ファイルNo,627 RZ250/350にGX RDの大八ホイールフィッティング
UPS-TAKU 大塚です。
久しぶりのブログ更新ですが
当店では度々オーダーが入るRZ250/350に
GX RD系の大八ホイールフィッティングです。
大抵はGX250などの
フロントホイール(シングルディスク仕様)をお持ち込み頂き、
ダブルディスク化するための加工まで行うのですが、
今回は400のフロントホイールをお持ち込み頂きましたので
初めからダブルディスク仕様となります。
リアはドラムではなくディスクブレーキ仕様なのですが、
前後共ブレンボキャリパーを使用する前提で
オーダーを頂きました。
↑フロントホイールのコンバートに必要なパーツです。
RZのフロントフォークにボルトオンです。
※Aカラーはホイル左ベアリング内輪にロックタイト固定。
※Bカラーはホイール右ベアリング内輪に差し込みます。
いずれも100分台精度の精密級。
ステンレス製。
↑Aカラーをロックタイト固定しました。
↑このホイールを採用する場合ですが
当店ではホイール右側のベアリングを先に圧入し
座面に底着きさせます。
右ベアリングを底着(保持)させた状態で
専用ツールを使って左ベアリングを圧入します。
Bカラーは左右の座面間よりわずかに長いので
左ベアリングは座面より少し浮いた状態になります。
左右どちらのベアリングを底着させるのかは
車種や使用するキャリパーによっても異なってきます。
因みにBカラーの外径はあえて大きくしてあります。
※2017材+アルマイト仕様 長さ±0.01mmの精密級。
↑ホイール右側です。
Cカラーの先端をベアリングの内輪に差し込みます。
圧入一歩手前の精度で製作してありますので
少し斜めにすると差し込めません。
※差し込み部分と内輪にはワコーズのスレッドコンパウンドを使用。
※リップ内やベアリング表面には場所に見合ったグリスを塗布。
※カラーを差し込む時はシールのリップ部に
ツールを差し込んでエアー抜きを行いながら進めます。
↑使用するツールの例です。
気密性が高くなるためにエアー抜きを行わないと
シールが浮き上がったり、
カラーが浮き上がったりします。
ツールを差し込む時は
リップやカラー表面を痛めない様に要注意。
↑ローターは仮組です。
↑ギヤボックスはRZの純正品でOK
↑市販のキャリパーサポートとキャリパーを装着。
↑今回は左右共キャリパーサポートに
付属のシムは必要ありませんでしたが、
ローター裏側の座面に塗装が入っていましたので
塗装を取るとローターはもう少し内側に入ります。
因みにホイールベアリング左側を底着させた場合は、
ホイールセンター=ローターセンターがコンマ数ミリ
左側に寄りますので
左キャリパーセンターに対して左ローターセンターも
外側にずれてきます。
キャリパーセンターが外側の場合はシムで
調整できますがローターセンターが外側になりますと
調整が効かなくなりますので毎回ドキドキします。
それぞれのパーツの個体差によっては
必ずしも同一の結果にはなりませんので
その辺りはご理解頂ければ幸いです。
続けてリア。
↑リアホイールをコンバートさせるためのパーツ。
EとHのフランジは純正カラーから外して再利です。
↑DカラーにEフランジを装着しました。
ペイントは後から行って下さい。
※ホイール左側に装着します。
↑ホイール左ベアリングにFカラーを装着しました。
このFカラーは大八ホイールの構造上の特徴で
ベアリングの内側になります。
つまり外側からは取り外す事ができない。
ホイールベアリングを交換する際は
まず右側のベアリングから引き抜き、
左ベアリングのFカラーを外側から落として抜き取り
それから左ベアリングを引き抜きます。
Fカラーごとプーラーで引き抜こうとすれば
カラーを痛めますのでご注意下さい。
※これはノーマルの状態でも同様。
↑GカラーにHフランジを装着
リアホイールも右ベアリングを底着きさせて基準とします。
装着時の画像を撮り忘れましたが
ホイール右ベアリング内輪にIカラーを差し込む際も
フロントのCカラー同様の手順で行います。
今回のコンバートに必要なカラー類は
精密級扱いの公差で製作してあります。
↑ワンオフしたキャリパーサポート。
リジットタイプとなります。
↑納品前に実際にキャリパーを仮組して
位置関係に問題が無いか確認します。
↑大丈夫ですね。
↑ディブスゲージを使って全幅の確認。
問題ありません。
↑最後にスイングアームに仮組。
このスイングアームは元々RZのノーマルリアホイールを
ボルトオンできる前提となっているはずですが
アームの開きがノーマルより広かったです。
一先ずアクスルナットを締めれば
普通にアームも締まって行きますが・・・
↑お持ち込み頂いたアクスルシャフトは
専用品できなく検証用の長物でしたので
取り合えずカラーを間に挟んで仮組してみました。
と言う事でこの手の作業報告は
どうしても説明が長くなってしまいますが
ご容赦下さい!!