「泣きながら生きて」に感動しました | 舟木昭太郎の日々つれづれ

「泣きながら生きて」に感動しました

 「泣きながら生きて」(フジテレビ系/11月3日放送)を貴方は見ましたか……文字通り私は泣きながら見ました。秀逸でした。作り手の情熱が伝わるような、渾身の作品でした。ビデオを取り忘れたので早い機会に再放送してもらいたいものです。
 物語は平成元年から始まる。中国人男性Tさんは、文化大革命に翻弄されながら、仕事を求めて日本へやってきた。多額の借金を背負って。最初は北海道の日本語学校に入学したが、働き口を求めて東京へ。そして、やがて不法滞在者の身となり、塗炭の苦しみを味わいながらも、心死で働き、上海で待つ妻と娘に仕送りを続ける。時を経て、妻と娘に感動の再会。上海、日本、米国と別れ別れになった家族を10年の歳月をかけて追いかけた入魂のドキュメンタリーだ。Tさんの生き様は涙を誘わずには置かない。
 夫婦愛、家族愛、志(こころざし)、忍耐……日本人が遠い昔に失ってしまったような精神が、丁さんを通して垣間見えるのだ。グチ一つこぼすことなく、黙々と運命を甘受して生きる姿は、どうしようもなくやるせない。離日の際、機内で日本に向かって、手を何度も合せるシーンは、特に印象深い。
 TVは捨てたもんじゃない――いいものを創ろうとすれば、こんなにも重厚な映像もできる。10年の間、この一家を追い続けたスタッフに改めて、拍手を送ります。フジテレビは、スマップや吉本ばかりと思っていたのに、こういう優れた作品を放送するとは見直した。