状況を一定の要件の下で債務超過と判断しないのが一般的です。

従って、債務超過状態にもかかわらず、その実態によっては融資を受けることが可能なケースも多くあります。


こんな側面もありますから、困ったことが生じてしまうのです。







継続した関与のないお客様から相続税申告の依頼を受けることがあります。

問題は被相続人が同族会社の経営者、つまり社長であった場合です。


通常、被相続人は自社の株式を保有していますから株式の評価を行うことになります。

いわゆる「取引相場のない株式の評価」というお話になるわけです。


そこで会社の決算書を見ることになります。

まず、貸借対照表を見たところ債務超過の状態です。

株式の評価はゼロだなあと思ってさらによく見ると借入金があります

さらにその内訳を確認するとなんと被相続人からの借入金です。


この借入金は、被相続人から見ると貸付金という立派な?相続財産です。


ギョッとする瞬間です。





企業(法人)の決算書を見ていてゾッとすることがあります。

相続税という視点から見たお話です。


日常は経営状況がどうなのかということに目が行きがちなので、盲点になってしまうのかもしれません。


何もなければほとんど問題はないのですが、ある日突然相続が発生ということになったら大変です。

あらためて、ここで書きたいと思いますが相続税という視点から:決算書を見ると少し異なった景色が見えてきます。


自社株式の評価が高くて云々ということではありません。

もっと怖いことかもしれません。






今日の朝刊をめくっていると、見慣れた顔が目に飛び込んできました。

朝日新聞の探求人というコーナーです。


彼の名は曽我朋義君。

現在、慶應義塾大学で複数の学部の教授を務めています。

先端生命科学研究の分野ではかなりの著名人ですから、新聞記事などでその名前を見る機会は多いのですが、やはり顔写真付となるとインパクトが違います。


友人の活躍がこうして取り上げられるのはうれしいものです。

なんだか、自分が褒められているかのような錯覚に陥ってしまいます。

彼の更なる活躍が楽しみです。






















会社経営者にとっての相続対策といえば、まず第一に自社株の問題があげられます。


最も重要なのはその会社の事業を承継するのが誰なのかという点です。


相続人がその事業を承継するのであれば、どうしても自社株式の評価ということに目が行きがちです。

これは相続税という税金の問題です。

自社株の評価を下げる方法については、いくつか方法はありますから何とかなるかもしれません。

とはいっても、これはこれで運も関係してくることがあるので結構厄介なのですが。


ただ、現実は事業の承継者が相続人ではあるけれども、その相続人の間(例えば兄弟)で争ってしまうといった事例がたくさんあります

第三者がかかわってくるともっと複雑なことになってしまいます。


税金の問題も大変ですが、事業の承継をめぐっての争いはもっと大変です。

自社株の評価を下げることに成功して相続税の節税ができたから良しというわけには行きません。

今日は午後から知人のお通夜に伺います。

彼は、54歳という若さで逝ってしまいました。


そのせいか今朝からどうも気分がスッキリしません。


彼はいくつかの法人の代表者でもあります。

彼のためにも、今後のことが円満に運ぶことを願ってやみません。


問題は彼が代表者を務めた法人の事業承継と彼が保有する自社株式です。


突然の病状の変化でしたから、今後についての十分な対応はできていなかったはずです。


人ごとではなく私自身の問題でもあります。







平成22年度の税制改正後、初めての法人の解散と清算です。


平成22年10月1日以後解散した法人については、清算所得課税が廃止され、清算中も通常の所得課税が行われることになりました。


今回はケースは、グループ法人税制や組織再編税制もかかわってきますからやりがいがありそうです。


税制改正というのは結構厄介だったりもするのですが、上手に活用することによって税金コストを最小限に抑えることも可能です。


全体のスキームを考えて実行に移すという作業はなかなか楽しいものです。