井岡の三階級制覇に寄せて/奥川正治さんの水彩画個展/他
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■[ボクシング]井岡の三階級制覇に寄せて
~井岡に求められる荒ぶる魂~
■[ドローン]小型無人飛行機の功罪
~文明の利器は諸刃の剣~
■[初夏]横浜青葉台の散策
~個展を鑑賞に行った~
[今週の雑学講座]
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[ボクシング]井岡の三階級制覇に寄せて
井岡に求められる荒ぶる魂
WBA世界フライ級タイトル戦は挑戦者3位井岡一翔(井岡・26)が、チャンピオンのファン・カルロス・レべコ(亜・31)を判定で下して王座を奪取、WBCミニマム級、WBAライトフライ級に続く3階級制覇を成し遂げた。
判定を待つ間、私は、よくて引分けになると読んだ。共にこれといった決め手に不足していたことがその根拠。レベコは終始アグレッシブに攻めたがパンチが不正確、井岡は挑戦者にも関わらずカウンター狙いで、いま一つ決定打がない。結果は一人のジャッジが引分けで、二人が井岡の勝ちで2-0の判定。敵地なら負けの結果が出よう。
井岡の勝ちの理由は、正確なパンチの数だったのだろうけど、なによりも突進してくる相手に、細かく放つジャブが効果的だった。私はかねがね、いま日本のボクサーの中で彼ほど優れたテクニックを有する選手はいない、と言ってきた。
それだけに彼の勝利には満足していない。見る者のハート揺さぶるような戦いが求められる。ボクシングはポイントで優劣を決める競技ではあるが、プロである限りやはり相手をノックアウトする気概もなければ、見る者を魅了しない。井岡に求められるもの、そう、荒ぶる魂、畳み掛ける迫力である。見本は具志堅用高さんである。
この度の三階級制覇の偉業をマスコミは囃し立てるが、私はさほど評価はしていない。亀田興毅が最初の達成者になるが、F原田さん(二階級制覇)の時代ならともかく近年は細分化され17階級もある現状では、それほど価値はない。好漢井岡よ、高みを目指し脱皮を続けよ!
[ドローン]小型無人飛行機の功罪
文明の利器は諸刃の剣
首相官邸の屋上で見つかったドローン(小型無人飛行機)を飛ばしたのは結局福井県小浜市在住の男だった。動機は「反原発を訴えたかった」そうな。高校の機械科を出て、自衛隊にいたというから、簡単に操作も出来たのだろう。
それにしても厄介なものが流行(はや)り出したものだ。手軽に入手出来、犯罪にも極簡単に利用可能という事でやはり何らかの規制が必要だろう。赤トンボのようにドローンが空を群れて、飛び回ってる…気味悪いよね。
アメリカ辺りでは、ピザや本の宅配などにネット通販に活用する動きが進んでいる。交通渋滞も何のその、御自宅の庭まで配達するという具合だ。いやはや商売のあくなき追求には感心する。
ただドローンというやつは、風に弱いらしく煽られると忽ち墜落してしまい、相当危なっかしいものらしいが、メリットとリスク、どっちを取る?
メリットの点では、山での遭難者の発見などに役立つだろうし、あるは河川に取り残された人にロープを落として救助したり、活用の場は多岐にわたる。ヘリコプターを飛ばさずともこれなら費用も安く済む。空からの農薬散布、空中写真撮影にも便利だ。
リスクの点はプライバシーの侵害の恐れや、先に述べた首相官邸への攻撃など、今後は過激派組織によって頻繁に利用される懸念がある。やくざの抗争でも利用されるかもしれない。走っている新幹線や乗用車に衝突する危険も考えられる。
元々小型無人飛行機なるものは、兵器として開発されたものだから、これに爆弾や化学兵器を搭載して、旅客機や船舶、あるいは原子力施設などを狙う事件が発生す可能性も充分ある。
文明の利器は、まさしく諸刃の剣。ダイナマイトしかりである。ドローンをいかに人類に役立たせるために活用するか、一重に人間の叡智にかかる。
[初夏]横浜青葉台の散策
個展を鑑賞に行った
24日快晴、私は奥川正治さんの水彩画個展を鑑賞に神奈川県横浜市青葉台に東急東横線に乗った。個展が開かれていたのは駅から12~13分の丘の上にある「カフェ・ギャラリー・リンデン」(個展は26日で終了)
当地は初めてで、改札を出るとすぐに、かなりキツイ上り坂が続き山を登り切ると今度は、谷底へ突き進むような下り坂。そしてまた登り坂で頂きが目的地。フーフーいうほどの急こう配、何んと坂のある町よ。沿道には白い花を付けたハナミズキが満開で、そよいでいた。爽やかな初夏の風。
奥川画伯の絵は、繊細なもので岸壁に繋がれている漁船のそのロープの一本一本の縒り合された糸までも正確に描いている。お金があれば一つ欲しいのだが。作品を鑑賞し奥川氏としばし歓談、美味しいコーヒーを飲んで帰る。心洗われる青葉台の散策、私にとっては小さな旅であった。
[今週の雑学講座]
「医院」と最初に使ったのは長州藩
司馬遼太郎著「花神」(新潮社)を読み直していたらこんな文章が目についた。引用する。
長州藩は言語感覚にすぐれていて、多くの造語をつくり、近代日本語を定着させた。
「医院」ということばを最初に使ったのは長州で、文久三年京都原町藩邸の向かいにおかれた診療所に「医院」とつけたのが病院のはじまりという。
「軍隊」の「隊」や「総督」また「総監」ということばを作ったのも長州藩で、幕府がこれをまねた。なるほど、佐山聡さん(初代タイガーマスク)が主宰する武道団体の総監を名乗っているのも、彼が山口出身だからなのだ。気が付くのが遅いか。
拙宅の近所の藤、ジャスミン、ばらの花の景観!

DVD『カンムリワシ具志堅用高』 第1部&第2部
DVD『日本ボクシング不滅の激闘史』いずれも絶賛発売中!!
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■[ボクシング]井岡の三階級制覇に寄せて
~井岡に求められる荒ぶる魂~
■[ドローン]小型無人飛行機の功罪
~文明の利器は諸刃の剣~
■[初夏]横浜青葉台の散策
~個展を鑑賞に行った~
[今週の雑学講座]
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[ボクシング]井岡の三階級制覇に寄せて
井岡に求められる荒ぶる魂
WBA世界フライ級タイトル戦は挑戦者3位井岡一翔(井岡・26)が、チャンピオンのファン・カルロス・レべコ(亜・31)を判定で下して王座を奪取、WBCミニマム級、WBAライトフライ級に続く3階級制覇を成し遂げた。
判定を待つ間、私は、よくて引分けになると読んだ。共にこれといった決め手に不足していたことがその根拠。レベコは終始アグレッシブに攻めたがパンチが不正確、井岡は挑戦者にも関わらずカウンター狙いで、いま一つ決定打がない。結果は一人のジャッジが引分けで、二人が井岡の勝ちで2-0の判定。敵地なら負けの結果が出よう。
井岡の勝ちの理由は、正確なパンチの数だったのだろうけど、なによりも突進してくる相手に、細かく放つジャブが効果的だった。私はかねがね、いま日本のボクサーの中で彼ほど優れたテクニックを有する選手はいない、と言ってきた。
それだけに彼の勝利には満足していない。見る者のハート揺さぶるような戦いが求められる。ボクシングはポイントで優劣を決める競技ではあるが、プロである限りやはり相手をノックアウトする気概もなければ、見る者を魅了しない。井岡に求められるもの、そう、荒ぶる魂、畳み掛ける迫力である。見本は具志堅用高さんである。
この度の三階級制覇の偉業をマスコミは囃し立てるが、私はさほど評価はしていない。亀田興毅が最初の達成者になるが、F原田さん(二階級制覇)の時代ならともかく近年は細分化され17階級もある現状では、それほど価値はない。好漢井岡よ、高みを目指し脱皮を続けよ!
[ドローン]小型無人飛行機の功罪
文明の利器は諸刃の剣
首相官邸の屋上で見つかったドローン(小型無人飛行機)を飛ばしたのは結局福井県小浜市在住の男だった。動機は「反原発を訴えたかった」そうな。高校の機械科を出て、自衛隊にいたというから、簡単に操作も出来たのだろう。
それにしても厄介なものが流行(はや)り出したものだ。手軽に入手出来、犯罪にも極簡単に利用可能という事でやはり何らかの規制が必要だろう。赤トンボのようにドローンが空を群れて、飛び回ってる…気味悪いよね。
アメリカ辺りでは、ピザや本の宅配などにネット通販に活用する動きが進んでいる。交通渋滞も何のその、御自宅の庭まで配達するという具合だ。いやはや商売のあくなき追求には感心する。
ただドローンというやつは、風に弱いらしく煽られると忽ち墜落してしまい、相当危なっかしいものらしいが、メリットとリスク、どっちを取る?
メリットの点では、山での遭難者の発見などに役立つだろうし、あるは河川に取り残された人にロープを落として救助したり、活用の場は多岐にわたる。ヘリコプターを飛ばさずともこれなら費用も安く済む。空からの農薬散布、空中写真撮影にも便利だ。
リスクの点はプライバシーの侵害の恐れや、先に述べた首相官邸への攻撃など、今後は過激派組織によって頻繁に利用される懸念がある。やくざの抗争でも利用されるかもしれない。走っている新幹線や乗用車に衝突する危険も考えられる。
元々小型無人飛行機なるものは、兵器として開発されたものだから、これに爆弾や化学兵器を搭載して、旅客機や船舶、あるいは原子力施設などを狙う事件が発生す可能性も充分ある。
文明の利器は、まさしく諸刃の剣。ダイナマイトしかりである。ドローンをいかに人類に役立たせるために活用するか、一重に人間の叡智にかかる。
[初夏]横浜青葉台の散策
個展を鑑賞に行った
24日快晴、私は奥川正治さんの水彩画個展を鑑賞に神奈川県横浜市青葉台に東急東横線に乗った。個展が開かれていたのは駅から12~13分の丘の上にある「カフェ・ギャラリー・リンデン」(個展は26日で終了)
当地は初めてで、改札を出るとすぐに、かなりキツイ上り坂が続き山を登り切ると今度は、谷底へ突き進むような下り坂。そしてまた登り坂で頂きが目的地。フーフーいうほどの急こう配、何んと坂のある町よ。沿道には白い花を付けたハナミズキが満開で、そよいでいた。爽やかな初夏の風。
奥川画伯の絵は、繊細なもので岸壁に繋がれている漁船のそのロープの一本一本の縒り合された糸までも正確に描いている。お金があれば一つ欲しいのだが。作品を鑑賞し奥川氏としばし歓談、美味しいコーヒーを飲んで帰る。心洗われる青葉台の散策、私にとっては小さな旅であった。
[今週の雑学講座]
「医院」と最初に使ったのは長州藩
司馬遼太郎著「花神」(新潮社)を読み直していたらこんな文章が目についた。引用する。
長州藩は言語感覚にすぐれていて、多くの造語をつくり、近代日本語を定着させた。
「医院」ということばを最初に使ったのは長州で、文久三年京都原町藩邸の向かいにおかれた診療所に「医院」とつけたのが病院のはじまりという。
「軍隊」の「隊」や「総督」また「総監」ということばを作ったのも長州藩で、幕府がこれをまねた。なるほど、佐山聡さん(初代タイガーマスク)が主宰する武道団体の総監を名乗っているのも、彼が山口出身だからなのだ。気が付くのが遅いか。
拙宅の近所の藤、ジャスミン、ばらの花の景観!

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