KIDの「真空跳びヒザ蹴り」に驚いた! | 舟木昭太郎の日々つれづれ

KIDの「真空跳びヒザ蹴り」に驚いた!

 黄金週間の一連の格闘技大会は、それぞれ趣が違って、満足したけど、一番印象に残ったのはやはり山本KID徳郁の跳びヒザ蹴り。宮田和幸を、正に秒殺に斬って落とした。鎧袖一触とは、あのようなシーンのためにある言葉だ。かつて“キックの鬼”沢村忠というキックボクシングのスーパースターがいた。彼の十八番、伝家の宝刀が俗にいう「真空跳びヒザ蹴り」。しかし沢村の場合は、相手をさんざん痛めつけ、グロッギーになったところで、宙に跳び、KOへ結びつけた。  KIDは、違う。ゴングが鳴った直後の刹那、相手の虚を衝くなんとも破天荒で大胆な攻撃―あれは、沢村の引退後久しく見なかった、紛れも無き「真空跳びヒザ蹴り」だった。  しかも見事な二段蹴り。右ヒザをヒットしたと思ったら、空中で入れ替えた左ヒザがグサリと入った。宮田が、よけ切れなかったのも無理はない。実は右ヒザは見せかけで、実弾は左ヒザにあったとは・・・敗れた宮田を責められるものではない。いずれにせよ、KIDという類稀な才能を改めて見せ付けられた。  かの黒崎健時師範さえ「勘がいいんだろうね。たいしたもんだよ。神の子か、なんだかしらないけど、決断力、思い切り、こういう選手は他にいないな」。伝説の格闘家からお墨付きを貰ったのだから凄い。KIDはまだ発展途上にあるのかもしれない。8月5日、10月9日のミドル級トーナメント戦は一段と興味が湧いてきた。  PRIDE開幕戦の吉田×西島は、予期した結果。元ボクサーで大成した男はいない。藤田は、劣勢の中耐え忍んでよくぞ逆転した。でも、蹴りに対する防御はまだお粗末。  それにしても、同日〈5月5日〉の亀田兄弟試合には驚いた。兄興毅の平均視聴率が33%だと。ボクシングを見る目も変わった。感想はそれだけです。