私が石垣島に移住を決めた時、一番の心配事は

 

映画館のない島で果たして私は生きて行けるのだろうか…

 

というものでした。

 

くだらない心配だとお思いでしょう。

私もそう思います。

しかし当時の私にとって、映画館はそれほど大きな存在だったのです。

 

私は映画が大好きです。

そして映画よりも映画館が大好きでした。

 

見知らぬ人たちがひとつの暗闇の中、同じ物語に一緒に笑ったり怖がったり涙を流したりして、明るくなって外へ出てそれぞれの世界へ帰って行く。

 

映画館に来る人々を観察するのが好きだった?

わかりません。

 

 

とにかく、お洒落をして、上映1時間前には必ず映画館へ到着し、その空気を満喫する事が東京にいた時の私の一番の楽しみでした。

 

 

7年前、石垣島に映画館はありませんでした。

 

凄く困ったかって?

全く困らなかった。

ヘッチャラでしたね。

 

映画館に通うドキドキ体験は場所を海に変え、映画館とは違うエネルギーを私に与えてくれました。

 

 

しか〜し!!なんと!最近石垣島に映画館(小劇場)ができたのです!!

 

「ゆいロードシアター」というお名前です。

 

行くしかない。というか嬉しすぎです。海があるからヘッチャラとか言っていたけれど、やはり海で映画は上映していませんからね!

 

私は久しぶりの映画館という事で珍しくお洒落をし(しかし何故か靴は海用靴になってしまいました。海よ、浮気してごめんよ、でも君の事を忘れたわけではないんだよ〜という私の一番好きそうな浮気性の男の真似です)ルンルンでゆいロードシアターへ向かいました。

 

その日は大雨だったこともあってか観客は私ひとりきりだったので人間観察は出来ませんでした。

 

「それでは上映を開始します」←店員さんの生声です。

 

場内が暗闇になった瞬間、なんだか涙が溢れて来ました。

 

 

 

私、石垣島で、映画館で、石垣島でちゃんとした映画館でちゃんと映画観るんだ?

 

 

 

すみません。東京に住んでいらっしゃる方にはなんのこっちゃ?な話だと思います。

 

私の気持ちを例えるのなら映画「ニューシネマパラダイス」で映画館が復活するシーンがありますよね?そんな感じです。まさにそんな感動です。

 

映画は「料理人 ガストン アクリオ」です。

 

どんな映画だったかご説明したいのですが、なんせ映画館で映画を観るのが久しぶり過ぎて興奮する自分を落ち着かせることが難しく、途中、映画に集中するためにヨガの呼吸をしてしまったり、もしかしたらどこかに他のお客さんが隠れていないかと探してしまったりして半分くらい映画館の内容を見逃してしまいました。

 

まるで初めてレストランに連れて来られた子供のような落ち着きのなさです。

ガストンさんは人間的にに素晴らしい料理人のようですので許して下さるかもしれません。

 

映画が終わり、受付の前を通って帰る私に店員さんが

 

「もし宜しければ、また是非来て下さい」

 

と、声をかけて下さいました。

 

「また絶対に来ます!楽しかったです!」

 

そう答えました。

 

こんなやりとりも石垣島ならではといいますか、ゆいロードシアターの温もりを感じて、また変な涙が溢れてきました。

 

落ち着きのない子供と涙もろい老人を足したような面倒くさい人間になりました。

 

でもいいよね?

 

感動して泣いちゃったり、落ち着きなくすくらいドキドキしたりできるって、素晴らしいと思いませんか?

 

私はずっとそうありたい。迷惑をかけない程度にそうありたい。

 

そう思わせてくださった石垣島のミニシアター「ゆいロードシアター」ありがとうございます。