このライブレポートは全て青柳佑芽の妄想です。実現するかはわかりません。


アイドルグループ・アップアップガールズ(仮)が、2024年5月3日にGOTANDA G4で単独ライブ『アップアップガールズ(仮)13th Anniversary LIVE あいどる道中Be Dash!!』を開催した。

アプガが結成日として毎年ライブを開催している5月3日だが、13周年の節目となる今年は、2020年に新メンバーとして加入し、3年と5ヶ月を駆け抜けてきた2期メンバーのみの5人体制となって初めての単独ライブでもある。
アプガの歴史に残るライブをレポートしていく。

OVERTUREが会場に鳴り響くと、会場に押しかけた観客の歓声がそれをかき消すかのように轟いた。なんとその数は約3万人にものぼる。GOTANDA G4に入りきらないたくさんの応募を受け、しかし一度発表した会場は変えられず、GOTANDA G4の天井をぶち抜く強行突破に出ていたのだ。五反田周辺はアプガのライブでお祭り騒ぎである。ライブ会場を起点に提灯や屋台が立ち並ぶ光景は、さながら初詣である。
この信じられない光景に、袖から登場したメンバーもさぞ驚く……かと思いきや、なんと、屋台の方から住田悠華が走ってきた。

「あ、すいません!焼きそば食べてました!みんなの分もあるよ〜」

開演時間が5分延期されるアナウンスが流れ、メンバーは焼きそばでお腹を満たし、万全な状態でスタートすることになった。


ふたたびOVERTUREがかかり、袖から登場したメンバーは煌びやかな新衣装に身を包み、大歓声のなか、彼女たち2期メンバーのデビュー曲『1歩目のYES!』でライブの幕を上げる。3万人が印象的な振り付け「窓開けダンス」で腕を上げる光景は圧巻である。
実は今回のライブ、ギネス世界記録「同時に窓を開ける動作をする最多人数」に挑戦することが事前にアナウンスされており、現在の記録である124人を易々と超え、見事認定された。

ギネス認定員の方も一緒になって窓開けダンスを楽しんでいたが、それにしても、古谷柚里花がやけに煌びやかである。1人だけビジューが散りばめられフリルのボリュームも多く、スカートも長い。手にはマイクとブーケを持っており、まるでウエディングドレス……と考え込んでいるうちに、自己紹介が始まった。
「今日はロイヤルブルーじゃなくてサムシングブルーです!ウエディングドレス着てきちゃった!」と古谷が言うと、客席のどよめきは最高潮に。メンバーから「相手もいないのに着るな」「ずるい私も着たい」「せめて卒業する時とかにしてくれ」とのブーイングを受け、急遽MC中に衣装替えをするハプニングもあった。

自己紹介が終わると、メンバーは次の曲のフォーメーションにつく。見たことのないフォーメーションにファンがざわめく中、鈴木芽生菜の曲振りで会場は大いに動揺することになる。「続いての曲は新曲です。聞いてください!『二歩目のNO!』」

突然、『一歩目のYES!』のアンサーソングのようなタイトルの新曲が披露されたのである。これにはファンも驚きを隠せない。「二歩目でつまづいてどうする」「YESのアンサーソングでNOは安直すぎ」と否定的な声も飛び交うが、タイトルに反して「二度寝してもスヌーズかければ大丈夫♪」といった明るい歌詞のポップチューンであった。初披露にも関わらず大歓声が五反田中に響き渡り、『二歩目のNO!』がこれからのアプガの勝負曲になる未来もあるかもしれない。

 続いて『アッパーカット』『正解ですっ!』『SAKURA DRIVE』『Burn the fire!』『マーブルヒーロー』『リスペクトーキョー』『今日も私が冴え渡る』『青春ビルドアップ』『ストレラ! 〜Straight Up!〜』と、新旧入り乱れた名曲で13年の歴史を見せつけた。

『リスペクトーキョー』は、今回のみ特別バージョンの『リスペクハワイ』に生まれ変わる。自称・ハワイ出身の小山星流をフューチャーし、五反田をハワイにしてしまう大胆な演出があった。そして5人は衣装替えのために大歓声の中、舞台袖に吸い込まれていった。


ブレイクタイムでファンもひと息つく中、ステージに設置されたモニターに映し出されたのは、今となっては懐かしい現メンバーが加入当初の映像である。オーディション合格を伝えられ、動揺するメンバーの姿や、初めてのライブに向けたリハーサルで、うまく踊れずに泣いている背中、先輩に励まされながら食べた幕の内弁当、初めてのツアーで行った大阪で社長が買ってきてくれたたこ焼き、ドキドキのテレビ収録で食べた夢のオーベルジーヌ、北海道で食べたジンギスカンに当たって苦しむ複数人のメンバー、ライブの合間にマクドナルドを爆食してスカートのホックが閉まらない青柳佑芽、配信中にバトルで奪い合った川崎名物・ニュータンタンメン本舗のカップ麺、差し入れでもらったドーナツにケーキ……
「こいつらずっと食べてんな」「全然感動しない」「今も着替えないでなんか食ってんじゃね?」とヤジが飛ぶなか、画面には「〜秘密のアプガちゃん・もぐもぐ編〜」と映し出され、映像は終わる。


絶妙な空気の中、メンバーカラーを全面に主張した新衣装を身にまとい、ふたたび登場した5人。よく見ると、住田悠華の手元にはたい焼きが握られており、ファンから「かわいいー!」と悲鳴が上がった。こうした行動もアプガのライブでは可愛いがゆえに許されてしまうのだ。

住田のもぐもぐタイムを待ったあと、古谷柚里花が「私があの日、夢に見た光景。いま、実現します!」と高らかに叫び、いったいなにが始まるのか客席がどよめく中、フォーメーションについた5人。古谷が渾身の曲振りをする。「新曲です!聞いてください、『フライドポテト!』」

↑これが実現してしまった。まさか本当に実現するとは、ファンも驚きを隠せないが、さすが名曲『ポップコーン』のアンサーソングである。軽やかな曲調(どこかで聞いたことのあるような、ポテトを揚げるときの音)が五反田に響き渡り、観客のお腹を空かせていく。このとき、屋台を出していたポテト屋さんは大儲けしたとのちに語る。ギトギトで揚げ揚げな恋について歌った歌詞も、ファンの心を掴んだ。

すると、ラストサビで突然メンバーがスクワットをし始める。『ポップコーン』はファンが飛び跳ねる曲だが、どうやら『フライドポテト』は逆にファンにスクワットをさせる気らしい。これには数々のライブで鍛えられてきたアプガファミリーも堪えたのか、次々脱落して座り込む姿はまるで揚げすぎてしなびたポテトのようだ。だが、フライドポテトは油を吸っていればいるほど美味しいと相場は決まっている。曲終わりにポーズを決めるメンバーと赤と黄色の照明がとても美味しいフライドポテトを演出していた。


続いて『アッパーレー』『アップアップタイフーン』『アッパーディスコ』『全力!PumpUp!』『サバイバルガールズ』『美女の野獣』『野生神風燃ゆ戦場』とアプガらしい攻めたセットリストを汗だくになりながらパフォーマンスするメンバーに、観客のボルテージも最高潮に。『アップアップタイフーン』では五反田を神輿で練り歩く演出に2時間かかり、休憩がてらカラオケ大会を楽しむ観客や、レジャーシートを敷き、仮眠をとる観客も現れた。


いよいよライブのラストスパートに『アルストロメリア』が披露されると、メンバーの歌声に合わせ、すっかり暗くなった空に花火が打ち上げられた。このサプライズにメンバーも驚き、特に鈴木芽生菜が飛び上がるほど驚いてそのまま客席の奥の方まで逃げてしまう一幕もあったが、無事歌い切り、本編が終了した。


観客の熱は冷めず、五反田にアンコールが響き渡ると、メンバーが再び登場……するかと思いきや、何も起こらず10分ほど経過する。客席からもアンコールはなしかと諦めの声が聞こえる中、ステージが明転し、なんとメンバーが全員、私服で登場した。古谷が「皆様のアンコールにお応えして出てきちゃったんですが……もう帰ろうとしてて……私服ですみません」と謝り、鈴木は「REVOLUTIONS」と描かれたジャージを履いており、客席は爆笑の渦に包まれた。

急遽決まったアンコールのため、披露する曲も決まっておらず、メンバーのやりたい曲を挙げていくことになった。すると青柳佑芽が真っ先に「『銀河上々物語』!絶対!」と言い出したため、なんとなくみんなが空気を読み合い満場一致で『銀河上々物語』が披露された。披露が終わり、もう一曲やるかという話になった時に再び青柳は「『銀河上々物語』!じゃないとやだ!」と言い出し、なんとなく空気を読み合いもう一度『銀河上々物語』を披露した。この流れをなんとなく空気を読んで10回繰り返し、さすがに客席も飽きてきたところで小山の「もうよくない?」という鶴の一声により、アンコールが終了した。


そして、最後のMCで改めて感謝とこれからの目標について1人ずつ語った。古谷は「ソロ曲の制作」鈴木は「グラビア表紙」小山は「クレープ屋開業」青柳は「推しとの共演」住田は「美味しいケータリングをいっぱい食べる」とそれぞれ目標を発表したところで、突然会場に山田社長の声が響き渡った。

驚くメンバーを前に、山田社長が告げたのは、【アップアップガールズ(ロサンゼルス)】の結成だった。
まさかの海外進出にメンバーも動揺。「ロサンゼルスってどこ?」「オーディションどこでやるの?」「誰か移籍するの?」とザワザワするが、詳細は後日発表とのことで、続報を待つ。


これでようやく全編が終了した。すでに時刻は25時。メンバー・観客共に終電はとっくにないため、そのまま朝までお祭り騒ぎを続けた。メンバーはファンに混じって心ゆくままに屋台を楽しみ、射的でお菓子をゲットする古谷やベビーカステラを100個食べる小山・住田ペアなど、ライブ後とは思えない楽しそうな様子が見られた。

【ライブ詳細】
※このライブレポートは全て青柳佑芽の妄想です。実現するかはわかりません。