【マイク・ベルナルド哀悼記】~群雄割拠の時代~、~神に召されて虚空になった~、他 | 舟木昭太郎の日々つれづれ

【マイク・ベルナルド哀悼記】~群雄割拠の時代~、~神に召されて虚空になった~、他

・マイク・ベルナルド哀悼記
 ~群雄割拠の時代~
 ~神に召されて虚空になった~
・W.ヒューストンの急逝
・音楽と読書
  

舟木昭太郎の日々つれづれ

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マイク・ベルナルド哀悼記
 
 マイク・ベルナルド(南ア)の死亡を15日に知った。突然の情報に驚愕した。41歳だというではないか。若すぎる。アンディ・フグの死を思い起こさせる。フグは35歳で白血病で亡くなっている。
 
 私は’95年K-1GRANDPRIXで初来日したときのマイクを思い出した。開幕戦で優勝候補のアンディ・フグを3RTKOしたあのシーン。K-1にニューヒーロー誕生の瞬間を。スキンヘッドの破壊者は、当時鳴り物入りのスタン・ザ・マンもをKOして、ベスト4まで駆け上がりK-1を震撼させた。
 
 同時期ジェロム・レ・バンナも衝撃的なデビューだった。このバンナとマイクが準決勝戦で、激闘したのだからたまらない。強烈な個性を持つ二人の戦いは、まさに肉を切らして骨を断つの白兵戦で、K-1の神髄を味わった気がした。
 
 勝ったのは蹴り技に一日の長があるバンナ。荒れ狂う猪の如く突進するマイクに、ローキックをヒットして2R3分KOしたが、両選手の果敢なファイトには、勝敗を超えた極上の風味が残った。
 
  
~群雄割拠の時代~
 
 アンディ、佐竹、ホーネスト、アーツ、ミルコそしてバンナ、ベルナルド…振り返れば錦絵のように豪奢極まりない男たちの戦場だった。K-1を創始した石井館長も、次々にニューヒーローが誕生して法外な美酒に酔ったことだろう。昇竜の勢いとは当時のK-1そのものだ。
 
 さてマイクに話を戻そう。彼は元々が国際式(ボクシング)の出身であるために、パンチの切れは他の追随を許さなかった。’96年には得意の豪打で、あのK-1の帝王アーツに3連勝(1反則を含む)を飾っている。
 
 彗星のように現れたマイクの存在は確かに注目をあつめたが、この頃は、群雄割拠のど真ん中。我こそは戦国の覇者、最強であると誰もが咆哮していた。一騎当千の強者共が鎬を削る時代であった。
 
 そんなわけでマイクのファイテング・スタイルはやがて、蹴りの標的となる。ボクサー出身の宿命で、パンチに頼る短調な戦法は戦いを重ねるうちに通用しなくなった。キックでもK-1でもボクサー出身は王座を手に入れることはできない、それがジンクス。
 
  
~神に召されて虚空になった~
 
 マイクの全盛はほぼ’00年までと思われる。’99年にGP開幕戦でミルコに1RKO負けしたが、’00年GP福岡では1RKOでリベンジしているが。その後は、ワットに1RKO(’01年)されたりレイ・セフォー(’02年GP)に判定敗、グッドリッジにも同年のラスベガスで1RTKOを食った。
 
 さらに同型のハントにも敗れて、もはやベルナルドの時代ではないこと私は感じた。’04年ジャパンGPでは無名の富平辰文にハイキックを食って1RKO敗、凋落の一途を辿り、遂に2006年引退。
 
 無冠の帝王と呼ばれ、一度もK-1GRANDPRIXの栄冠に輝くことはなかったマイク・ベルナルドだが、K-1の戦場を颯爽と駆け抜けた数々の戦闘は我が脳裡から離れるものではない。天晴れな荒武者振りであった。
  
 近年は鬱病に悩んでいたとは風の便り。敬虔なクリスチャンでもあるマイクは、神に召され天国に旅立った。彼は虚空となって大空をわたりK-1の再興をアンディ・フグと共に願っているはずだ…。アーメン。
 
 
W.ヒューストンの急逝
 
 アメリカのシンガー、ホイットニー・ヒューストンさんが11日急逝した。享年48歳、こちらも若く、その突然死は惜しまれる。私にとって彼女が最も印象深いのは、’91年第25回スーパーボウルで、アメリカ合衆国国歌を斉唱したシーン。
 
 改めてYOUTUBEで見ると涙が止まらない。スタジアムを埋め尽くした大観衆を圧倒した。恰もモーゼが海を真っ二つに裂いたように、彼女の歌には他にない、鋭い剃刀の切れ味の響きを含んでいる。そう、大空さえも割ってしまいそうな。聴く者のハートを射ぬくのは、正しくその声の響きにある。
 
 このとき唄った国歌は、10年後の同時多発テロの際にチャリティー盤としてリメイクして売り出された。ヒューストンについて私は、齧った程度で余り詳しくないが、改めてその透き通るよう声に痺れる。
 
 "All at once"などはいいな。ケビン・コスナーと共演した「ボディー・ガード」はDVDを探して見よう。親日家で10回も来日していて、昆布が入ったおにぎりが好きだったそうな。ネットに出ていた。
 

  
音楽と読書
 
 私の小さなポータブルプレーヤーには彼女の"All at once"が収めらられた。これを聴きながら、ご冥福を祈ろう。彼女以外では、私の大好きなダイアナ・ロスの「If we hold on together」も入っていて、早朝のウォーキングの折に欠かさず聴いて、幸せな気分に浸っている。
 
 読書と音楽は両立する。すこぶる相性がいい。音さえ大きくしなければ。先週読了したジェフリー・アーチャーの「大統領には知らせますか?」には夢中になった。大統領暗殺を狙う、しゃれたミステリー小説、アーチャーにハマりそうだ。いや、もうそうなっている。
 
 今週は「物語ユダヤ人の歴史」(R・シェンドリン著)「もう一つの風塵杪」(司馬遼太郎×福島靖夫往復書簡)「お神酒徳利」(山本一力著)「十四の嘘と真実」(J・アーチャー著)を読む。いずれも図書館で借りたものである。
 
 その合間に、芥川龍之介全集もコツコツ小さな字を追って読んでいる。私の読書はスクランブル交差点のような乱読。次々に交代していく読み方で、途中からでも話の筋は分かる。だから心配ない。無上の幸せ。

 

台所の窓際に咲く花、すみれの一種だろうか。
葉っぱを土の上に置くだけで根付きどんどん増えていく。
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咲き終わった花を、根気よく1年かけて妻が育てたシクラメン。
W・ヒューストンに捧げる。
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