多くの塾講師が苛ついている事ですが、塾に来ては携帯をいじっている子供が非常に多いです。 授業前後や休み時間はもちろん、酷い馬鹿となると授業中にまで携帯をいじっています。
つ
い先週、授業中に携帯をいじって下を向いていた女子がいたので、厳しく叱りつけて携帯を一時的に取り上げました。
取り上げた携帯の画面には、ブログに投稿する書きかけの記事が表示されていました。
その場では内容を確認せず、授業が終わった後に職員室へ来るよう言いつけ、私は携帯を持って職員室へ行きました。
問題の女子が、他の女友達を連れて職員室へ入って来ました。
「どうして他の人がいるの?呼ばれたのはアナタだけでしょ?」と叱ると、他の子たちは空気を読み、そそくさと職員室から出て行きました。
「あの、携帯を返してください。」
「携帯を返してください?」
「はい。」
「その前に言う事があるんじゃないの?」
「……授業中に携帯使ってごめんなさい。」
「携帯を使って何をしてたの?」
「…………」
「何をしてたかって聞いてるの。」
「親にメールしてました……。」
「何て?」
「……今は授業中だから、終わったらメールするって。」
この馬鹿は、親との連絡なら怒られないとでも思ったのでしょう。 姑息な浅知恵で私の説教から逃れようという浅ましい根性に腹が立ち、私は更に責め立てました。
「アナタが触っていたままの状態で、携帯がここにあるんだけど。 本当に親にメールしていたのか確認してもいい?」
「……駄目です。」
「どうして?」
「…………。」(泣き始める)
「泣いたら許されると思ってるの? 嘘をついたなら正直に認めて、本当の事を話しなさい。」
「本当は……ブログ書いてました……」
周りの講師や室長からの視線が集まり、職員室が静まり返ります。
「授業中にブログを書く必要なんて無いのは、自分でも分かっていたでしょう。 どうしてこんな事をしたの?」
「ごめんなさい……ブログ書くのが楽しくて……」
「塾は勉強をする為に来る場所。 ブログが書きたいなら来なくて良いの。 アナタを怒っている間、他の子たちの勉強の邪魔になっているの。」
「はい……。」
「次に同じ事をしていたら、アナタの親と直接話をさせてもらうから。」
「はい……。」
女子を突き放すように帰した後、室長から呼び出されました。
「最近は授業中に携帯をいじっている生徒が多いけど、あまりキツく叱ると精神的なショックで塾に来なくなる子もいるから、今みたいに終始叱るだけの説教はやめてください。 子供は大人と違ってナイーブで、叱られる事で生活に支障を来す子も多いんです。 勉強を楽しいと思わせるのが講師の仕事なのに、塾を怖がらせて勉強する機会を奪ってしまえば本末転倒でしょう。」
所詮は商業じみた縦社会。 辞められては困る、塾の評判を落とされては困る、ただそれだけの理由で「子供を怖がらせるな」と言いたいだけなのに、室長はもっともらしく子供の為の環境を作るべきだのなんだの言いました。
そもそも間違っているのが、「精神的なショック」や「叱られる事で生活に支障を来す」なんて理由で説教を穏やかに成せという論理。
ショックを与えず更生出来る自信があれば別だけども、子供に理屈で行動を制するような真似は難しいでしょう。
体罰が禁じられている以上、精神的なショックを与えて「これはやってはいけない事」と教えなくてはいけないのです。
そして、室長は「叱った後にはちゃんとフォローを入れて、元気付けてから帰せ」と言うけれど、甘い顔を見せれば付け上がる子供だっているんです。
散々叱りつけた後に「あ、やっぱり大丈夫なんだ」なんて思わせては、目上の立場である人間の言う事をますます聞かなくなります。
私が子供の頃は教師なんて、親とタッグを組んで目を光らせている、恐ろしい存在でした。 悪い事をすれば三者面談で教師と親の両方からコテンパンに叱り付けられ、逃げ場が無くなったものです。
それが今ではどうでしょう。
親は子供が叱られる事に怒りを覚え、塾や学校に苦情を申し立てます。
自分の子供がなぜ叱られなければならなかったのか、なぜ保護者でもない教師や塾講師が教育に口を挟むのか、自分の子供が誰に何の迷惑を掛けたのか、迷惑を掛けられた人からは何も言われていないのに叱る必要性があったのか……などなど、気を違えたのではないかと心配になるような言葉が、次から次へと飛び出すのです。
まったくお話になりません。
塾講師でさえこの有様ですから、学校の先生方はさぞかし大変な思いを強いられている事でしょう。 扱っている人数が圧倒的に多いですから、それに比例して馬鹿人間(大人も子供も含む)も多いでしょう。
いつからこんな国になってしまったのでしょうね。
それでも、私の教育方針(親以上に厳しく叱る態度など)を気に入って、私の授業を受けさせたいと希望してくれる保護者がいるのも確かです。 一応、塾側からも実績を評価されているので、私はそれなりの待遇を受けています。
お給料が良くなければ、こんな仕事は続けられません。