ファイルNo,299 Y様 RZ250フレーム加工 その1
段階的に進めているY様のRZフレームです。
基本オーダーは3MA前後足回りをコンバートするための
サスマウント製作やステムストッパー関係の加工ですので
当店にとっては定番ですが、
問題はホイールがTZ用マルケジーニでして
リヤ側は5.5-17と極太な事です。
まぁ3MAのアームにはやり方次第で治まりますが
ベースがRZではどう頑張ってもチェンラインを確保できません。
そこでY様のご指示はフレームのインライン加工+補強です。
↑まずはフレームのサスマウント製作から入りますので
余分な部分を切除して行きます。
http://www1.odn.ne.jp/cch05150/oneoff81.htm
↑作業内容と工賃は当店のhpにリンクしてあります。
↑溶接をしてしばらく経ちますと
ペイントれていない部分にうっすらと錆が出始めますが
最終的にブラストしてペイントされると言う事ですので
あえてそのままにして作業を続けます。
↑フレームインライン加工を行うための検証に入ります。
エンジンはRZRに換装+12mmオフセットスプロケット仕様で
計算上のチェンラインは±1mm以内に収まります。
↑170のタイヤまでは行けそうです。
↑お持込頂いたマルケホイールは
φ22のアクスルシャフトに対応しておりますので
そのままでは使えません。
内径を20mmに変更したカラーを製作して行きます。
↑実際には寸法の異なるカラーを4個製作しました。
↑TZのローターでは外径が小さく
ブレンボキャリパーが使えませんでしたので
3MAの純正に換装した上でキャリパーサポートを製作します。
↑表面処理を行う前のキャリパーサポートです。
↑ハブベアリング内に挿入するカラーもワンオフ
↑一先ずインライン加工検証のためにホイールを仮組するだけですので
キャリパーサポートは外しておきます。
↑オフセットスプロケットは検証用です。
スイングアームも当店の検証用ですので
ダストカバーなどは省いてあります。
↑AとB部の補強材を切除し
さらにフレームパイプを半分ほど切除した上で
各部フタをして行きます。
度々書きますが、
カスタム車のインライン加工の是非につきましては
当店では白黒はっきりさせる事はできません。
よく質問を頂く事ですが
どんな加工においても使用状況に応じて
メリットやディメリットは発生するのです。
それをお客様側で十分に理解された上での最終手段となれば、
あとは当店に対応できる技術があるかどうかだけなのです。
これは無理だと思えばお断りしますし、
お引き受けするからには限られたコストの中で
当店としての最善を尽くすのみです。
↑で そのA/Bを外側から見た写真ですが
ただでさえ弱いRZのピポッド部なので
A/B部の補強が無くなると辛いものがあります。
↑そこで→部にソケットレンチが使える内径のカラーを溶接し、
更に※部に三日月型のプレートを配置。
全体を溶接で固めていく手段を取る事にしました。
文章では分かり辛いと思いますが
こうした補強をする際には必ずソケットレンチが使える様に
しないといけません。
以前ガゼット状に補強されたRZのフレームが持ち込まれた際には、
単にピポットシャフトを通す事ができるのみで
肝心の工具が使えず、ナットを締める事からできませんでした。
苦肉の策としてより長いシャフトとカラー使って
何とか対処しましたができればノーマルのピポットシャフトを
使えるに越した事はありません。
ピポット関係の作業が終わりましたら
来月はラジエターのフィッティングとフロントホイール関係に入り、
最後にステムストッパーを仕上げて完了の予定です。