小比類巻の敗戦は心構えの問題だ | 舟木昭太郎の日々つれづれ

小比類巻の敗戦は心構えの問題だ

 日本ボクシング協会の会長選挙に立候補していた輪島功一氏、東日本協会の会長選挙に立候補していた具志堅用高氏が、共に立候補を取止めた。
 取止めた理由について輪島氏は「ここで争って、ボクシング協会を割るわけにはいかない。引くも勇気だ」と語り、一方の具志堅氏も「今回は準備不足だった……大橋君にはがんばってもらいたい」と。これにより、日本協会は、原田政彦氏(ファイテング原田)の続投、東日本協会は、大橋秀行氏の新会長就任が決定的となった。
 以前にも述べたが、お二人の辞退によって無益な抗争に発展しなくて良かったと思う。ボクシング業界が、二つ分かれて争う事態はこれで避けられた。ときに、大人の解決も必要だ。ボクシング業界は、それでなくとも低迷している。力を合わせて発展に尽くしてもらいたいもの。
 K-1WORLD MAX2007日本代表決定トーナメントは、小比類巻が、キックを始めてわずか1年足らずのアンディ・オロゴンに延長戦の末、ダウンを奪われて敗れた。怪我を負っていたにしろ、なんとも情けない話だ。技術云々ではない。小比類巻に問われているのは、勝負に対する姿勢、心構えなのです。かつて君が、黒崎道場の門を叩いたときに黒崎師範は、来る日も来る日もただサンドバックを蹴らした。あれはなんだったのか、今一度思いおこして欲しい。ひた向き、我慢……そんな思いが黒崎師範にはあったのだと私は解釈する。
 そういえば、「拝啓、父上様」のドラマ中で、新米の板前見習えが、鍋を磨く場面が出てくる。「見習えは、鍋をピカピカに磨いて一人前になる」と親方がいう。因みにその鍋は、幾ら磨いても黒いままのシロモノ。それを毎日やらされる。板前になる道も、キックの道も、道は同じだ。つまり小比類巻よ、心の問題なのだ。

「目標に何処まで集中できるか、その執念が才能である」――黒崎健時