K-1MAX優勝に魔裟斗の真骨頂を見た。苦戦したのは冷静さを欠いたこと | 舟木昭太郎の日々つれづれ

K-1MAX優勝に魔裟斗の真骨頂を見た。苦戦したのは冷静さを欠いたこと

 K-1WORLDMAX決勝戦は、魔裟斗が勝った。ドラマチックな5年振りの世界王座奪還。「魔裟斗による、魔裟斗のためのK-1」を改めて痛感した、ファイナルであった。 
 準決勝、対佐藤嘉洋戦。判定は妥当だ。3R魔裟斗はダウンを取られたが、その後は魔裟斗が猛反撃して挽回している。然るにポイント差1。1Rイーブン、2R魔裟斗が取った。これで引き分け、私の採点でも同じ。騒ぐ必要はない。ただし判定のコールが遅すぎる。サラリと事務的にやってよい。クイズ番組みたいに、効果を狙うような”間”を取り過ぎたから、スコアを改竄したのではと、あらぬ疑いを着せられる。
 競技の結果発表は厳正なものである。正確に速やかにアナウンスするだけでよい。
 延長に入ってやっと魔裟斗らしく、上下のパンチを、ボディから顔面に打ち分けて辛くも決勝に進出できた。私は魔裟斗が楽に勝てると思った。やはり精神的なものだと。試合前の佐藤の挑発に完全に乗せらてしまい、吾を見失っていた。勝負事に冷静さを欠くと判断を誤る。
 身長もあり、リーチが長く、膝蹴りがある佐藤を「倒すこと」ばかりに夢中になって、直線的な単調な攻撃に終始した。そこに落とし穴があった。魔裟斗本来の滑らかな知的攻撃は見られず、蛮勇だけが躍った。
 正に冷静さを欠いた感情的キック。突進して来る敵に対し、カウンターで膝をボディーに、ストレートを顔面へ、佐藤は的確に合せて前進を阻んだ。パンチには“膝”が最大の武器―佐藤を魔裟斗は侮ったようである。
 魔裟斗の拙攻が苦戦を招いたのだ。魔裟斗がもっと左右に揺さぶりを掛け、コンビネーション攻撃をしていたら地獄を見ずに済んだはず。とはいってもダウンからの覚醒は流石に早く、阿修羅の如き見事な逆襲に結びつけた。彼の真骨頂を見た。
 プアカーオを倒し、魔裟斗と互角に戦えたことで、佐藤も次への大きな手がかりを掴んだはず。天性の膝蹴りを切り札として活かすためには、それ以外の技を磨いて欲しい。なによりも逞しいアタッカーに脱皮して欲しい。そうすれば華も実もあるスケールのデカイ選手になれよう。”天を衝く膝蹴り”ディーゼルノイのような選手を目指して欲しいものだ。期待しているよ。
 魔裟斗は決勝戦のキシェンコにも、2Rパンチでダウンをとられ、結局延長戦で判定勝ち。ここでも不退転の粘りと反撃で逆転。2試合とも波乱万丈の凄絶な闘いは、格闘技の醍醐味を味あわせてくれた。
 K-1MAXはいいね。スピード、スリル、サスペンス…3S一体。まさにマッハのスポーツだ!!


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