”恩返し”は、後回し♪後回し♫ | 祐天寺りえのフレンチアルプス日常生活

祐天寺りえのフレンチアルプス日常生活

「フランスだったら産めると思った」(原書房)「食いしん坊の旅」(パラダイム出版)「フランスの田舎暮らしとおいしい子育て」(小学館)・・・以来、単行本を出せていない祐天寺りえの、フランスの山の中での、ごく普通~の日々ブログ。

ず~っと書きたかったことなので、長いです。スミマセンガーン 

お時間ある方のみ、どうぞ。


女子ジャンプ・スキーの高梨沙羅選手(北海道上川町)。

ダントツの強さで、今季のワールドカップ総合優勝を果たし、クリスタルカップを手にしましたね~。


男子レベルのズバ抜けた、しかも安定した力を持ちながら、

オリンピックでは金メダル確実!と言われつつ、惜しくも4位。

表彰台にあがれず、

「やっぱり魔物にやられたね」

などとも言われ・・・。


『オリンピックには魔物がいて・・・』

今回のソチ・オリンピックでも、何度も聴いた、この言葉。


マスコミが考えた絶好のコピー・・・というだけではなく、

実際にオリンピックに出場したことのある元・選手の人達も皆、言う。

「本当に、いるんですよ。とてつもない魔物が・・・」

と。


『魔物』・・・という表現は遣わないけれど、フランス人もよく言う。

「あれだけ強くて世界選手権では勝てるのに、なぜかオリンピックでは勝てない。そういう選手が必ずいる。それだけオリンピックは、特殊で特別な大会」

と。


要はプレッシャー・・・なのだろう。

なにせ、世界中が、国中が、普段はスポーツなんて無関心の人まで、おじぃちゃんおばぁちゃんから子供まで、皆が「メダル」「メダル」と注目し応援する、最大の催し・・・無理もない。



でも、今回のオリンピックで、私は、なんとなく、その『魔物』の正体を私なりに観た気がした(あくまでも”私なりに”・・・です。つまり当たっているとは限らない。単なる独断と偏見による見解。間違っていたら、選手の方々、ごめんなさいガーン)。


まず日本人とフランス人が襲われる『魔物』の正体は明らかに違う。


フランス人のそれは『欲』。

『勝利欲』や『名誉欲』

自分の力を出し切る以上の欲が出て、メダル獲得ばかりに頭がいったり、ミラクルによる勝利を望んだり。

『おのれへの欲』が強くなりすぎて、勝つことができなくなる。


なので、その『欲』が出た後は、とても悔いる。

浅はかさだったと悔い、次こそはそういう欲に襲われないように・・・と肝に銘じる。


一方、日本人選手を襲う『魔物』の正体。その大きな部分は『恩義』。


色々な人達や自治体、スポンサー、友人知人、コーチ、トレーナー、家族・・・・。

それら自分を支えてきてくれた人達に、是非とも恩返しをしたい。

そのためには勝つしかないパンチ!

メダルを持ち帰ることが一番の恩返しグー


その気持ちが高まって、だから頑張るしかない!と心から想い、

でもそれが返って身体を固くさせてしまう。

いつもの力を出しにくくさせてしまう。


純粋で律儀。

ただでさえ、それをよしとする教育を受けている日本人。

なかでも競技選手達は、まさのその教育をしっかり身につけてこそ、トップまでの階段をきちんと上がれる仕組みに、ほぼ、なっている。


まさに『オリンピックの魔物』の旨い餌食だドクロ


「じゃぁ、つまりフランス選手は恩義を感じないわけ?」

・・・いえいえ、彼らだって、かなり感じています。

でも、その数歩手前の心境が多分、かなり違う。


フランスは、なにかにつけ

『si tu veux シ・チュ・ヴ(あなたがしたいのならば、どうぞ』

日常茶飯事、それを言う。


例えば、子供のスキーへの迎えに、

「ついでに貴女の子供もピックアップしてあげようか?」

と親切心から言ってあげても

「シ・チュ・ブ。あなたがしたいのなら」

そう言われてしまう。


「え~、したかぁないけど、その方がそっちが喜ぶと想って言ってあげてるのよ」

と、内心で想うのは日本人である私・・・で、フランス人は、したかぁなければ、そういう余計なお世話はしないものでしょ・・・らしいガーン


その延長で、スポンサーについても、応援者についても同様。

「この選手が好きだからスポンサーになっている」

「応援したいからしている」

「相手がやりたいのだから、やってもらっている」

が、柱になっている。


なので、「恩返し」への気持ちが過剰になって身体を固くしたり・・・はしない。

単に自分の「勝ちたい!」気持ちの過剰さが失敗を呼ぶ・・・だけだ。


「勝ちたい!」気持ちへのコントロールは、まだし易い。

「恩返し」の念を殺すのは、感謝の念を消すようにも想えて、多分、かなり難しい。


実はこのこと、我が長女カリンが去年まで囚われ、その呪縛から脱するのに2年かかり・・・。

『オリンピックの魔物』ほど大きな魔物でなくても、かなり苦しんだ(彼女は妙~なところだけ日本人なものでガーン


結果的には、「恩返し」なんて考えない、自己欲の制御のみに配慮した者がメダルを獲れて、恩返しも成し遂げられてしまう・・・そうは理論では解っていても、なかなか「恩義の念」を捨てられなかった。

そして捨てたわけではないけれど、

「恩返しは後回し。ずっと後で、それも、してくれた人やメーカーに対して返すのではなく、次の世代や他の人に自分の得たものを手渡しすることも、深い意味での世の中への恩返しに繋がる」

「だから、まずは自分で何かを得る滑りをする」

そう、吹っ切れた時から、伸びやかな本来の滑りができるようになった(で、滑ることが楽しくて楽しくて、やり過ぎて靭帯切ってしまったのですがガーン


・・・というわけで、日本の競技をしている選手達も、これからは

「恩返しを今すぐに・・・なんて考えない。それはもっと後~に後回し音譜

そういう頭で行きましょう~!


そしてスポンサーも私達市民も

自動販売機のように、お金を入れたら、すぐ結果が出て歓べる。

そんな考えを払拭。

「いいのよ、いいのよ、私達のことなんて気にしないで。協力や応援が楽しいから、好きだからしてるのだから音譜

そう、声を大にして、心から言いましょう!


そしたら、選手達はきっともっと伸びやかに強くなれる。

もっと楽に力を出し切れる。日頃の努力の成果を出せるようになるクラッカー





コレはワールドカップ女子ジャンプ・ファイナルのハイライトYoutube。

沙羅ちゃんだけでなく、葛西選手はじめ日本の選手達もいっぱい映ってます。

日本のジャンプ選手は男女ともに、本当に世界で大人気ラブラブ

しかもとっても仲がよく和気藹藹。他国のジャンプチームからは良い意味でかなり浮いてます(笑)


http://www.youtube.com/watch?v=JvaJ2-M-igw