常総市の惨状/「ゴン格」創刊当時の大山倍達総裁との交流/他 | 舟木昭太郎の日々つれづれ

常総市の惨状/「ゴン格」創刊当時の大山倍達総裁との交流/他

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[大雨] 常総市の惨状
 ~リアルタイムで見る地獄絵~
 ~人間の無力、自然の力~
[空手] 大山倍達総裁の追憶
 ~「空手世界大会」2団体開催に思う~
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[今週の俳句もどき]

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[大雨] 常総市の惨状 

リアルタイムで見る地獄絵 

テレビは一種邪悪なものだ、つくづく感じる。我々は常総市が洪水に舐めつくされる、その残酷な現実を逐一リアルタイムで見る事が出来る。
 
まるでドラマを見るように、地獄絵を茶の間で共有した。いまにも押し流されようとする家屋の二階からタオルを振る人、電柱に抱きつき助けを求める男性、やがてヘリコプターが来て、救い出す光景に「よかった、よかった」と胸を撫で下ろす。 
 
    
人間の無力、自然の力 

何のことはない。高みの見物だ。被災者に申し訳ない。すさまじい濁流、自然の反乱の前に人間は何と無力なものよ。明日は吾身、私は慄然とした。お見舞いの言葉も虚しい。
 
一衣帯水、街を覆った惨状の明くる日は、悪夢から覚めた空に、透き通るような秋晴れ。天の気まぐれ。そして土曜の早朝は、東京湾で地震、調布市では震度5だった。いよいよそこまで来たか!続いて阿蘇山も噴火、地球の堪忍袋の緒が切れた。
 
それにしても水害被災地に空き巣泥棒が横行しているという。とんでもない悪行で、こんな奴らは極刑にすべきだ。被災地の人々の苦しみを知れ!畜生にも劣る奴よ!
  
 
[空手] 大山倍達総裁の追憶 

「空手世界大会」2団体開催に思う 

極真空手の創始者大山倍達総裁がお亡くなりになってもう21年。総裁亡き後の極真は、目を覆うばかりの分裂を重ね今日に到っている。
 
分裂した中で、2大組織といわれるのが松井章圭氏の極真会館と緑健児氏の新極真。両団体は相次いでこの秋世界大会を開催する。新極真は10月31~11月1日、極真会館は11月20日~22日で、場所も共に同じ東京体育館。
 
同体育館は、総裁時代から全日本も世界大会も連綿と大会を開いてきた。いわば極真にとっての聖地なのだ。愛弟子が共に「世界大会」と称して相争う現象を総裁は、草葉の陰でさぞ嘆いているのでは。
 
私は総裁の死を以て、極真空手とは決別したが「極真世界大会」の看板を千駄ヶ谷駅の車窓から見つけて、何故か大山総裁時代が脳裏を過った。
 
同総裁最後の第5回世界大会(1991年)では晴れがましい厚遇に預かった。会場に入り、総裁に挨拶に行くと、「私の後ろに来なさい。」といって真後ろの役員席を用意してくれた。
 
加えてお昼も、一度御一緒した新宿十二社にある韓国料亭仕立ての豪華な弁当を賜った。役員席には錚々たる大山総裁人脈が顔を揃い(有名な侠客も)私は、萎縮したものだ。
  
    
「ゴング格闘技」創刊当時の総裁との交流 

「ゴング格闘技」創刊当時の総裁との交流
 
因みにこの大会で優勝したのが、いま新極真のリーダー緑健児。松井圭章氏(後の極真会館長)はテレビ解説で演武も披露した。皮肉なものだ、時代は回る。
 
総裁とは「ゴング格闘技」の創刊に当り、「大山倍達の空手講座」を何とか誌面で実現したく私は毎週のように総裁室に尋ねた。これを機に総裁と親しくなった。
 
黒崎健時師範の連載読み物もスタートしていて、大山総裁が承諾してくれれば「ゴング格闘技」は、まさに極真の伝説の二人が誌面を飾る。
 
ところが問題があった。黒崎先生が誌上で連載をしていることに総裁は難色を示した。「キミ~、黒崎と同じ雑誌に出るのは、嫌だよ。弟子たちも反対するよ~。」やんわりとNOを突き付けられた。言外に「黒崎を外すならやってもいい。」のニュアンスであったが、それは出来ない。困った。

黒崎師範は、元はといえば総裁の弟子にあたる。当時、空手からキックボクシングの世界に進出、あの藤原敏男を育て上げ、かつ極真傘下のウィリー・ウイリアムスをアントニオ猪木と異種格闘技戦で戦わせたのだ。

これにドッキングしたのが、総裁とは刎頸の友であった「空手バカ一代」の劇画作家、梶原一騎先生。面白いはずがない。この試合を期に、梶原先生と総裁の間は冷めて行った。男の別れ、察するに総裁は寂しかったはずだ。
 
何はともあれ、私は諦めず説得を続けた。「総裁は総裁です。黒崎先生とは別に考えてください。格闘技ファンのためです。是非お願い致します。」この繰り返し。
 
通ううちに総裁の心は溶けてきた。不憫に思ったのだろう。或る日「他ならぬ舟木編集長の頼みだからしょうがないか。」と、にっこり笑って承諾して頂いた。こうして「”ゴットハンド”の空手講座」は実現を見た。
 
大山倍達総裁と黒崎健時師範の両雄が同じ雑誌の誌面で初めて並び立った、記念すべき出来事だった。梶原先生の実弟、真樹久佐夫さん(空手家&小説家)は「表の大山、裏の黒崎」と評する。その訳を後日綴りたい。
 
今回はたまたま見た「空手世界大会」(新極真)の看板を目にして、感じたことを綴りました。両団体には大会の御成功をお祈りいたします。
  
 
[今週の俳句もどき]
 
秋しぐれダンスダンスの落葉哉

アサガオの揺れる日の秋袷(あきあはせ)

鶏頭の紅に競うや子の帽子


昭太郎


朝鮮アサガオが咲いた!

 

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