辰吉の次男プロテスト合格/ジョーの見果てぬ夢/他 | 舟木昭太郎の日々つれづれ

辰吉の次男プロテスト合格/ジョーの見果てぬ夢/他

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■[ボクシング] 辰吉の次男プロテスト合格
 ~ジョーの見果てぬ夢~
■[フィギュアスケート] 羽生結弦の不振の先に有るもの
■[歯科] 歯磨きの歓び
 ~歯の啓蒙運動~
[今週の雑学講座]
[今週の推薦はやり歌]
 
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[ボクシング] 辰吉の次男プロテスト合格

元世界王者辰吉丈一郎(44)の次男・寿以輝(じゅいき=18)がプロテスト(11月24日大阪IMPホール)に挑み1回KOで一発合格したというニュースを聞き、やはり蛙の子は蛙だなと思った。
 
その息子はなかなかのイケメンで、プロで活躍すれば父のように人気が出そう。子は親の背中を見て育つとはよく言ったものだ。どんなプロ選手に育つか興味は尽きない。
 
その父・丈一郎はまだ引退を拒み、いまだ現役に未練たっぷり、蝋燭の火が細々灯る。一茶に「我が魂は 常総の空を うろつくか」という句がある。ジョーの魂は、さながらリングの上空を彷徨(さまよう)。
 
日本ボクシング・コミッションは辰吉の「網膜裂孔」を理由にボクサーライセンスを発行していない。従って試合活動は不可能。それでも辰吉は、諦めないで現役続行に拘(こだわ)る。その執念、情念や鬼神の如しだ。 
 
  
ジョーの見果てぬ夢

栄光も名誉も、勿論お金も全て手に入れたはずなのに、まだやり残したことあるんですか、ジョーよ。忘れものは何ですか?
かつて秋山政司さん(元東洋、日本ライト級C19度防衛の名王者=報知新聞記者・故人)が私にこう言った。
 
「選手というものは、勝った試合より負けた試合の方が記憶に残るもんだ。
あと1センチ右に顏をずらせば、パンチは喰わずに負けなかった、今度やったら絶対に勝てる、とそんな思いにかられる。その1センチの誤差が実は反射神経や肉体の衰えなのだが、選手は自分が最高の時しか頭にないから、今度遣ればに拘る。現役を去って何年経ってもです。これがボクサーの悲しい性(さが)というものでしょうね。」
 
ジョーが完全燃焼しない訳は、そんなところにあるのかも知れない。辰吉の見果てぬ夢、そして息子・寿以輝のプロテスト合格に、なんだか親子の限りないロマンを感じ共鳴してしまう。ジョーよ、あなたはボクシングに殉死するつもりですか? 
 
  
[フィギュアスケート] 羽生結弦の不振の先に有るもの

NHK杯は村上大介がGPを制した。注目の羽生結弦は4位だった。4回転ジャンプはフリーの演技でも悉く失敗した。さもありんなん。中国杯での演技直前の練習で衝突流血のけがを負って、その後遺症がまだ残る。
 
北京と同様出場することに大分反対があったようだ。羽生には、東日本大震災の被災地のありようが、自身を強く揺り動かしているのだと思うから、それはそれでいい。「被災した方々を勇気付けたい」の彼の鋼のように強い信念。
 
彼の目標は来たるべき平昌(ピョンチャン=2018年2月9日開幕)での冬季五輪二連覇。私は、北京での負傷出場、また今回のNHK杯と散々だったが、この突然降りかかった不幸が彼を更に逞しいスケーターに育てる契機になるやも知れぬと密かに期待している。「艱難(かんなん)は汝を玉(ぎょく)にする」
 
 
[歯科] 歯磨きの歓び

本腰を入れ歯科医院に通っている。過去二回は歯石を取る治療。以前はあの歯を削る音が嫌で堪らなかったのに、いまは、あれは毒素を剥がしている音なのだ、と何故か快感に思える。
 
担当のT女医がこれまた丁寧で、恐縮する。「舟木さん、今日はこんなに歯石が取れました」と脱脂綿に黒い滓(かす)のようなものが点々とあるのを見せられ、ギョッとした。
 
多分赤ワインの渋の残滓だろうけど、我ながらこんなに溜めていたのかと猛省した。まだ歯石の除去は残っているが我が歯の苔が剥がれて、少しづつ清潔になり甦って行くようで嬉しい。 
 
  
歯の啓蒙運動

歯科医に行く度に小さい頃からチャンと磨いていればよかったのに、とつくづく思う。我家は田舎の商家で、母が一人で店を切り盛りしていて、子供の教育どころではなく、歯を磨きなさい、なんてそんなハイカラな小言いわれたことがない。自然児のまま育った訳である。これが今の虫歯の元凶。
 
歯の有難味を今頃になって身に沁みて、慌て、せめて残っている丈夫な歯を大事にしようと決意した。この年になって変だが、やっと歯磨きの歓びを知って、3度の食事の後は入念に磨くようになった。
 
先般はT先生に「よく磨いていますね、歯がピカピカです」とお褒め頂いた。おだてられると豚も木に登る、より一層励むようになる。まるで童(わらべ)と同じだ。最低7分は磨く癖が付いた。 
  
何とか自前の歯でいつまでも食事がしたい、この一心に尽きる。虫歯を作らないという啓蒙教育は、幼児時代に施さねばならない、とつくづく感じる。
 
「虫歯無き村」という東北の村があったが、さぞ老若男女健康であろう。医療費も少ないに違いない。歯は健康の源(みなもと)、国民全て見習うべし。「いつの時点においても人生の総得点は、昨日の積み重ねである」  
 
    
[今週の雑学講座]

「酔生夢死」(すいせいむし)の意味は
 
夢のような一生を空しく終わっていけない、ということ。 
顏之推(がんのすい=中国南北朝末期の儒者)はいった。「人間としてこの世に生まれてくるということは容易ことではない。人間として生まれてきたからには、何もせずに空しく一生を送ってはいけない」
(「貝原益軒処世訓」講談社 久須本文雄著より)
 
今週の推薦はやり歌

「雨の港町」キム・ヨンジャ(日本クラウン)
「うきよ川」長保有紀(日本クラウン)
 
銀杏の絨毯は豪勢なゴールド色!(11月30日、午前7時頃公園で)

 
 

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