今日は鈍色の雲に覆われた重たい空だった。
毎年この時期は雨が降る。
それは誰かの涙雨なんじゃないかって…
雨の夜は好きじゃない。
夜、一人でいると暗い暗い水の底に飲み込まれそうな気がして…
誰かと話していればそんなことは気にならないけど、生憎今日は一人。
外に出かけることもない。
どうやってこの夜をやり過ごそうかということに頭を巡らせる。
「あ、イノハラくん何してるかなぁ。」
TRRRRR…
「出ないかぁ…」
諦めて電話を切った。
友達にも電話してみたけど、取り込み中だったり、繋がらなかったり…
誰かと話していたい。
こんな暗い雨の音を聞いていたくないから…
だれか…
その時、携帯が震えた。
“岡田准一”
なぜだか電話するのを躊躇っていた相手に、
鼓動が高まっていく…