ボクシング再考・年末のボクシング視聴率低調で/権威を失墜したWBA/他 | 舟木昭太郎の日々つれづれ

ボクシング再考・年末のボクシング視聴率低調で/権威を失墜したWBA/他

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■[サッカー]“岡ちゃん”の冒険心に拍手
■[大相撲]チンギス・ハーンの末裔たち
 ~相撲は文化を欠落した~
■[ボクシング再考]年末のボクシング視聴率低調で
 ~WBAもWBCも「キム王朝」と同じだ!~
[今週の雑学講座]

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[サッカー]“岡ちゃん”の冒険心に拍手 

元日本代表監督岡田武史さん(58)が四国リーグ社会人「FC今治」の代表、つまりオーナーに就任した。喜ばしいことだ。これこそまさに「地方創生」の見本。今治といえばタオルの町として有名だが、さぞや地元のファンは期待を膨らませていることだろう。
 
岡田監督といえば、二度の日本代表監督を務めたあと中国杭州緑域のクラブチームの監督になった冒険心旺盛な人だ。この度もFC今治のオーナーを引き受けるに際し「自らの実験」とうたっている。いつも変わらぬ挑戦者魂が、マグマのように沸々と湧いている。
 
私はこういう人を尊敬してやまない。朝ドラ「マッサン」でエリーも言っているではないか。「マッサン、人生はボウケン」と。
 
昨年末、監督には今後一切ならないといった御仁が、PS4「ワールドサッカー ウイイレ2015 日本代表」の監督を引き受けた。己に対する鼓舞とサッカー界が盛んになるようにとの応援のつもりであろう。地味に、コツコツ歩む“岡ちゃん”に乾杯!
  
 
[大相撲]チンギス・ハーンの末裔たち 

1月場所が国技館で始まった。横綱白鵬が、大鵬の持つ33回の優勝記録を一気に抜き去るかが注目されるが、私は白鵬に限らず、依然またモンゴル勢の優勝争いとみるから食傷気味で、興味が薄い。
 
横綱は東・白鵬、同・日馬富士に同西・鶴竜と3人、関脇逸ノ城、東前頭二枚目照ノ富士、同前頭七枚目旭天鵬とざっと上位はモンゴル勢で占めている。これじゃ、どうみてもモンゴル場所である。
 
私のようなオジサンは、若乃花(初代)や栃錦、千代の海に時津山、信夫山、そうだ大内山や松登もいたっけ。ラジオ放送から聴こえる取り組みに熱狂したものだ。あの頃の熱い思いはとうに無い。まさに大相撲が大相撲であった時代。 
 
    
相撲は文化を欠落した 

いま、チンギス・ハーンの末裔たちが大草原を疾走するように土俵を蹂躙して、日本の力士には防ぎようもない。第二の蒙古襲来、あの神風を期待すべくもない。大関琴奨菊や稀勢ノ海や遠藤(東枚頭3枚目)あたりが奮起して、せめて国技の意地を見せて欲しいものだ。
 
国技がいつの間にか、趣(おもむき)のない文化という大事なものが欠落した、単なる「競技」になってしまった気がしてならない。あの日馬富士の勝てばよいという張り手を見ると。
これって単なる感傷か。
  
 
[ボクシング再考]年末のボクシング視聴率低調で 

前週「安売り商品となったボクシング」と題して、ボクシングがいかに凋落しているかについて書いた。2日間で計8試合の世界戦。盛況、花盛りの目出度い状況かと言えば、とんでも錯覚。(前回世界戦9試合としたのは8試合の間違いでした)
 
試聴率を視れば簡単明瞭。30日のフジテレビ、井上尚弥(大橋)がナルバイス(亜)を2回KOでプロ8戦目の2階級制覇と話題になった。井上の快勝に絶賛する声もあるが。
 
またロンドン五輪ゴールドメダリスト村田諒太(帝拳)も出場して、話題に事欠かないのに何と7.6%、テレ東(内山高志、河野公平ら)の試合は5.8%、TBS(高山勝成、天笠 尚の世界戦に井岡一翔のノンタイトル)は、天笠、井岡が9.0、高山が3.4%と平均視聴率は総崩れ。
 
年末のボクシング放送にも何らかの影響は避けられまい。
WBA,WBC,IBF,WBOと4団体の世界戦が乱立した結果が、この顛末。さながら「ボクシング芋煮会」もファンにソッポを向かれたのは明瞭な数字だ。
 
4団体が等しく17階級を擁して17人の王者がいることは前回紹介した。然るに4団体×17王者=68人の世界王者。こんなにチャンピオンがいて、価値が問われるのは当然。知らないファンは、へぇ~そんなに世界王者がいるの?と驚き愛想をつかすだろう。
  
   
WBAもWBCも「キム王朝」と同じだ! 

WBA(世界ボクシング協会)という組織は最古の歴史を持ち元をただせば、WBCもIBFもWBOもここから分派した組職である。本部はベネズエラ、中南米のとりわけパナマ、とベネズエラが主導権を握り会長職をこの二国で独占している。
 
WBAの次期会長にはヒルベルト・メンドサ・ジュニア(ベネズエラ)が有望とか。父親が亡くなりその後釜に座る。WBCは本部がメキシコ。凡そ40年も会長職に君臨「スライマン王国」を築いたホセ・スライマンが、昨年1月に82才で逝去すると、これまた四男マウリシオ(メキシコ)が受け継いだ。
 
何のことはない、両団体とも北朝鮮の「キム王朝」と同じ。世襲して、私物化、利権を貪っている。タイトルマッチはその認定料がオイシイ収入源だから、次々に増やし17階級。
 
WBAはそれに暫定王者に、UD(比類なき)王者やSC(スーパー王者)などわけのわからぬものまで作った。UDかSCかは、後世の人々が決めるもの。
 
それを敢て設けたのは全て金儲けのため。挙句WBCはムエタイ王者も認定する有様は目を覆いたくなる。何処まで続く泥濘(ぬかるみ)ぞ、だ。
 
WBAはかつての権威を失って他の団体とドングリの背比べ。そうした団体にとっては、日本は「黄金の国、ジパング」だった。芸者、温泉旅行の接待、秋葉原での最新電気・電子機器のお土産付、ファイトマネーの支払もテレビ局が付いているから間違いなし…それもこれもやがて出来なくなる。
 
そうして、ボクシングは凋落して行った。全ては身から出た錆び。マスメディアも阿諛追従して、一緒になって踊っては御終いだ。ボクシング、この素晴らしい格闘技を未来へ引き継ぐために、各々が現状憂い、真正面から強く物申すべき時である。
  
 
[今週の雑学講座]
 
端的只今(たんてきただいま)

武士の要諦を表した「葉隠」の中の一節で、その言葉の意味は、人生は「現在の一瞬に徹して生きなければならない」ということである。

これに気が付けば、たとえどんなことが起きても、右往左往することもないと教える。時代制度は変われどこのコトバは、いまに通ずるものだ。私は「毎日が大晦日」と考えている。

ついでに、葉隠が唱える究極の恋とは「忍ぶ恋」なそうな。参考までに御紹介します。

恋ひ死なん 後の煙にそれと知れ 
終(つい)にもらさぬ中の思ひは


ですと、武士社会というものに人権というものがない。恋も愛も出来ないとはねえ、現代に生まれて良かったニャ!


【P.S.】
私事で恐縮ですが、今年も夜のイベントや宴会は控え
させて頂きます。朝型に生活を完全に切り替えていますので...。
申し訳ございません。

 
夜明け前の公園の寒月

 
  

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