表参道の「ねぶた」イベントに一言/「格闘技通信」発行中止の報に残念 | 舟木昭太郎の日々つれづれ

表参道の「ねぶた」イベントに一言/「格闘技通信」発行中止の報に残念

『表参道の「ねぶた」イベントに一言』
 23日(土)は表参道に「ねぶた」が来た。先輩の加賀屋さんと見に出かけた。原宿から明治通りまでのわずかな距離をねぶたは行き来した。跳人(はねと)が先導して、その後ろを勇壮な”出し”が大太鼓を従えてやってくる。まさに地響きの如き太鼓の音は、腸(はら)にズシンとくる迫力だった。初めてナマで観るねぶたは想像を超える巨大さで、圧倒された。

 
 今回のイベントは今年12月に東北新幹線が青森まで延長されるPRで、出し本体も一つだけだったが本番は何台も練り歩く。さぞよや勇壮、雄大だろうなと心馳せる。別な地点で観たという家内も、是非青森に行って見たい、とぞっこんだった。

 
 それにしても当日に警備はお粗末で一歩間違えば大惨事に繋がりかねないものだった。明治通りの交通整理も中途半端。お巡りさんも少なく、神宮前の交差点辺りは大群衆で収拾つかないありさま。危ないぞ!おすなぁ!と怒号が乱れ飛ぶ。

 
 私も原宿の家内がいる方向に歩いて行くと、人波みにもまれ倒されかけた。ふと花火見物で橋が折れて、大勢の死者を出した惨事が頭をよぎった。恐らくこれほどの人出を主催者は予期してはいなかったのではないか。特に老人が目立ったこの夜は危機一髪だった。イベントの在り方、警備の方法をもっと慎重であって欲しいと願う。人命に関わる問題という意識を持って。
 
 23日は家内の姉の誕生日で、代々木上原の「一新」に招待した。4人掛けテーブルが3卓ほどのこじんまりした和食の料理店で、知る人ぞ知る名店。確かな味を提供する主人に私はかねがね尊敬申し上げている。

 
 ここ2年ほど行っていないが、久々に行ってみて旨さを再認識した。最初に出てきたのは、くわい、カラスミなど(写真)口に優しい料理が一皿に盛られている。所謂前菜だが、ここにご飯が付く。三口ほどの量でその味は微かに塩と甘みが含んだバランスは、絶妙だ。まずお銚子を注文したが、酒の肴にスムーズにマッチして腹に心地よい。家内はビールから冷酒に変えて、ピッチも上がる。私も冷酒にしたが、最初の一皿が腹に優しく納まりお酒が旨い。料理は焼き物、御吸い物、そして最後にタイ茶漬で決める。贅沢な一品で、満足の一夜だった。プロの磨き抜かれた技を感じた。
 近所にこんな美味しい料理を提供してくれるお店があることは、誇りである。因みに標準的なコースで1人8,000円也。
 
  
『「格闘技通信」発行中止の報に残念』
 ボクシング・ビート2月号とゴング格闘技3月号が相次いで送られて来た。いつもながら質が高くどの頁も見逃せない。ボクシング・ビートは巻頭特集が「これぞ必殺拳」。V10を達成した長谷川はいかにして倒し屋に変身したのか、興味深い内容で読ませる。更に西岡利晃をからませ、かつ古今東西のKOアーチストに迫る。ビートはこうした味のある構成、グラフ&読み物に優れている。
 編集長が若い島篤史さんに代わった。前田衷さんの後継となる。偉大なる先輩の後だが、焦らず腐らず一歩一歩、前に進んで欲しい。頑張って下さい。
 
 ゴン格は恒例のインタビュー特集。数えて11回、私が在籍した時にスタートした。よくぞ続いている。スタッフの努力に敬意を表する。「がんばれ!格闘技。」と題して120人+インタビューは、今回は特にヴォリュームたっぷり。940円で格闘技の現在の情報、動向が分かる…まさに百科事典のようなもの。中身が年々、重厚になっていることを感じ取れる。素晴らしいことだ。格闘技ファンの方是非手購読してください。
 

 「格闘技通信」が2月23日発売の4月号をもって定期発行を中止する、という。ゴン格より1年先行して常にリードして来たライバル誌が、幕を下ろすことは誠に残念だ。ゴン格は先輩誌に追いつき追い越せを旗印に切磋琢磨して来た。
 振り返れば初代杉山、二代目谷川、三代目三次各編集長は卓越した才能の持ち主として格闘技誌に君臨してきた。彼等は、私にとってのよきライバルであり、よき先生でもあった。
 輝かしい歴史を刻んできた「格通」が発行中止に至ったことは返す返すも残念。いつの日か再び蘇らんことを祈りたい。
 同時にゴン格はライバル誌の中止を喜んではならない。明日は我が身、ということを肝に銘じてより奮起してもらいたい。



表参道を練り歩く「ねぶた」
舟木昭太郎の日々つれづれ

代々木上原にある「一新」
舟木昭太郎の日々つれづれ


最初の一品。カラスミ、くわい、にこごり蛸など

舟木昭太郎の日々つれづれ


 

『日本ボクシング不滅の激闘史』絶賛発売中!!

Upper Official Siteへ