ファイルNo,296 R1Zに3XVのスイングアームフィッティング その2 完
ファイルNo,296 R1Zに3XVのスイングアームフィッティング その1
と言うわけで↑の続きです。
↑溶接部のペイントをいちいちペーパーで
取り除くわけには行きませんので部分的にサンドブラストしました。
↑A 新品ピポッドベアリング
B Aベアリング内に入る焼き入れカラー
C 左右Bカラー間に挟むジュラルミンカラー
内径はR1Zの16mmに合わせてあります。
この3分割仕様は、一本ものの純正ピポットパイプの
流用が困難な時に採用します。
スズキ車では昔からポピュラーな仕様です。
↑Cカラーの外径は中で遊ばないように太くなるため
一旦ベアリングを圧入すると抜けなくなります。
↑再度フレームに仮組して
各部のクリアランス等の最終チェック。
問題ありませんね。
今後リンクアームの設定を変えて車高を高くしても
サスとブラケットが干渉しない様配慮はしてあります。
↑次に切り取った部分の補修です。
型紙を作りつつ現物合わせでアルミプレートを整形します。
↑左右分完成。
この時点で取りあえずリンクアームブラケットを溶接します。
その後更に現物合わせで穴埋めをして行きます。
↑ブラケット固定に利用させてもらった
ボルトとナットがそのまま付いておりますが
簡単に引き抜けますので必要なければ取り外しても構いません。
↑すべての溶接完了。
↑細かい所ですがダストカバーが付けられるように
一部溶接のビートを円形に加工します。
ただし、アルミの溶着はビートが重要なので
必要最小限にします。
↑リンクアームブラケットに新品のベアリングとシールを取り付け、
ベアリング内のカラーは手持ちの検証用を使います。
↑最後にもう一度フレームに組み付けてチェック
ホイールは当店の検証用を使っています。
↑いいんじゃないでしょうか。
↑加工上の誤差はありますが
今回のオーダーはあくまでもR1Zのスイングアームと同じ位置関係に
サスペンションやリンクを配置して欲しいというものです。
加工屋としての立場でできる事をお引き受けしましたが、
バイク屋としての立場で見れば
これから車高の問題やフルボトム時に発生する
フレーム関係その他とのクリアランス等
色々な調整が必要になってくるでしょう。
その辺りはオーナー様のお楽しみと言う事で
事前に打合せ済みです。
↑今回は+5mmのオフセッスプロケットを使用する前提で
ホイールやスプロケットハブの加工も行っております。
Dは加工済みのハブ
Eはハブベアリング内側に配置
Fはハブの外側に配置
Gは加工済みのダンパー
Hは加工済みのピポッドダストカバーとシム
Iはホイール右ベアリング側のカラー
Jは純正シール
↑Bカラーはアームの幅より若干飛び出します。
↑そこへ加工したダストカバーとシムを取り付けるとこんな感じ。
↑お持込頂いたホイールは写真の↑部分にクラックがありました。
そのままでは加工中に飛び散って危険なので
一旦切除してから加工に入りました。
↑加工後にベアリングを取り付けて完了
↑因みに3XVのリヤホイールは新品製造時から
各部の厚みに個体差があります。
例えば上の写真の矢印部の厚み。
↑その他諸々
当然バランスを取る時のウエイトの量にも影響は出ますが
だからと言って問題と言うわけではありません。
当店で加工した後もベアリングを基準にセンター出しをすれば
同様に厚みの異なる部分が出てきます。
それは加工ミスではありませんので
念のためにお伝えしておきます。
明日からは私はC様関係の加工に入ります。