「全員悪人」と聞くと、ついアウトレイジ(北野監督の映画の、キャッチコピー)の方を思い出してしまいますが、本のタイトルです。
エッセイスト・小説家・翻訳家の、村井理子さんの本。
以前、実録というか、ご自分の経験を綴った「兄の終い」を読んでなかなか衝撃を受けたんですが。
ちなみにこちら。
「兄の終い」の方は実話だけれど、「全員悪人」の方は、実話ではないものの、非常に現実味のある、認知症を発症した高齢女性側の思考を文章化した、読んでいて心がギューっとなる、「ああ、他人事ではないな」という切実な本。
面白いという感想にはならないけれど、そして勉強になるっていう要素ともまた違うけど、でも読んでおいてよかった、と思う内容で。
誰か身近な人が認知症になったとき、もしかしたらこういうことを考えて生活しているのかもしれない、と思える心構え(?)にはなるなぁと思う本でした。
本人が「わたしは大丈夫」と思っている場合、やっぱり周囲の人とうまく生活していくのは難しくなるよなぁ…
認知症だけでなく、鬱からの幻聴とか、その辺も同様かもしれません。
わたしが変なのではなく、周囲が変なのだ(偽物なのだ!)ってひと、対応するの大変ですものね。
放っておくわけにもいかないし。
なんかこう、ギューっとなるなぁ…
(語彙力w
でもホント、読んでよかったです。
これから次々に来るであろう、介護生活の前に。
(わたし、一人っ子なので、自分の父母を。そして夫、長男なので、夫の父母も。どこからどう始まるか、同時多発になるのか、今から戦々恐々であります。)