元ボクサー袴田巌さん釈放~降参しなかったのは闘魂~/他 | 舟木昭太郎の日々つれづれ

元ボクサー袴田巌さん釈放~降参しなかったのは闘魂~/他

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■元ボクサー袴田巌さん釈放
 ~降参しなかったのは闘魂~
■サクラサイタ!
 ~上野公園の桜の物語~
■浅田真央は引退の潮時

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元ボクサー袴田巌さん釈放

 「無実の死刑囚」袴田巌氏(78)が再審に至り48年ぶりに釈放された。袴田さんが元ボクサー(不二ジム=フェザー級最高位6位、29戦16勝10敗3分け)ということで、日本プロボクシング界も長年支援してきた。よかった。
 
 若き頃、比国遠征に出た折のファイティングポーズの写真が新聞に載っていた。澄んだ目をした、それでいて精悍な表情、何とも凛々しい。こんな人が殺人を犯すなんて考えられない。
 
 事件は、1966年6月30日「こがね味噌」専務の自宅が放火され、焼跡から専務、妻、次女、長男の4人の他殺死体が見つかった。捜査の結果、当時「こがね味噌」で働いていた従業員で元プロボクサー袴田巌を強盗殺人、放火窃盗容疑で逮捕(同年8月18日)した。これが事件のアラマシ。
 
 
~降参しなかったのは闘魂~

 俗にいう袴田事件。司法は48年を経て、この事件を、捏造でっち上げとの結論を下し再審を命じた。恐ろしいことだ。無実の人がある日突然刑務所に連れて行かれる。他人事ではない、あなたも私も起こり得る。その結果強引に、何が何でも、犯人に仕立て上げられてしまう。
 
 拷問の毎日だったと、担当弁護士は伝える。よくぞ48年間も耐えてきた。3畳の独房でだ。孤独と死刑の恐怖と戦いながら。想像するに、袴田さんは、戦わずして降参することをよしとしなかったのだろう。それがボクサーの闘魂ではなかったのか。
 
 日本プロボクシング協会は、釈放された袴田さんに名誉ライセンスの授与、かつ後楽園ホールリングサイドに「袴田シート」設けて来場を待っているという。また、WBAでは名誉世界チャンピオンの称号を贈るという。これも獄中で戦い抜いた証。いい話だ。
 
 ギネスは「世界で最も長く収監された死刑囚」に認定した。明るいニュースが、桜の開花と共にやってきた。でも、失った歳月は戻らない。
 
 当時、袴田さんを逮捕した担当警察官が生きているなら、捕まえて刑務所にぶち込むべきだ。そうでもしないと袴田さんの無念は収まらないだろう。まさに我が肺腑をえぐるような事件である。


サクラサイタ!

 は~るよ、来い!と叫ぶ間もなく桜がジャンプして来た。さっそく初夏の陽気に誘われて、29日上野公園に出掛けた。故郷福島県鮫川出身の東京近郊に住む人の集いがあった。私は急遽参加を申し出た。当日は、天候がすこぶるよかったので、千載一遇のチャンスとばかりに。
  
 西郷さんの銅像に集合したあとで、仲間は三々五々散策した。強い日差しのなか大勢の見物客が次から次に波のように押し寄せた。上野の桜をじっくり見物するのは久しぶり。花見のあとは池の端のすし店で会食した。
 
 
~上野公園の桜の物語~

 「上野公園の桜が、綺麗なのは戦災で死んだ遺体が埋まっているからだよ」と聞いたことがある。まことしやかな話であるが、平和な蔭にそんな悲惨な歴史もあるやに聞く。桜の花には、刹那の哀愁、物語がある。だから愛おしい。
 
 見頃の桜も一たび激しい雨が降れば、あっというまに散り果てる。「世の中は三日見ぬ間の桜かな」であり、また、こんなうたも。「明日ありと思う心の仇桜,夜半に嵐が吹かぬものかわ」この句などは人生の無常をうたっていて、味わい深い。桜花とはかように人は、人生に重ね合わせる。
 
 それにしても、外国人が多いのには驚いた。外国人の笑顔に、平和日本の歓びを感じる。日本人も外国人もカメラでパチパチ、3分咲きの桜を愛でる。♪こんにちわ~、こんにちわ~、世界の国から~♪これって万博ソング?好いじゃないの倖せならば。外国人の皆さん、日本の春をどうぞ満喫して帰ってください。
 
 
浅田真央は引退の潮時

 フィギュアスケート浅田真央が世界選手権女子で3度目の優勝を果たした。有終の美といっていいであろう。その去就が取沙汰されている中、私はいまこそ引退の潮時と思うのだ。
 
 ソチでのフリー、あの完璧な舞えは夜叉の如き鬼気迫るものがあった。せめてショートプログラムでの失敗が無かったらと誰もが悔やんだ。しかしである、メダルこそ手に出来なかったが、浅田真央は、日本人の心に生涯忘れることのないモニュメントを残した。
 
 そして今回の世界選手権制覇、真央は完全燃焼して「浅田真央ストリー」は完結した。もうゆっくりお休み。大衆ほど気まぐれで無責任な者はいない。こののち現役を続け、成績が振るわなかったら一転してそっぽを向くのだ。そんなシーンを私は目にしたくない。
 
 万物は流転する。今を盛りのサクラもやがて失する。花道にいまが最も相応しいではないのか。新たな目標が見い出させないままなら、ましてやだ。花の命は短くて…選手寿命は短い。これを肝に命じなくてはならない。以上、老婆心切ながら、私の率直な感想である。
 
上野公園の桜(29日)

 
代々木公園で(31日)

  

 
大山公園で(31日)

 
夕刻の西原遊歩道の桜(31日) 

 
 

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