K-1 WORLD MAX 決勝トーナメント進出者決定 1回戦の試合内容から優勝候補を占う | 舟木昭太郎の日々つれづれ

K-1 WORLD MAX 決勝トーナメント進出者決定 1回戦の試合内容から優勝候補を占う

 K-1 WORLD MAX 決勝トーナメント進出者が決まった。魔裟斗、ブアカーオ、クラウス、そしてサワー、ジョン・ウェイン、小比類巻、ナラントンガラグの7名。これに、スーパーファイトで山本“KID”徳郁をKOに降したザンビディスが加わる公算が高い。決勝トーナメント(7月20日 横浜アリーナ)の組み合わせは、一週間以内にFEG側から発表されるが、いずれにせよ、顔触れは昨年とほぼ変わらない。安廣も可能性あり。
 そこで一回戦の試合内容から、優勝候補を絞ってみよう。
 やはり一番手はブアカーオ。緒戦のワシリーとの試合は、無難にこなした。とりこぼしのないように、無理な打撃戦を避けたといってもよい。2月の対クラウス戦、判定で敗れはしたがその後遺症、不安は全く感じられず。逆に黒光に引き締ったボディラインは、本番へ着々と体勢を整えつつあり、7月にはベストな仕上がりで登場するはず。魔裟斗にとっては、やはり手強い相手だ。
 ロー、ハイキックからパンチで畳みかけるコンビネーションはスピードがあり、相手に攻撃の糸口を与えない。
 クラウスは、ボクサー仕様のカラコダのパンチに緒戦苦戦した。かつての攻防一体の切れ味が影をひそめた感じで、守りと攻めがはっきり分かれている点気になる。
 決勝トーナメントで、いきなりブアカーオに当たるようだと苦戦はまぬがれまい。ズバリ、ブアカーオに有利と見る。
 KIDをKOしたザンビディスはその破壊力から、当然主催者推薦で加わるだろうが、パンチ一辺倒のパターンは、早い回に相手をKOできない展開になると意外にモロさが出よう。
 小比類巻のヒザ蹴りは、パンチャー、ザンビディスには最も有効と思われる。
 アンディ・サワーは、マルフィオに判定勝ちしたものの、昔日の面影は薄れた。
切れ味のいいファイト、パンチの詰めの鋭さがなくなった。従って、優勝候補とはいい難い。ジョン・ウェインは、シェインを3RKOに葬ったが、KOするまで相当手こずっていた。正直いって、蹴りもパンチも戴冠を得るまでの筋金入りではない。
 小比類巻は、ダリウスを2R1分29秒、KO勝ちしたが、これもダリウスが自ら放ったローキックをブロックされての自滅のダウン。骨にヒビがかったか骨折したか、スネの鍛えが甘い選手がよく招くシーン。とはいっても、小比類巻のヒザ、特に長身からの飛びヒザ蹴りはカウンターで決まると威力十分。ブルファイトのパンチャーにとっては、邪魔な飛び道具となる。
 モンゴルの雄ナラントンガラグは、安廣に手こずって、延長戦を闘ってやっと勝てた。パンチは大降りで、一発狙いのフックは一流どころにはそう易々と当たらない。安廣の捨身の攻撃こそ光るものがあり、とても優勝とまではゆくまい。
 さて、最後に魔裟斗。じん帯を痛めているということで、パンチ主体の組立で、韓国のイムを文句ない判定に下した。
イムは、全日本で小林聡をKOしたハードヒッターだが、魔裟斗にあしらわれた、格の違いを感じた。
 魔裟斗もじん帯を痛めてベストコンディションではなかったが、やはり攻守共にバランスが取れている。決勝トーナメントになれば、一段と出入りの早い攻め、コンビネーションが冴えるはず。
 で、優勝候補は、ブアカーオ、魔裟斗、小比類巻の3人と見る。あとは組み合わせがどうなるか・・・7月20日までの選手たちの仕上がりに注目したい。
 余談ながら、女性の米国人リングアナがひときわ輝いていた。素晴らしいの一語!是非今後も登場していただきたい。迫力、華があり。

 尚、TBSが9時から放映したMAXは、平均で20%を越えたという。魔裟斗×イムの判定の瞬間は26%とか・・・。MAXは確実にお茶の間に浸透している。敗れたKIDも、悪びれる必要なし。堂々たる敗者ぶり。総合の選手が、キックの一線級と、よくもあそこまで蹴り合い殴り合いするものだと感心。左ミドリキックは、他の選手にそん色なし。敗れたあとの言葉も、さわやか。あの蹴り技があれば、総合で鬼に金棒だろう。このKID×ザンビディスも25%近い高視聴率とか・・・むべなるかな。
 KIDにはHERO’Sでの活躍が大いに楽しめる。