「自分は、不器用ですから。」健さん死す/竹原慎二さん、癌と闘病中/他 | 舟木昭太郎の日々つれづれ

「自分は、不器用ですから。」健さん死す/竹原慎二さん、癌と闘病中/他

--------------------------------------------
■[哀悼] 「自分は、不器用ですから」健さん死す
 ~健さんと具志堅会長の出会い~
■[闘病] 竹原慎二さん、癌と闘病中
■[案内] リアル・ジャパンプロレス、他
■[俳句] 一茶、秋の三句
[今週の雑学講座] 
--------------------------------------------
  
[哀悼]「自分は、不器用ですから。」健さん死す

俳優高倉健さんが83年の生涯を閉じた。演技がどうというよりも、存在そのものがスターであった。石原裕次郎、三船敏郎と並ぶ戦後の巨星俳優の死で、日本の映画史はまた魅力を失った。
 
網走番外地シリーズ、あのかすれたようなメロディーがスクリーンに一度流れると、なぜか心がシンミリして切なくなったものだ。やくざと哀愁、人情を絡み合わせたストーリーは健さんにピッタリはまった。
 
わが愚妻は「高倉健さんの背中には何とも言えぬ孤独感が宿っていて、それだけで物語になる。」と言いおった。じゃ、オレはどうかといったら「あなたの背中はただのオヤジよ。」腹が立ったが、相手が健さんだから仕方がない。
  
23日21時からのNHK総合「高倉健という生き方」を見た。さすがNHK、寡黙な健さんを引っ張り出して、よくも100時間もインタビューしたものだ。そこに貫くものは、実直に歩いた人生の轍(わだち)があると実感した。生き様そのものが演技に投影され、あの得も言われぬ雰囲気があったのだと、得心した。
 
やくざ映画は新宿のオールナイト館でよく見た。あれは日本が高度成長期の、元気がある時分のものだった。日本が経済力を失うと共に、やくざ組織も萎え侠客もいなくなった。従って、やくざ映画は日本の縮図なのである。
 
健さんは、トレードマークのやくざ映画から見事に舵を切って、幸福の黄色いハンカチ、八甲田山、動乱、冬の華、ホタル、駅、鉄道員(ぽっぽや)など印象に残る名作を沢山残した。どの部分、どのカットを切り取っても健さんは1枚の絵になりました。喩えてジャン・ギャバンの渋み、寂寥感。
  
 
健さんと具志堅会長の出会い

最後にエピソードを一つ。具志堅用高会長が飛行機のなかで偶然健さんと一緒になった。具志堅会長が最前列に座っていたら、真後ろに高倉健さんが座っていた。
 
で具志堅会長「高倉さん、具志堅です。席を代わりましょうか」と申し出たそうな。長身の健さん、最前列はゆったりできる。具志堅会長の心遣いだ。
 
これに対して、健さんは丁重な礼をいって辞退、「ところでYさんは御元気ですか。」と尋ねられたという。Y氏は具志堅会長とS氏、私の共通の友人である。「吃驚したねえ、あそこでYさんのことが咄嗟に出て来るとは。気配りの人ですねえ。恰好よかったですよ。」
 
Y氏は熱烈な健さんファンで、健さんと交流がある。Y氏が還暦のときには、サイン入りのジャンパーを贈って貰い、一生の宝物ですと感激、御祝いの席でそれを着用した。健さん死亡の知らせにY氏から早速私宛にメールが届いた。
 
「しばらく喪に服します」とあった。落胆如何ばかりか。10日の新聞各紙は号外を出したり、夕刊1面トップで報じた。因みに「衆議院解散」はその横に申し訳ない程度に見出しがそっけなくあった。
 
自分は、不器用ですから…そのキャッチコピー通り武骨に生きた83年の生涯、残念ですが、見事な男の一生でした。沢山の心に残る映画を有難うございました。御冥福をお祈り致します。高倉健さんは永遠です。 
 
 
[闘病]竹原慎二さん、癌と闘病中

元世界ミドル級王者で現タレントの竹原慎二さん(42)がTBSテレビ「爆報!THEフライデー」に出演、自身が膀胱癌であることを告白した。竹原さんは去年から血尿が出て、検診の結果膀胱癌と判明。
 
当時を振り返って「痛くて、熱い痛みを感じた。おしっこが出ても痛かった。42歳でがんって頭の中が真っ白になった」という。心配した盟友の畑山隆則さん(元世界王者=竹原と共同でジム経営)が病院を捜しまわったという友情も。
 
入院して治療にあたり、その後リンパ節に転移が見つかった。相当悪化して抗癌剤の副作用で髪の毛が抜け落ち、絶望的になったそうだ。それも無事癌を摘出して現在は、順調に回復に向かっているという。
 
竹原さんは、日本人で初めてWBAミドル級世界王者になった人。カルロス(亜)を判定で下し王座を獲得した。あの奇跡を起こした試合のように、癌にも打ち克ってください。心よりお祈り申し上げます。 
 
  
[案内]リアル・ジャパンプロレス、他
 
リアル・ジャパンプロレス
 日時:12月5日(後楽園ホール)17:30開場/18:30試合開始
「貴闘力 炎の第二戦!」と銘打っての大会。[リアルジャパン軍vs大仁田軍団5対5全面対決]10人タッグマッチ60分1本勝負。果たしてどんな修羅場が見られるか。敵意を剥き出しにする大仁田と貴闘力の絡みは2014年の掉尾を飾るに相応しい。波乱必至!!

  
NKB日本キックボクシング連盟[生粋シリーズFINAL]
 日時:12月13日(土)17:00開場/17:30試合開始
 会場:後楽園ホール 
キックボクシング界で最古の歴史を誇る渡辺ジムの渡辺信久会長(連盟代表)が率いる今年のファイナル。「飾り気なし、倒すか、倒されるかの真剣勝負の醍醐味を是非味わってほしい」(代表)。メインはNBKミドル級タイトル戦、C村井崇裕(京都野口)VS1位田村聖(拳心館)。過激なスローガンで年5回興行、渡辺代表のサムライ精神が息づく試合。最後に花火が揚がるのこの団体のウリ。お問合せ/渡辺ジム03-3691-4536 注:ポスター小入る
 
   
◆18人の手作り本展「えとじもじとじてせいぼん2」
 日時:11/26(水)~12/7(日) OPEN12:00~CLOSE19:00
    ※月火休み、初日は16時から、最終日は17時迄。
 会場:銀座レトロギャラリー「MUSEE」
武蔵野美術大学の講師やOBなどが自作の絵や文章を自由に綴じた楽しい展示会。ユニークなプロレス本もある。
 
 
[俳句]一茶、秋の三句
 
秋の風 乞食は我を 見くらべる

秋の夜や 旅の男の 針仕事

焚くほどに 風が呉れたる 落葉かな
 
   
[今週の雑学講座]

「常在戦場」の真の意味
 
自民党の役員さまは、何かというと「常在戦場」バカの一つ覚えで唱えていますが、ドタバタ解散の低級な政治ごっこに使ってほしくないコトバです。
 
大辞林(三版)によると、それは「いつも戦場にいる気持ちで事にあたれ」という意味。山本五十六連合艦隊司令長官も「座右の銘」にしていた。また同じ越後長岡藩軍事総監河井継之助も同様だったといいます。長岡藩はこれを「藩訓」としていました。
   
晩秋の珍しい雲の群れ(22日、午前7時半頃)

 

DVD『カンムリワシ具志堅用高』 第1部&第2部
DVD『日本ボクシング不滅の激闘史』いずれも絶賛発売中!!
 
Upper Official Siteへ