男子プロにしろ、女子プロにしろ、レギュラーツアーに参戦できるだけでもすごい世界です。

120人くらいが参加して、参加するのに登録料(参加料)や旅費、食費、宿泊費などを含めると軽く30万を超える出費がかさみます。

そして、予選落ちしたら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

0円

ギャー!!!

 

 

 

 

 

 

で帰らないといけない過酷な世界です。

確かに一人で稼げる金額で考えたらゴルフは大きいかもしれませんが、それ以上にこの経費が半端ないのもプロゴルフの世界です。

そして、大会期間中、プレーを助けてくれるのはキャディしかいない。

(野球なら他の選手が打って勝つことができたりしますが)

本当の意味で自分しかいません。

 

そういう大会で選手の最も近くで支えるのがキャディさんです。

 

有名なプロゴルファーだと、専属キャディがいたりしますが、そうではない選手の場合はいろんなツアーキャディからのオファーを受けたり、プロからキャディに声をかけたりして、キャディを確保します。

でも、そういうことができないプロ、もしくは、そんなにキャディに対して力量を求めていないプロはハウスキャディを頼んだりします。

(コロナ期間中はご両親などがバッグを担いでいるプロが多かったようですが、それはそれでまた大変そうでしたが…)

 

そして、このキャディさん。

実は非常に難しい仕事で、選手だけでなくキャディも同様にプレッシャーを感じたり、同伴競技者に注意をしていたりします。

本当に大変な仕事です。

 

 

 

実は私。

過去に何回もツアーキャディをしていたことがあります。

主に女子プロでしたが。

そこで、忘れられないシーンがあります。

 

グリーン上での話です。

あるプロがパターを片手に持って、ラインを読んでいました。

そのピンの後ろを私はササッと素早く通りました。

するとどうでしょう。

そのプロが私を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギロッ

 

 

 

 

 

 

とにらみました。

怖っ!!!と思い、それ以降はそういう行動を取らないように注意しました。

そんな変な動きではなかったと思いますが、たったそれだけで睨まれるとは…(汗)

「え?素早く通り過ぎただけなのに?」

と思ってしまいました。

 

このようにキャディとしても同伴競技者に気を遣いながら、キャディをする必要があります。

そして、そうすることで選手がプレーに集中することができる環境をつくることに直結します。

 

そして、選手との人間関係の構築。

信頼されるように会話を努めます。

一番近くにいる、あなたの味方です、という気持ちを上手く伝えるよう努力します。

(もちろん上手くいかないこともあります)

 

 

プロからラインのアドバイスを求められたり、風の方向を聞かれたり、距離の確認をされたりすることもありますが、もちろんキャディとしてひりつきます。

だって、そのアドバイスで1打変わるかもしれませんからね。

 

 

 

こういう舞台でキャディも選手と同様に戦っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でもですね…

プロでも容赦しませんw

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツアーキャディの場合は個人契約に基づいて賞金の◯%とか決まっていますが、ハウスキャディは決まっていません。

ハウスキャディを頼む時点で、あまりキャディに求めることがないのかもしれませんが、それでもプレーに集中できる環境を提供できるキャディであることには間違いないし、キャディとしても緊張したり、同伴競技者に気を遣ったりといろいろと経験や知識などを駆使してキャディをしています。

そして、選手は予選を通過し、上位に食い込みました。

それなのに、ハウスキャディに対して…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チップ 0円

プロは賞金800万

 

 

 

 

 

 

 

 

はなくないすか?

 

別にお金をくれとは言っていません。

10万くらいくれ!とかそういう話ではありません。

でも、そういう緊張する場で、いい成績を残せるくらい環境を作ってくれたキャディに対して、ほんの少し(1万でも)くらいチップをくれても良くないですか?

 

僕の知っているゴルフ場では、ツアー期間中、キャディに出ても出なくても給料が変わらないということです。

おそらくほとんどのゴルフ場でこの仕組みと思います。

だったらさ…

 

 

 

 

 

 

キャディしなくても

良くね?

 

 

 

 

と働く側からは思います。

「じゃぁ、ゴルフ場が手当を出せばいいじゃん」

と思う方がいるかもしれませんが、残念ながらそんな余裕がゴルフ場にありません。

概ね、プロはキャディフィーとして1万円ゴルフ場に支払います。

たった1万円ですよ?

もう赤字です。

さらに手当を出せるわけがないです。

 

それでも、

「他のキャディさんが出ないなら、私が出ないといけない」

とか、

「大会が円滑に運営するためにも、キャディが足りないわけにはいかない」

とか、熱い思いを持っているキャディさんが出ているのが現状です。

 

 

 

私の経験上、女子プロではチップをいただいた経験が結構あります。

本当にありがとうございました。

それがモチベーションになるし、言葉だけでなく、「感謝の気持ち」をダイレクトに頂いた気分になり、

「よかった、お役に立てた」

と思い、達成感も味あわせていただきました。

 

 

 

でも、男子プロは全くくれませんし、僕の経験上、もらったこともありません。

ホールインワンしても。

聞いたこともありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これってどうなんすか?

男子プロさん

 

 

 

 

 

 

 

たしかにコロナの間、大会が全く無くなり、収入が苦しかったのもあるとは思います。

でもですよ…

僕がもらったことがないだけでなく、「◯◯プロはくれたよ!」とか言う話もほぼ聞きません。

(記憶では一人です)

 

 

余裕のない方がハウスキャディにするのかもしれませんが…せめてお気持ちだけでもいただけないでしょうか。

 

私の知っているゴルフ場のキャディさんもみんな、キャディに出たがりません。

そして、みんなこう言います。

 

 

 

 

 

 

 

 

だって、何もないもん

 

 

 

 

と。

そりゃーそうなりますよ。

どこどこのツアーでキャディをした、というほまれのようなものはあるかもしれませんが、そういう誉れは自分の中で完結するものであり、自慢するものではありません。

ということは、結局、「辛いだけ」のキャディということになります。

 

プロゴルファーとして、ゴルフを通して青少年などに夢を与えたり、プレーで感動を与えたりすることも大切とは思いますが、キャディにも「感謝の気持ち」をほんの少しでも分けていただけないでしょうか。

 

おそらく、こんなマニアックなブログを見てくれているプロはいないとは思いますが…いろんなキャディさんの話を聞くと、ちょっとこれは憂慮すべき問題と思います。