5月の末に2泊3日の出張で釜山へ行き、思いのほか良かったので備忘録を。

 

大韓航空で釜山へ

 韓国は20年ほど前にソウルに行ったきりで久しぶり。釜山は初めてです。福岡からフェリーで行こうか、などと呑気なことを考えていましたが、時間(3時間40分)も料金(片道1万円強)も結構かかり、東京からは大人しく飛行機が良さそうです。釜山直行便は羽田からはなく成田発のみです。LCCもいくつかありますが、無難に大韓航空で。片道2時間、往復5万6千円。福岡へいくのとほぼ同じ感覚です。

 機体右側に八ヶ岳、北アルプス、白山を眺めながら日本海側へ抜ける絶景ルートを飛行しますが、私のように窓にかじりついている人は滅多に見かけませんがなぜでしょう。離陸、着陸、乱気流の合間を慌ただしくぬって、昼食が供され、釜山金海空港へ到着です。

 気温・湿度は東京とほぼ同じ。宿泊地の海雲台を目指します。行き方は鉄道、リムジンバス、タクシーとありますが、土地を知るには鉄道を乗りこなさねば、ということで、light rail乗り場へ。ところがここで関門が。

 

韓国は現金不要と言ったのはどこのどいつだ!

 事前にネットで情報を収集すると、韓国はキャッシュレス化がとても進んでいるので現金は基本不要、屋台で必要になるかもしれない程度持っておけば安心、という情報ばかりだったので、今回は両替なしで来ました。

 韓国の鉄道に乗るにはT-moneyという、チャージ式のカードを使うとお得かつ便利、ということで、まず手に入れます。駅には大抵コンビニが併設しており、購入できます。しかし!T-moneyカードに券売機でチャージするためには現金のウォンが必須!クレジットでチャージは出来ません。釜山には両替所があちこちにあり、駅で3,000円を26,000ウォンに両替。両替所のお兄さんは日本語もOKでした。韓国での会話のパターンは、向こうが韓国語で話しかけてくるので、私が英語で要件を話すと、向こうが日本語で話してくる、というパターンが結構ありました。

 駅にはボランティアなのか、黄色いベストを着たおばさんが常駐していて、切符の買い方など戸惑っている人に近づいて韓国語で親切に教えてくれます。おもてなし度の高さに、好感度上昇です。10,000ウォン(約1,200円)チャージして、2泊3日の間、鉄道3回、バス1回利用で、残り200ウォンだったので、ご参考に。

 その後現金が必要だった機会は、タクシーでなぜかクレジットカードが認証されなかったときだけでした。ということで、韓国では現金が不要ということは全くなく、5000円分程度の現金を持っていれば安心かと思います。

 

大阪は釜山の文化?

 鉄道はgoogleに従えばOK。ただし、ハングルだけの駅名も多く、結構戸惑います。ご存じの通り、ハングルは音を表すだけで、漢字のように意味を含んでいません。日本語で言えば、すべて平仮名で表記されているようなものです。最近は韓国でも漢字も使うようになり始めてきたらしいですが。

 さて、釜山の鉄道で気づいたのが、エスカレーターは右立ち、飴ちゃん文化(飴を常に持ち歩いて他の人に配る。たまたまかもしれませんが)を持っているらしい、ということです。これは丸っきり大阪ではないか。大阪は朝鮮半島からの人が多いので、それが由来なのかもしれないなぁと、勝手に思ったのでした。

 鉄道運賃はとても安価で、1時間の道のりでも250円くらい。メトロは頻繁に列車が来るので便利でした。空港から海雲台(ヘウンデ)まで、乗り換え一回の1時間20分と結構遠かったです。

 

ビーチリゾート海雲台

 釜山は人口350万人の大都市です。そのなかでも海雲台は、砂浜が続く海水浴場を持つ一大リゾート地です。2 kmほど続くビーチサイドは風光明媚な景勝地あり、サンドアートあり、おしゃれな店や伝統的な魚介料理のお店ありで、全く飽きません。夜景もきれいです。滞在中端から端まで2往復しました。

 宿泊したのは、東横イン海雲台2という日系ホテル。一人の海外出張は心細いもので、日和ってしまいました。日本のビジネスホテルとほぼ同じで必要十分。朝食は韓国らしい料理が並ぶビュッフェ方式で、なかなか美味しかったです。ただし、エレベーターが4基もあるのに、お互い全く連携されていないのはかなり残念でしたが…(乗りたい人は4基とも呼ぶので、誰もいない階に頻繁に停止することに)。

 

釜山グルメ

 お一人様焼肉の勇気はなく、初日の夜は春夏秋冬という冷麺屋に。韓国語しか話せないお店でしたが、「ミルミョン、ノンスパイシー」でOKです。釜山は冷麺発祥の地だそうで、期待に違わず美味しく、スープを飲み干したほどです。

 2日目、お昼は出張先で皆さんと一緒に、世界最大の百貨店センタムシティーのMoon Sushiというお店で豪華な海鮮料理。刺身5種、ピリ辛スープに浸かった刺身、焼いた鯛の切り身、天ぷら、などなど、魚はさすがに新鮮で美味しかったです。ビールは、韓国の人はアサヒが大好きなようですが、せっかくなので韓国ビールを。Kloudというビールはかなり美味しかったです。他の韓国ビールは激マズと言ってました。

 2日目の夜は、繁華街を徘徊しました。ヌタウナギ試してみたかったけど、有名店らしい「元祖アワビ粥本店」へ。ネットでも評価が分かれるようですが、私にはアワビのうま味や風味はあまり感じられず、付け合わせのキムチやジャコなどの強い味に比して物足りず、正直微妙。でも一度試しておかないと後悔したはずなので、まあ良しとしましょう。律儀なので完食。別に頼んだ蒸し餃子はとても美味しかったです。会計時にお店の人から、「美味しかったか?」と聞かれたのでvery good!と答えておいたのは本人のためにならずに良くなかったかな?

 

道案内はGoogle MapとApple Map両方必要

 私は散策するのが好きなので、目的地まで5 km程度なら迷わず歩きます。今回は出張先のBEXCOという巨大展示場までたった3km。しかしGoogle Mapはなぜか徒歩の案内を表示してくれず。韓国は車社会だから道路を歩くのは危険だから歩くな!という意味なのかと勘ぐってみましたが、Apple Mapは徒歩案内OK。実際歩いてみると、地元人も大勢歩いています。Google Mapの謎仕様でした。ではApple Mapのみで良いかというと、検索が弱く、宿泊ホテルすら出てこないポンコツっぷりを発揮。地図アプリは海外での命綱なので、本当に困ります。

 

韓国の道路事情

 ところで、韓国では基本的に車も人も右側通行らしく、横断歩道も右側通行の案内がもれなく書いてあります。足下のLEDが信号に併せて色を変えるのも凝ってます。妙なところで細かいのが不思議です。クルマといえば、日本ではヒョンデ(現代)の自動車はほぼ見かけませんが、こちらではヒョンデ一強で、乗用車はもちろん、バスもトラックもヒョンデだらけです。ついで、金持ちが多いのかドイツ御三家が15%、他はKIA 10%、日本車1%といった様相。ヒョンデはデザイン的にどれも相当レベル高く、日本にあるなら乗りたいと本気で思いました。

 

 

 

海東龍宮寺へ

 無事仕事が完了し、最終日。飛行機までの時間にどこか行けるところはないかと物色すると、海の岩場に立てられた寺が有名らしく、行ってみることに。初めてバスを使いましたが、最寄りのバス停からは、誰一人歩いていない工事現場みたいな殺風景な道を20分ほど歩きます。普通はタクシーかツアーバスで来るみたいですがこれも一興。さすがに絶景です。お寺は完全に観光地化されており、静寂さを是とする日本のお寺とは対照的です。熱心に祈るとひとつの願い事が必ず叶うという言い伝えがあるらしく、一応祈ってきました。亀の像があちこちにあり、竜宮伝説は韓国にも色濃くあるのだろうかとフト思いました。

 帰りは、暑かったので最寄りの鉄道駅オシリア駅までタクシーで(ここで現金払い発生)。駅周辺はロッテ一色。駅から少々離れていますが、ロッテワールドや巨大モールに圧倒されます。しかし、この路線は30分に一本しか電車が来ないので、あらかじめ時刻表を調べてからタクシーに乗ると良いでしょう。

 

釜山良いところ

 釜山(というより海雲台)は、景色の点でも安全面の点でも素晴らしいところでした。比較的きれいな公衆トイレがあちこちにあるのも、頻尿の私にとっては有り難いところ。ヌタウナギなど、まだまだ試せていない食事があるので、個人的にもう一度来ても良いくらいです。海沿いで魚が豊富なせいか、猫を結構見かけるのも高ポイント。オッサン一人旅には無縁ですが、おしゃれで現代的なお店も沢山あります。皆さんも博多に飽きたら是非釜山へ一度いかがですか?