村田諒太に課題あり/御粗末なIBF・WBA世界戦の結末/他
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■村田諒太に課題あり
~村田には和の魂を~
~戦艦大和の危惧~
■御粗末なIBF/WBA世界戦の結末
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村田諒太に課題あり
村田諒太(三迫)のプロ2戦目(6日国技館 8回戦)は、課題を浮き彫りにした試合だった。さながら闘牛と闘牛士の戦いのような試合であった。村田が角を振るって突進する闘牛なら、相手のデーブ・ピーターソン(米)はさしづめ真紅のケープを操るマタドール(闘牛士)であった。
短調な攻めで突進を繰り返す村田、それに対して、デーブは右に左に攻撃をかわす。村田の足が止るやパンチを浴びせる。真正面から挑んでこない相手だけに村田のストレートも空を切る。そうやって虚しく回を重ね、7回が終わり、これは判定だと思ったら8回ガクンんと相手はスタミナが落ちた。村田はここぞとストレートを繰り出してTKO。最後の連打だけは見応えあり、やっと溜飲を下げたが、今回の試合は、最後善ければ、全て善しとはならない拙戦。
アナウンサー氏がやたらめったら"ロンドン五輪ゴールドメダリスト"と絶叫するもんだから、どんなに凄いボクサーなのかと、初めて試合を見る人は括目しただろうが、世界を見据えた村田の軌道修正は避けられないだろうと、私はみた。
攻めあぐんでしばし棒立ちになり、接近戦で為す術知らず、かの選手がハードパンチャーでなかったのが、幸いした。これってまさにマッチメークの勝利だよ。パンチの強い選手なら忽ちボディーブローから突き上げるアッパーをモロに喰らって大の字に倒れていただろう。そんな危うい場面も多々目にした。
初めてテレビを見た人は、なあんだ、村田ってこの程度の選手なのかよ、と落胆したことだろう。「BIG DREAM」(でっかい夢)なんて、トランクスのお尻にあったけど、私にいわせれば「世界取り」からは程遠い試合だった。
~村田には和の魂を~
ことミドルクラス、世界には強い選手がゴロゴロいる。ストレート打ちばかりの村田のロングレンジでの戦法は、サッカー選手がロングシュートだけで勝負するようなもの。細かいパス回しやドリブルで突破口を開く繋ぎの攻撃がない。そう村田の課題は、ショートレンジでの細かいパンチの連係、左右に動く柔軟なフットワークを身につけることだ。
その点はチーフコーチのイスマエル・サラス(キューバ人、タイで5人の世界王者を育てた実績を持つ、ミゲール・ディアスのトレーナでもある有名人)が今後しっかりと修正指導して行くだろうから、取りこし苦労かも知れないが、でもそう簡単には直りそうもない気がする。村田の体の硬さにも問題がある。
で、サラスコーチでも手を焼いた時は、輪島功一さん(元世界スーパーウェルター級王者=輪島ジム会長)に臨時コーチを依頼したらよい。輪島会長は俗にいうコンニャク戦法で3度王座に就いた人、不死鳥王者である。短いリーチ、短足のハンディをものともせず創意と工夫、努力で世界を極めた。村田はリーチ、体躯は申し分なしだが、相手をいかに崩すかの輪島戦法には学ぶべきことがあるはずだ。
~戦艦大和の危惧~
そうだ!困った時には輪島会長に指導を乞おう、洋式のコーチより時には和式だ。和の荒ぶる魂と技を注入するのだ。ついでに「カエル跳び」も伝授してもらう。恰好悪くてもいい。これから世界ランカーと対戦する上で、恰好よく勝つなんていうのは虫が良すぎる。茨道はまさにこれからなのです。強豪が前途に立ちはだかります。
いずれにしても村田は恵まれ過ぎている。所属は三迫ジム、プロモーター&マッチメークは帝拳で、トレーナーは世界のサラス、カットマン(出血を止める人)はその都度、米国から招聘、勤務は電通の子会社、そして放映はフジテレビのゴールデンタイム。
錚々たる村田連合艦隊である。はや世界チャンプ並みの陣容だが、この恵まれ過ぎる環境が諸刃の剣、大事にし過ぎて[宝]を損なうことになりかねない。戦艦大和にならなければと私は危惧している。
御粗末なIBF/WBA世界戦の結末
亀田大毅(IBF=C)×リボリオ・ソリス(WBA=C)のIBF/WBA世界S・フライ級王座統一戦ほどファンを愚弄した試合もない。試合内容からして、とても両団体を代表するチャンプ同士の対決からは程遠い。しかも前代未聞のトラブルのおまけ付き。それもまたまた、亀田家に纏わる。なんとまあ~またも亀田兄弟絡み、何処まで続く泥濘ぞ、である。
挙句12ラウンドが終わって、判定になると採点を発表するリングアナはしどろもどろで、中断したり、発表すれば2-1の判定でソリスの勝利。あれれ、ソリスは前日の軽量でウェートオーバーで失格じゃないのか?
視聴者は当然亀田の王座陥落と思いきや、翌日の新聞を見ると「亀田の防衛」なんじゃこりゃ。
IBFも日本コミッションもこれじゃ詐欺に等しい。何故計量が終わった時点で「明日の試合は、ソリスが例え勝っても契約ウェートオバーで無効となります。」とはっきり明言しなかったのか。私の推測だが、事実を公表すれば翌日の興行に支障をきたす、そんな思惑があったのかお知れない。
何はともあれ御粗末の一語。ただ今回は亀田大毅もある面、杜撰な運営の犠牲者だけれど、先の済州島での長男・興毅の防衛戦でも御承知のように判定を巡り紛糾した。亀田ファミリーには何故かトラブルが絶えない。亀田家は、もはや公共の電波を使う資格なし!
12月6日は元テレビ東京杉浦滋男アナウンサーの命日である。平成9年62才で亡くなった。私はキックボクシングの解説者として御世話になった。格闘技の分野では知る人ぞ知るアナウンサーであった。さぞや天国から昨今の日本のボクシングの現状を見て、さぞ嘆いていることだろう。
余談だけど「亀田(製菓)の切りもち揚げ」は、私大好きなんだけど。サクッとして、塩分も少ないし、これって亀田ファミリーには関係ないか。はやく大晦日の井岡一翔×ホセ・ロドリケス(メキシコ)の試合が見たい!
森閑とした師走の公園、夜明けのスキャットが聞こえる。


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■村田諒太に課題あり
~村田には和の魂を~
~戦艦大和の危惧~
■御粗末なIBF/WBA世界戦の結末
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村田諒太に課題あり
村田諒太(三迫)のプロ2戦目(6日国技館 8回戦)は、課題を浮き彫りにした試合だった。さながら闘牛と闘牛士の戦いのような試合であった。村田が角を振るって突進する闘牛なら、相手のデーブ・ピーターソン(米)はさしづめ真紅のケープを操るマタドール(闘牛士)であった。
短調な攻めで突進を繰り返す村田、それに対して、デーブは右に左に攻撃をかわす。村田の足が止るやパンチを浴びせる。真正面から挑んでこない相手だけに村田のストレートも空を切る。そうやって虚しく回を重ね、7回が終わり、これは判定だと思ったら8回ガクンんと相手はスタミナが落ちた。村田はここぞとストレートを繰り出してTKO。最後の連打だけは見応えあり、やっと溜飲を下げたが、今回の試合は、最後善ければ、全て善しとはならない拙戦。
アナウンサー氏がやたらめったら"ロンドン五輪ゴールドメダリスト"と絶叫するもんだから、どんなに凄いボクサーなのかと、初めて試合を見る人は括目しただろうが、世界を見据えた村田の軌道修正は避けられないだろうと、私はみた。
攻めあぐんでしばし棒立ちになり、接近戦で為す術知らず、かの選手がハードパンチャーでなかったのが、幸いした。これってまさにマッチメークの勝利だよ。パンチの強い選手なら忽ちボディーブローから突き上げるアッパーをモロに喰らって大の字に倒れていただろう。そんな危うい場面も多々目にした。
初めてテレビを見た人は、なあんだ、村田ってこの程度の選手なのかよ、と落胆したことだろう。「BIG DREAM」(でっかい夢)なんて、トランクスのお尻にあったけど、私にいわせれば「世界取り」からは程遠い試合だった。
~村田には和の魂を~
ことミドルクラス、世界には強い選手がゴロゴロいる。ストレート打ちばかりの村田のロングレンジでの戦法は、サッカー選手がロングシュートだけで勝負するようなもの。細かいパス回しやドリブルで突破口を開く繋ぎの攻撃がない。そう村田の課題は、ショートレンジでの細かいパンチの連係、左右に動く柔軟なフットワークを身につけることだ。
その点はチーフコーチのイスマエル・サラス(キューバ人、タイで5人の世界王者を育てた実績を持つ、ミゲール・ディアスのトレーナでもある有名人)が今後しっかりと修正指導して行くだろうから、取りこし苦労かも知れないが、でもそう簡単には直りそうもない気がする。村田の体の硬さにも問題がある。
で、サラスコーチでも手を焼いた時は、輪島功一さん(元世界スーパーウェルター級王者=輪島ジム会長)に臨時コーチを依頼したらよい。輪島会長は俗にいうコンニャク戦法で3度王座に就いた人、不死鳥王者である。短いリーチ、短足のハンディをものともせず創意と工夫、努力で世界を極めた。村田はリーチ、体躯は申し分なしだが、相手をいかに崩すかの輪島戦法には学ぶべきことがあるはずだ。
~戦艦大和の危惧~
そうだ!困った時には輪島会長に指導を乞おう、洋式のコーチより時には和式だ。和の荒ぶる魂と技を注入するのだ。ついでに「カエル跳び」も伝授してもらう。恰好悪くてもいい。これから世界ランカーと対戦する上で、恰好よく勝つなんていうのは虫が良すぎる。茨道はまさにこれからなのです。強豪が前途に立ちはだかります。
いずれにしても村田は恵まれ過ぎている。所属は三迫ジム、プロモーター&マッチメークは帝拳で、トレーナーは世界のサラス、カットマン(出血を止める人)はその都度、米国から招聘、勤務は電通の子会社、そして放映はフジテレビのゴールデンタイム。
錚々たる村田連合艦隊である。はや世界チャンプ並みの陣容だが、この恵まれ過ぎる環境が諸刃の剣、大事にし過ぎて[宝]を損なうことになりかねない。戦艦大和にならなければと私は危惧している。
御粗末なIBF/WBA世界戦の結末
亀田大毅(IBF=C)×リボリオ・ソリス(WBA=C)のIBF/WBA世界S・フライ級王座統一戦ほどファンを愚弄した試合もない。試合内容からして、とても両団体を代表するチャンプ同士の対決からは程遠い。しかも前代未聞のトラブルのおまけ付き。それもまたまた、亀田家に纏わる。なんとまあ~またも亀田兄弟絡み、何処まで続く泥濘ぞ、である。
挙句12ラウンドが終わって、判定になると採点を発表するリングアナはしどろもどろで、中断したり、発表すれば2-1の判定でソリスの勝利。あれれ、ソリスは前日の軽量でウェートオーバーで失格じゃないのか?
視聴者は当然亀田の王座陥落と思いきや、翌日の新聞を見ると「亀田の防衛」なんじゃこりゃ。
IBFも日本コミッションもこれじゃ詐欺に等しい。何故計量が終わった時点で「明日の試合は、ソリスが例え勝っても契約ウェートオバーで無効となります。」とはっきり明言しなかったのか。私の推測だが、事実を公表すれば翌日の興行に支障をきたす、そんな思惑があったのかお知れない。
何はともあれ御粗末の一語。ただ今回は亀田大毅もある面、杜撰な運営の犠牲者だけれど、先の済州島での長男・興毅の防衛戦でも御承知のように判定を巡り紛糾した。亀田ファミリーには何故かトラブルが絶えない。亀田家は、もはや公共の電波を使う資格なし!
12月6日は元テレビ東京杉浦滋男アナウンサーの命日である。平成9年62才で亡くなった。私はキックボクシングの解説者として御世話になった。格闘技の分野では知る人ぞ知るアナウンサーであった。さぞや天国から昨今の日本のボクシングの現状を見て、さぞ嘆いていることだろう。
余談だけど「亀田(製菓)の切りもち揚げ」は、私大好きなんだけど。サクッとして、塩分も少ないし、これって亀田ファミリーには関係ないか。はやく大晦日の井岡一翔×ホセ・ロドリケス(メキシコ)の試合が見たい!
森閑とした師走の公園、夜明けのスキャットが聞こえる。


DVD『カンムリワシ具志堅用高』 第1部&第2部
DVD『日本ボクシング不滅の激闘史』いずれも絶賛発売中!!
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