柔道21才の石井慧に期待する 井上康生の1本に拘る美学 | 舟木昭太郎の日々つれづれ

柔道21才の石井慧に期待する 井上康生の1本に拘る美学

 男子の北京五輪代表を決める柔道全日本選手権大会は、注目の100㌔超級は21才の石井慧(国士大)が決勝で鈴木桂を優勢で破り代表の座を仕留めた。誰よりも稽古熱心だと聞く、山下泰裕さんのようなスケールの大きな柔道家になってもらいたい。それには北京で金を取ることだ。
 井上康生は準々決勝で高井洋平に敗れた。果敢に攻め立てたが残り10秒、仕掛けた内またをすかされ、抑え込まれた。
 井上らしく最後まで1本に拘った。さわやかに散った。長い間日本の柔道を引っ張ってきた。今後は英国に渡り指導者の勉強に励むという。ご苦労さん、そして、期待しています。
 あ、そう井上の最後に仕掛けた、乾坤一擲の内またを見て思い出した。井上自身は決まったと確信した・・・のではないか。かつて、秋山政司さん(元プロボクシング・東洋ライト級名王者=報知新聞、故人)が私に言ったことがある。
 「全盛期の頃は、相手のパンチが目の前1㌢のところでかわせたよ。でも、体が衰えると反応が鈍くなり10㌢でもかわせなくなる。それでも全盛期の頃の1㌢の味が忘れられなくて、打ち合うんだ。その結果無残にもKO負け。あの時出来たのに「どうしてできないんだろう?」って、まだ全盛期の夢を追っているんです。肉体が衰えているのに。」
 戦う者は最高の一瞬を追い続け、やがてその一瞬に敗れて現役を去る。


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