無事コンサートの最終公演が終わった。
余韻もほどほどに、俺は帰り支度をしていた。
健くんは、興奮冷めやらない様子で他のメンバーと談笑している。
いつもの楽屋の風景に安堵していると、
「オカダさぁ、“12ヶ月”の時、なんで健に向かって手ェ伸ばしてたんだよ。」
剛くんからの鋭いツッコミにドキッとした。
「え、そうなの?」
健くんは気付いていないみたいだ。
「あー…あれは…」
なんとかごまかせないかと返答に困っていると、
「なんか健がやらかしたかと思って…」
「なんで俺がやらかすんだよっ」
2人がイチャイチャし始めたから、
その隙に「お先」と言って俺は楽屋を後にした。
すると、タタタタタ…と誰かが近づいてくる音がして振り返ると、
「岡田っ!!」
「ぅおっ…!!」
健くんがバスローブ姿で、思いっきり抱きついてきた。
「ちょっ…どうしたの、急に…」
「つかまえたっ!!」
両手で頬をつままれる。
「いてててっ、痛いよ、健くんっ」
「岡田ぁ、忘れもんだぞっ」
「え?」
その瞬間、頬を摘んでいた両手が俺の顔を包み込むように添えられ…
…ちゅっ
「またな。」
と言って、健くんは走って楽屋に戻って行った。
しばらく健くんの柔らかい唇の感触を、
俺の額は反芻していた。
完
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初投稿作です。
駄文にお付き合いいただきありがとうございます。
セクバニコンの『12ヶ月』を観てるといつも泣いちゃいます。
健くんが切なげに歌い上げる姿が尊すぎて…
思わず消えないで…って思ったワンシーンを切り取ってみました。
アイドルとファンとの時間は有限なんだと、健くん自身が言っていて、夢ももちろん見せてくれるけど、ちゃんと現実も教えてくれる。
その中で大切なことって、めいっぱい楽しむこととか、みんなに笑顔でいて欲しいとか、日常の糧とか、たくさんあることを気づかせてくれる健くんは本当に素敵だなって思います。
また、マイペースに次回作を更新予定ですので、
お暇でしたらよろしくお願いします。
*沼*