ファイルNo,633ブロス650にDUKE690の三又フィッティング | takuオーナーのブログ

ファイルNo,633ブロス650にDUKE690の三又フィッティング

 

UPS-TAKU 大塚です。

 

ブロス650にKTM社のDUKE690の三又フィッティングです。

フレーム、ガソリンタンク、ラジエターを

お持ち込み頂きましたので

ステムストッパーピン立てからキーシリンダーの

フィッティングまで行います。

今回は検証、設計、製作まで私が担当させて頂きます。

 

 

↑まずはDUKEのアンダーブラケットから

ステムシャフトを引き抜きました。

部がかなりきつく圧入されていまして

アンダーブラケット側の内壁には

カジりが発生していましたが

再利できるレベルと判断して続行します。

圧入部のシャフト外径はブロスのシャフト外径より

マイクロメーターで0.08mmほど大きかったです。

 

↑引き抜いたブロスのシャフトエンドを一旦溶接で盛ってから

DUKUの径に合わせて減径。

ついでにベアリング圧入部も若干減径して検証に使います。

 

今回はキーシリンダーステーを製作したり

ストッパーピンを製作したりするので

検証のために何度かシャフトの引き抜きが必要になります。

ワンオフするシャフトを検証で使うと痛めてしまう可能性があるため

あえてブロスのノーマルシャフトを検証用に使える様にしました。

 

↑溶接で盛った後に減径したシャフトですが

ノーマルのシャフトを旋盤でつかんでも

完璧なセンターは出ませんので

こうした方法でシャフトの流用をするのはお勧めしません。

これはあくまでストッパーの無い検証用としてご理解下さい。

 

↑シャフトのネジ部も当然DUKEのトップブリッジには

合いませんがストッパーの位置出し程度には使えます。

 

↑ダミーシャフトを圧入。

シャフトエンドストッパーが無いので

リングナットを締め過ぎない様に注意せねば・・

 

↑ダミーフォーを製作。

 

部にテープを巻いてDUKEのトップブリッジに合わせます。

 

↑これで簡易的にでもストッパーの位置出しができます。

 

↑アンダーブラケットのノーマルトッパーは

予めフライス盤で削ってありますが

今回は上面に盛り上がっている部分があるので

完全な面出しは行っておりません。

 

新規ストッパーを立てる部分にマーキングしたら

アンダーブラケット単体にしてフライス盤に固定します。

 

面が±0になる様にクランプします。

 

↑続けてシャフト圧入内面に位置出しピンを当ててセンター出し。

NCフライスのカウンターをX軸0Y軸0にして加工原点とします。

 

↑センター=加工原点です。

マーキングした位置にピンを当てて

左右均等に凹ネジ穴加工完了。

 

KTMの刻印もご要望に従って切削。

 

↑先にワンオフしておいたステムシャフトと

ベアリングレース、シールを装着。

シャフトの材質は7075材

ハードアルマイト仕様となります。

 

トップナットはM22-P1.0のヤマハ仕様となります。

 

↑続けてトップブリッジの加工です。

部に位置出しピンを当ててセンター出し。

 

↑凹加工を施しました。

 

↑7075材から凸型スペーサーカラー

をワンオフして圧入します。

このはめ合わせ精度が難しい・・

カラー側の精度は自分で製作するので対処できるのですが

トップブリッジ側の内径を±0で計測できるわけではないので・・・

 

↑装着完了。

 

↑装着完了。

 

この後はアンダーブラケットと共に

フレームに仮組して問題無いか確認を取ると共に

キーシリンダーをフィッティングするための検証に入ります。

 

↑再びトップブリッジを取り外しNCフライスに固定。

キーシリンダーを取り付けるための

面出しとネジ穴を造るため

X軸に対して平行に固定します。

左右ジグの極点となる赤矢印部に

ゲージを当てて±0になる様にセットしますが、

クランプすると微妙に動くため

これでけっこう時間を消耗します。

 

↑お決まりのセンター出し。

 

部分左右均等にネジ穴を造ります。

 

↑これでベース完了。

 

そしてまたフレームに組み付けて

キーシリンダーステーの設計に入ります。

 

↑ベースに造ったネジ穴位置と

ブロスのトップブリッジから計測した

ノーマルキーシリンダー位置を重ねます。

そしてステムシャフトのセンター基準に

どの位置までキーシリンダーをずらせば

ロックができるのか検討します。

現物大でプリントしたものを何枚も製作して

最終的に上の画像の形状に決定しました。

 

 

↑13mmの2017材からステーを製作。

ドキドキしながら仮組してみます。

 

↑取り合えず上下方向はワッシャーで対応。

 

↑計算通りロックできました。

この後にアルマイトに出します。

 

↑アルマイト処理が終わりましたので

早速取り付けてみます。

因みにブロスはセンター配置です。

メーターに関しては純正仕様ではなくなると言う事で

今回はメーターとの干渉云々は考慮しておりません。

 

トップブリッジ側のKTMの刻印も切削処理しました。

切削のためにX軸に対しての平行出しも行っております。

 

 

 

 

だいぶ長くなりましたが完成です。

 

画像ではWリングナットの間に

緩み止めのロックワッシャーを入れていませんが

実際には新品を取り寄せてあります。

 

さて今19時49分ですが

これからもう少し加工に入って今日のノルマを達成せねば・・・