プロレスライター菊池孝さんの死/有明に2日間通う『WARU~下剋上~』/ムエタイ/他
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・有明に2日間通う
~『WARU~下剋上~』~
~盛り上がる日・タイ戦~
・プロレスライター菊池孝さんの死
~或る夏の夜、焼き肉店で~
~馬場ちゃんと呼ぶ唯一人の記者~
・読書に難渋してます
~石田衣良の小説は面白い~
~ノンフィクションは佐野眞一~
・「最強のふたり」に満足
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有明に2日間通う ~『WARU~下剋上~』~
8,9の両日、ディファ有明に通った。8日は『WARU~下剋上~』という新たに生まれた格闘技。故真樹日佐夫さんの代表作「ワル」を地で行くような試合内容で、何とも評価を下しようがない。ズバリ成人指定格闘技。
暴走族や喧嘩を堂々と売り物にして、選手が登場します!のイントロは映画「仁義なき戦い」のテーマ曲、演出の狙いは完全なアンダーグラウンド・テイスト。
ファイトは例の総合格闘技で着用する5本指のオープンフィガーズグローブ、つまり相手を倒して殴ってもよい。頭突きも許される。まあ、なんでもありのルール、リング下にいるアナも、試合中激しく選手を煽る。「こら、もっとやらんかえ~」…ドスの効いたハッパで叱咤する。でも選手の怪我には最大限注意を払ってくださいな。御健闘お祈りします。
~盛り上がる日・タイ戦~
9日はM-1(ムエタイチャレンジ)で観戦するのは二度目。いつもながら完全な本場タイの雰囲気が充満して、狭い会場は超満員。日曜の午後だというに若いファンで熱気溢れる。
午前11時から試合が行われているそうで、第1部が子供やキャリアの浅い選手たちのアマのヤングファイト。5時過ぎからプロ部で今日は日・タイ5対5マッチがあり大いに盛り上がった。日本人同士の小川翔×稲葉竜太戦など好ファイトが見られた。
試合中はタイ音楽が流れるムエタイスタイル。日本人に受入らたとみえて場違いな感じもしない。それだけ日本人気質ももグローバルになったという証か。試合内容も技が多彩で、スタミナもありレベルは高い。テレビがないのに、選手は鍛えられている。キックは死なず…キックもんの私としては、嬉しい限り。
有明も湘南新宿ラインに乗れば新宿から25分位で到着。何とも便利になったもので、散歩気分で2日間通った。夏を惜しむかのような有明の雲も、心に沁みた。海風が何とも心地よかった。
プロレスライター菊池孝さんの死
プロレス評論家菊池孝さんが1日、誤嚥(ごえん)性肺炎のため死去された。享年79才。半世紀に亘ってプロレスを書き綴ってきた。葬式は密葬
で済ましたという。焼香に行きたかった。故人の意思なのかも知れない。
竹内宏介氏の葬儀で弔辞を読んだ、菊池さんの最後の姿がまだ鮮明に残る。「竹ちゃん、どうしてオレよりはやく行ってしまったの」と哀切極まりない一語一句が甦る。あれは長年の盟友を失った肚からの悲しみであったに違いない。あの日から僅か4カ月後の逝去である。
菊池さんとは強烈な思い出がある。私がゴング編集部に入ったばかりの頃だった。仕事を終えて帰ろうとしたところ、竹内宏介編集長が、これから新宿に菊池さんの原稿をもらいに行くけど、舟木さんも一緒に行かないと誘われた。多分先輩の加賀屋さんもいたと思う。
~或る夏の夜、焼き肉店で~
時計は既に午前0時を回っていた。多分に菊池さんとの親しい時間を持たせてやりたいという、配慮からだったのだろ。タクシーが止まったのが新宿三丁目の焼き肉店前。真夏で夜なお蒸し暑かった。
菊池さんは大ジョッキを手に焼き肉を盛んに食べていた。我々が煙が充満する店内に入るや、竹ちゃーんこっちと手で招いた。一緒に食べない?竹ちゃんはコーラだろう、お宅はビールだね。当時私は下戸だったが、ハイと言ってしまった。かくて深夜の宴は夜明けまで続いた。
凄まじい食欲に、これがリアルな菊池さんの姿かと圧倒された。後で竹さんに伺ったら、いつも原稿を仕上げると定番コースだという。喋り、飲み、食う、ジャーナリストらしからぬ豪放磊落な人柄をあの夜眼の当りにした。文章のほうはペンで綺麗に清書されており、その落差、繊細には驚いたものである。
~馬場ちゃんと呼ぶ唯一人の記者~
もう一つ驚いたことは、ジャイアント馬場さんを「馬場ちゃん」と呼ぶ唯一人の記者だったこと。或るとき試合後の控室を覗いたら、菊池さんが馬場に質問していた。ところで馬場ちゃん、と言った。私は吃驚した。御大馬場に「ちゃん」付けだ。よほど信頼が厚い仲だったのだろう。菊池さんとはそういう人だった。
今頃、天国の馬場さん、竹さん、菊池さんとプロレス談義に花を咲かせていることだろう。昭和の薫りがするプロレスライターがまた一人此の世から去った。昭和は遠くなりにけりだ。御冥福をお祈り致します。
読書に難渋してます
老いるということは辛いことである。長時間読書が出来なくなった。30分もしたら眼が痛くなる。特に左目は会社勤めをしていた頃の40代に、ヘルペスを瞼の上に発症したのが原因で、最近ひどく疲れ難渋している。
仕方がないので眼にアイスを当てたり、目薬を点眼してしばし休憩し、また再開する。情けないものだ。若い時にもっと読書をしておけばよかったと思うが、後の祭りとはこのことだ。愚息は小学時代から図書館通いをしていたというのに。
図書館は徒歩で6~7分の処にあり散歩代わりに出掛ける。行くとあれも読みたいこれも読みたいで、無数の星座のごとき本が書棚に並ぶ。恨めしい。精々1週間に単行本2冊しか読了できない。だから最近は1冊はシリアスなもの、1冊は娯楽的なものを選ぶ。
~石田衣良の小説は面白い~
後者の方では断然石田衣良の小説が面白い。寝る前ベットで読むには最適で、とてもテレビなんて見る気が起こらない。一連の池袋ウエストゲートパークものを初め、赤と黒、夜の桃、明日のマーチ、それに最近読了した、リバース。どれをとっても外れがない。
彼の作品は、一言で表現するとオシャレ、文体も滑らか、とても読み易い、語彙が豊富で音楽(クラッシックからジャズまで)を熟知している。フアッションにも造詣があり、そうした知識が物語に彩りを施している。物語の筋もシンプルで明解、どれも洒落た終わり方をするのが好きだ。
遊んでいるときなど、もう帰って本を読もうと我に還る。ノンフイクションなら断然佐野眞一さんである。「あんぽん」はまだ読んでいないけど、東電OL殺人事件、旅する巨人・宮本常一と澁澤敬三、阿片王・満州の夜と霧、甘粕正彦・乱心の曠野…佐野さんの作品は、筆者と取材を共にしているような気分になれる、そんな至福の臨場感をタップリ味わえる。
~ノンフィクションは佐野眞一~
ノンフイクション作家を目指す人は、佐野眞一さんをモデリングすといい。「私の体験的ノンフィクション術」(集英社新書)は最高のその虎の巻だろう。最後に付け加えておきます。
女優高峰秀子は大変な読書家であり、作家だったが、ホテルのコーヒーラウンジなどで屯する御婦人方を見て作家斉藤明美さん(養女)にいったという。「早く帰って読書でもしなさいよ」…高峰さん、カッコいいね。
高倉健さんの恰好よさ
NHK総合「大人の流儀」でタップリ1時間半、プライベートな高倉健さんを拝見、改めてその恰好よさを確認致しました。でもまあ、NHKはよくも人前に出る事を嫌う大スタアの健さんに、あれ程の密着取材ができたよね、と関心致しました。人間高倉健をストレートに伝える極上の番組でした。健さんの心の豊穣さを感じました。
行きつけの理髪店には、健さん専用の個室がある事も初めて知りました。いま81才、身長180㌢体重67㌔。体重は何十年も変わらずという。これは日常の節制の賜物であろう。健全な身体に、健全な精神が宿るという。かくあればこその名演技と納得。私など身長168㌢しかないのに、体重は72㌔をウロウロ、酒は飲むし食べるわ、趣味はカラオケ、これって論外?
食事シーンまで公開していたので、どんなものを召上っているのだろうと興味津々で見守った。それは至ってシンプルな食事で、酒も煙草も遣らず、大のコーヒー党。オーソン・ウェルズ(米俳優)が何故か頭を過る。静の中に動あり、動の中に静あり、どちらも存在そのものが役者である。
長崎平戸の撮影現場では、撮影の合間に住民と気さくに歓談したり、写真に収まったりと、意外な一面を覗いた。てっきり普段は彫刻のような人かと想像していたから、健さんに一段と親近感が湧きました。
で高倉健というひとは、ストレスの解消をどう克服しているのだろうと常々不思議に思っていたのですが、散歩や散髪屋にある専用の個室へ毎日出掛け、そこで音楽を聴いたり、読書したり気ままに過ごすのだという。
環境の違った、己の好きな場所で寛ぐことで、リフレッシュするという訳ですよ。散髪屋に個室ですよ、流石大スターです、これで得心。「静かに行く者は 健やかに行く 健やかに行く者は 遠くまで行く」この格言こそ健さんにぴったりです。どうぞ御自愛なさって、これからも御活躍ください。愚妻と早速公開中の「あなたへ」を見に行きます。
「最強のふたり」に満足
脊髄損傷で下半身不随の大富豪フィリプッス(F・クリュゼ)と貧しい黒人介護人ドリス(O・シー)の交流を描いたコミカルな作品(2011年フランス映画)は、私のお勧めです。
特に気に入ったのがが介護人役のオニール・シーです。ときにこんな適役の俳優いるんですね、彼のために作られたような映画です。とにかく笑って涙して、十分堪能しました。ビバ、シネマ!
映画って本当にいいですね。
それじゃ、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。またお会いしましょうね。
M-1試合、小川翔×稲葉竜太は小川の判定勝ち好試合でした。



