小学四年生で引っ越しをした。

 

 

二階の一室を子供部屋として与えられたのだが何かの気配を感じてもいた。

 

引っ越して間もなくのある日、部屋の畳で寝っ転がりながら天井を見ていた。

 

 

「ブーン」

 

 

急に身体全体に何やら振動のようなものを感じ始めた。

 

 

不思議に思っているとその振動はだんだんと強さを増し始め同時に体が重く動きにく

 

くなってくるではないか。

 

 

と突然

 

「キーンッ!」

 

 

という金属音が大音量で聞こえたかと思うと全く動けなくなってしまった。

 

 

呼吸も苦しい。

 

 

私は完全にパニック状態になった。 

 

起こっていることが理解できなかった。

 

 

目は閉じているはずなのに明らかに周囲のことが見えている。 

 

 

普段の風景とは明らかに違う雰囲気でどこか夢の世界のような・・・境界線の不明瞭

 

な感じ・・・意識はハッキリとしており夢でないことは明らかだった。

 

 

と突然、誰かが部屋に入ってくる予感がした。 

 

 

 

見知らぬ女の人だった。 

 

 

 

戦後間もなくといった感じの古いスタイルの洋服を着た、どことなくさみし気な表情

 

が印象的な美しい20代後半から30代といった感じの日本人女性だった。

 

 

なぜか私の事を愛情に満ちた目で見つめながら愛おし気に私の体にやさしく触れなが

 

ら傍らをゆっくりと通り過ぎていった。 

 

 

とても名残惜しそうな感じで・・・。

 

 

その体に触れられる感触があまりにもリアルで私は恐怖のあまり動かない体を必死に

 

よじらせて逃げようとしながら

 

 

「ウウッ」

 

 

とうめいてしまったほどである。

 

 

女性が通り過ぎた後、何事もなかったように静寂が訪れた・・・金縛り状態はそのま

 

まだったが・・・そのまま眠りに入ったようだった。

 

 

目が覚めると体は自由に動くようになっていた。

 

 

振動が始まってから30分ぐらいの時間が経過していた。

 

 

 

(続く)